レーヴァティン
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第百二十四話 三国だけでなくその四
「どうしてもな」
「そういうことだな」
「上陸してすぐに戦になることも考えられる」
「そこだな」
「出来るだけ二日酔いの兵が少ないことを祈る」
こうした話もしてだった、英雄は土佐の方に向かっていた。幸い二日酔いになっている兵は少なかったが。
魔物は多かった、愛実はその魔物達との戦闘もう幾度目かわからないそれを終えてから苦い顔で述べた。
「多過ぎでないっちゃ?」
「魔物の数がな」
「瀬戸内と比べるとっちゃ」
こう英雄に言うのだった。
「多いっちゃ」
「それはそうだな、湖も場所によってな」
どうかとだ、英雄も応えた。
「魔物が多くなるな」
「そういうことっちゃな」
「四国の南、土佐の辺りはな」
「魔物が多いっちゃな」
「四国自体は多くなかった」
讃岐と阿波、伊予の土地はだ。
「そしてその岸辺もな」
「そうだったっちゃな」
「しかしだ」
それがというのだ。
「土佐に近付くとな」
「多いっちゃな」
「どうもな」
「これでは漁も大変っちゃな」
「土佐の湖はいい漁場が多いというが」
「それでもっちゃな」
「こうも魔物が多いと」
英雄は眉を曇らせて愛実に応えた。
「厄介だな」
「そうっちゃな」
「四国を統一した時は」
「土佐近辺の湖の魔物達を征伐するっちゃな」
「それも進めるか、魔物を退治することもな」
このこともというのだ。
「政だからな」
「賊の退治と同じっちゃな」
「それもしないとな」
「民が幸せに暮らしていけないっちゃ」
「だからな」
「それもするっちゃな」
「必ずな、だがそれはな」
このことはと言うのだった。
「やがてだ」
「土佐を掌握してからっちゃな」
「それからだ、ではまずはな」
「四万十川の西にっちゃな」
「上陸だ、魔物は多いが」
そのことが厄介ではあるがとだ、英雄は愛実に前を見て述べた。
「それでもだ」
「そうするっちゃな」
「そしてだ」
英雄はさらに言った。
「そこの諸城を攻め落としてな」
「うち等の領土にしてっちゃな」
「そこから北東に兵を進め」
「高知に向かうっちゃな」
「そうする、そして東からもな」
即ち阿波からもというのだ。
「そうさせる」
「あっちは二万の兵っちゃな」
「その二万の兵に命じてな」
そしてというのだ。
「阿波から土佐の東を回ってな」
湖の方をというのだ。
「そしてだ」
「土佐の東っちゃな」
「底を攻め落とさせる」
「そして東西からっちゃな」
「高知を目指す、こうすれば」
英雄は今土佐の地図を頭の中で描いていた、そしてそこに自分達が率いている軍勢に動きも描きつつ話した。
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