ガールズ&パンツァー もう一人の転校生
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決勝戦
「6号車からの連絡ですと、先程の攻撃で森の一部に引火し、燃えているとのことです。」
「そうなんだ。」
『m黒森峰女学院、三輌撃破。火災発生地の現状については確認中です。』
そんなことが審判からの通信でわかった。
「『北海学園は直ちに火災地前方からの無差別発砲を開始。』」
梨華が直ぐに指示を出した。
「梨華いいの?確認中なんだから待てばいいのに。」
裕香が言ってくるが、
「あんなのでそこにいた戦車が全車輌を撃破できた筈がない。それに」
「それに?」
「みほをあんなにバカにしたんだから許すわけにはいかない。」
『梨華もそう考えてたんだ。』
通信越しにはやからも
『私も同じことを考えていたんです。通信によると南側から森を向けるとの事です。』
「『北海学園は南側に移動。みみが一輌でも確認をしたら発砲。』」
『了解しました。』
通信が切れると梨華は、白河女子高の全車輌に、
『全車輌、同じ森に小ミサイル弾を各車輌、三発づつ発砲。』
『『了解。』』
次々に小ミサイル弾で黒森峰女学院を圧倒する白河勢、
『黒森峰女学院を発見。全車輌、主砲、副砲発射。』
みみの指示で四両から砲弾が撃たれた。
『こちら北海学園、3号車。撃破されました。後はお願いします。』
「『了解。』一輌撃破されました。」
「嘘。乗組員の被害は?」
「無いそうです。」
『黒森峰女学院、四輌撃破。火災地の被害は合計七輌。』
それを聞いた梨華は、
「全車輌を三つに分けて、捜索に当たれ。」
『了解。』
そこにまたしても撃破報告が入ってきた。
『大洗女子学園、二輌撃破。』
それを聞いて梨華は、決勝戦に入って、始めて焦りを見せた。
「どこが撃破されたのか、確認急いで。」
「了解しました。『どこか負けたのか、各チーム報告して。』」
『北海学園です。3号車が撃破されました。それ以外はありません。』
『青葉女学園。問題ありません。』
『大洗女子学園。一輌撃破されました。』
みほ達の方に戦車が来ていることを知って、
「『北海学園の戦車は急いでみほ達の援助に向かって。』」
『了解しました。全車輌、パンツァーフォー。』
「裕香は急いですばるさんに通信で『一号車と二号車を残してみほの所の向かうように伝えて。』」
「はい。」
「さやねははやたちと一緒に後方に回り込もうと思ってるから、隊列から離れて。」
「了解。」
「その事をはやに伝えて。」
「はい。」
亜依はずっと砲弾を持っていた。
「亜依はいつでも装填を出来るように準備しておいて。」
「残りは十三輌しかないはずだから、私たちがいなくても倒せるだろうけど、警戒して慎重に行こう。」
「了解。」
「『はやもいい?』」
『任せて。なにがあっても勝ちたいから。』
「それではパンツァーフォー。」
二輌が他の五両とは違う方向に走っていった。
「梨華は、前回から参加だけど経験があるからまほさん以外には負けることは考えられないよ。」
「去年もまほさんとみほに挟まれただけですか、警戒するのはやっぱり。」
「西住まほ。」
梨華が最後にまほの名前を出した。
『こちら北海学園、二号。黒森峰女学院と相討ちになりました。後は頼みます。』
「『了解しました。』梨華、相討ちで一輌撃破です。」
「さやね、後どれくらいかかりそうですか。」
梨華の焦りは余計に大きくなった。
「青葉に通信、一輌でも多く撃破して、と伝えて。」
「了解です。」
「さやねはスピードを上げて、絵里は直に見えてくる戦車に正確に砲撃を加えて。」
「了解です。」
『こちら白河女子高の氷華です。四号と五号が黒森峰女学院一輌と相討ちで撃破されました。』
『氷華、白河女子高は残り何輌?』
『全部あわせて五輌です。』
『そちらにいる三輌の残り小ミサイル弾の合計は?』
『合計で七弾です。』
梨華は思い詰めた表情からなにかを考え付いた表情に変わった。
『残りの小ミサイル弾で八輌まで敵を少なくして。』
『了解です。』
「裕香。青葉に通信で、白河女子高の小ミサイル弾による攻撃終了後に二発で一輌を撃破するように伝えて。その通信終了後、北海に連絡して、二輌で一輌を撃破するように伝えて。」
「はい。梨華、小ミサイル弾が発射されたそうです。」
「結果は?」
「現在、確認中です。」
『黒森峰女学院、三輌撃破。残り八輌です。大洗女子学園は残り十五輌。』
審判からの通信にあったように、大洗が今の所の圧勝していた。
『こちら氷華。小ミサイル弾を全て使用したため、砲弾による攻撃を開始します。』
『青葉の援助をしながら撃ってね。』
『はい。』
「梨華、敵戦車を発見したよ。」
絵里が発見した戦車はまほさんの戦車だった。
「絵里、まだ撃たないで。亜依、小ミサイル弾全弾をまほさんの戦車に照準をあわせて。」
「わかりました。」
「はやにも同じように伝えて。」
「了解です。」
亜依が細かい設定と照準を完了させると、
「完了しました。」
「梨華、敵が気づいたみたい。砲台が回転しています。」
『はや、まだ?』
『いつでも行けるよ。』
『カウント開始。5.4.3.2.1.0発射。』
二輌から小ミサイル弾(全10弾)、砲弾(2弾)が放たれた、
「みほたちにも一斉攻撃を指示して。」
「了解。」
「砲弾が当たったのを確認。それと小ミサイル弾の全弾当たりました。」
「よっしゃー。」
「もう怖いのないよ。パンツァーフォー。」
最後にフラッグ車を狙うために二輌は進んだ。
『黒森峰女学院、フラッグ車戦闘不能。よって大洗女子学園の勝利です。』
「一同、礼。」
蝶野教官が言うと、
「ありがとうございました。」
すると蝶野教官がまほさんになにかを渡した。
「これは本当だったら出る予定だった大狩流派祭と全日本戦車道名門校大会の出場停止書です。師範にお渡しください。」
「わかりました。」
2つの大会への出場停止が黒森峰女学院への処置として取られた。
『これより表彰式を始めたいと思います。優勝校は前へ。』
私たちは全員で観客席前のステージに出た。
『日本戦車道連盟会長、大狩里美様による挨拶です。』
「皆さん、お疲れ様でした。今大会には、初出場と言うことで聞いていたものですから、まさか優勝するとは思っていませんでした。貴校は今大会に今までにない激戦を繰り広げ、その結果、優勝しました。今後も戦車道が活発になることを期待しています。」
『続きまして、優勝旗の引き渡しです。前年度優勝校、プラウダ高校の代表者お願いします。』
「おめでと。ホントに優勝するとは思っていなかったわ。」
「ありがとうございます。」
「最後になりますが、今大会より副賞をもうけました。連盟副会長、夏村未来様お願いします。」
「副賞として、九五式軽戦車三輌を贈呈します。」
すると九五式軽戦車が走ってきて。止まった。
「さらに、オイ車の二輌をプレゼントします。」
オイ車を見た優花里は嬉しくて涙を流していた。
『以上で表彰式を終了します。』
これで全国大会の幕が降りた。
「北海学園は左の艦に乗るんだぞ。」
「白河女子高は真ん中だ。」
「大洗は此方だよ。」
三校の生徒は今までに大洗で一緒に過ごしていたが、大会が終わり別れることになった。
「ありがとうございました。」
みほは全員に頭を下げた。
「気にしないで、大狩流派祭は負けないから。」
「頑張って練習をしてくださいね。」
両校からエールを貰った。
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