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レーヴァティン

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第百二十五話 姫路入りその十一

「戦いそしてだな」
「滅ぼすしかないよ」
「そうした連中もいるな」
「世の中にはね、けれどね」
「そうした連中はな」
「この浮島にはね」
「まずいないな」
「仏教徒で信仰の強い人はいても」
 それでもというのだ。
「そんなね」
「自分達以外は皆殺しにする様なな」
「その様な連中は」
 それこそというのだ。
「いないな」
「それは何よりだね」
「ああ、そうした連中には確かにな」
「皆殺ししかないね」
「殲滅戦しかない、だが」
 その殲滅戦についてだ、英雄は桜子に話した。
「それはな」
「殲滅戦を行うとね」
「大変なことになる」
「一戦交えてそれで降るならね」
「考えてみれば楽だ」
「そうだね」
「だが全員、一人残らずだ」
 それこそというのだ。
「殺さなくてはならないとなるとな」
「こんな疲れる戦はないね」
「そして嫌なものだ」
「狂信者は女子供も入るし」
「戦う相手なら俺は女でも戦いだ」
 この辺り英雄はシビアと言える、女は殴らないだの切らないだの彼は言わない。敵ならば性別年齢に関係なく戦い倒すのだ。
「倒すが」
「しかしだね」
「基本それは武士やならず者だ」
「民衆ともなってね」
「ましてそれが無関係の者まで巻き込みかねない様な」
 そうした戦はというのだ。
「俺の嫌いな戦だ」
「そういうことだね」
「俺は武士や魔物を相手とした戦が好きだ」
「そんな徹底したね」
「一人残らず、子供まで殺し尽くす様なな」
「戦は嫌いだね」
「だからしたくない、そうした敵は」
 それこそというのだ。
「この浮島にいなくてだ」
「よかったとだね」
「思っている」
 実際にというのだ。
「それは何よりだ」
「全くだね」
「ではだ、これからもな」
「出来る限りだね」
「戦をしない様に進めていこう」
 こう言ってだ、そうしてだった。
 英雄は安芸を完全にしてだった、そのうえで。
 今度は瀬戸内の海賊への対応に移った、だが彼等が戦うのは海賊達だけではなかった。


第百二十五話   完


                 2019・8・8 
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