魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話
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第二百三十二話
「にゃ………」
現在地、本音の部屋。
猫モードの俺を全力でモフってるバカは置いとこう。
『おい本音』
「あれ? おりむー喋れるの?」
『テレパシーだテレパシー。御前、なんだこの部屋は』
「ん? 普通の部屋だよ?」
『表面上はな!』
サイコキネシスでクローゼットを開ける。
「あ~。女の子のクローゼット勝手に開けちゃだめだよぉ~」
『これが女の子のクローゼット!? 人類の半分に謝れ!』
中にはもちろん服もある。
学校の制服と思われる物から普通の女性的な服まで。
が、クローゼットの半分には大量の金属棒が置いてある。
恐らくは、棒手裏剣。
『弁明は?』
「仕事道具?」
『こんなに要るのか?』
「んー……基本使い捨てだし。そもそもがお父さんから貰った物だからねー」
『虚さんは?』
「お姉ちゃんはゴーストガン持ってる」
『おい待てや。お巡りさん呼ばれるぞ』
「いっつも持ってるけど税関もフリーパスだし、多分IS学園でも携行してるんじゃないかな」
おいおいおいおい……。
『一番の常識人枠が一番ヤベーじゃねぇか』
「常識人だから銃もてるんじゃないかな~」
なるほど…。
「それに私達『裏の者』には法は適用されないしね~」
『そういえばお前って簪が拐われた時何してたの?』
「…………………かんちゃんの命令で親方様達の控え室に向かってた」
『あらー……』
「それ以来かんちゃんの側から離れないようにしたらウザがられちゃって…」
『それは今も?』
「かんちゃんもわかってるから外に出るときは私を連れていくよ。
家の中では違うけどね」
『ふーん』
肉球で本音の頬をつつく。
「ふにゅ?」
可愛いなオイ。
『ま、本当に嫌がってたらお前を側になんか置かんさ』
「おりむーは優しいねぇ~」
『はいはい』
暫くして、本音が寝てしまったのだが問題が一つ。
抱き枕にされて身動き取れねぇ。
仕方ないのでフルダイブして仕事をする。
すぅ…と現実の感覚が遠退く。
コアの偽装空間(テラリウム)に入る。
自分が再構成される感覚。
体の中心から感覚が生まれていき、末端まで行き渡る。
0000のテラリウムは宇宙をイメージした虚空になっている。
サッと手を振ると、楯無の等身大ワイヤーフレームが出現する。
勿論腕はない。
「珍しいね。ますたーがテラリウムに来るなんて」
「そうかな?」
ぎゅっと、背中から抱きつかれた。
「どうしたんだ?」
「ますたーが最近相手してくれないから」
「おう、そうか。本音が解放してくれたら構ってやるよ」
「えっちなの?」
「お前がしたいなら」
「ん、それは今度でいい」
簪とアイデアを出し合った義手機能を一つ一つイメージしていく。
「ますたーと一体化して、心が結びついている。
私はますたーと一心同体。
なのに、すこし、さみしい」
「そうなのか?…」
「うーん…。 やっぱり私は生物なんだなぁって」
「生命と生物の違いか?」
「そう。私は暖かさに飢えてる。心の暖かみは十分。でも体の暖かみは足りない」
「ふーん……そういうもの?」
「むぅ……いっつも皆に抱き締められてるますたーにはわかんないよ」
「返す言葉もない」
それぞれイメージした機能はマネキンのような腕がアクションをしている。
全てのアイデアを具現化し終えれば、後は必要な機構を具体的にして、統合や代用できる機能などが無いか確認する。
唐突に、カプッと耳を噛まれた。
「うゅ?」
「じゃ、私は行くから」
「おう、そうか……………………って待てオイ」
「なぁに?」
「お前それ、俺の体から離れるって意味だよな?」
「そうだよ?」
「頼むから本音が起きるまで……」
「やだ」
しゅわんっ! と橙が光になって消えた。
「…………………………」
気づかない振りをしておこう。
サイコミュも切ってるし大丈夫だろう。
っていうかわざわざ切らなくても橙が切ってただろうし。
side out
大きな黒猫の姿をした一夏の体から半透明の一匹の猫が出てきた。
すると、一夏の姿が一瞬黒い闇に包まれる。
闇が晴れるとそこには手足のない、人の姿をした一夏が居た。
半透明の猫が体を丸めて一回転すると、そこには小さな女の子が立っている。
「………………」
橙は猫の姿のままの一夏の手足を掴んで、体から引き離した。
するとビーズクッションのようにグニャリと曲がった。
サイコシャードがディアクティブ、サイコミュが起動していない証拠だ。
「んぅぅ……」
一夏を抱いていた本音が、いっそう一夏を抱き寄せる。
一夏の顔が本音の膨らみかけの胸に押し付けられる。
橙が一夏の耳元に口を近づける。
「このクソリア充が。ロリショタ野郎、性欲魔神、巨根、女の敵」
と罵倒する物の、その顔は笑みを浮かべていた。
「本音が起きたらちゃんと構ってくださいね、ますたー」
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