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レーヴァティン

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第百二十話 王都攻略その十二

「それはお前もわかってるだろ」
「ええ、それ位だとね」
「皇帝を名乗ってもか」
 久志が自分でそう名乗り例え即位してもというのだ。
「即位か」
「最悪ボサカ一世ちゃうか?」
 今度は美奈代が言ってきた。
「例えめっちゃ悪いけど」
「あの中央アフリカのかよ」
「それになるかもな」
「ああなるってな」
 久志は自分達が起きた世界のその話を聞いてこう述べた。
「ちょっとな」
「あんたも嫌よね」
「あれはもうな」
 流石にというのだ。
「あからさまに僭主というかな」
「独裁者が増長した」
「そんな風だからな」
「だから昭和帝も即位式に招待されたけれど」
「参列されなかったな」
「わかっておられる方だったから」
 清音は久志に激動の時代を生きられたその方の話をさらにした。
「だからよ」
「参列されなくてな」
「スルーされたのよ」
「今風に言うとそうだな」
「ええ、それでね」
「皇帝になってもか」
「あまりね」
 そのボサカの様にはというのだ。
「あまりね」
「すべきでないな」
「やはり皇帝になると」
「品性も必要だな」
「ナポレオンもそれを言われたでしょ」
「成り上がりだってな」
 実際にそう言われ批判もされていた、皇帝となってもナポレオンは彼一代でそうなり血脈とそれに伴う伝統が存在しなかったから言われたのだ。当時の欧州はそれだけ権威が強かったということでもある。
「そうだったな」
「あんたは言うならね」
「そのナポレオンだな」
「そうなるから余計にね」
「品性はだな」
「必要だから」
 それでというのだ。
「そこは気をつけてね、じゃあ」
「ああ、皇帝にどうしてなるか」
「考えていきましょう」
 こうしたことを話してだ、そしてだった。
 久志は仲間達と共にどうして皇帝になるのかを考えることになった、浮島を治めていくべきで必要だと感じたからこそ。


第百二十話   完


                 2019・7・1 
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