レーヴァティン
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第百十二話 若狭も手に入れその八
「どうしてもとよ」
「人だけではないからな」
「そうたい、魔物もいるたい」
「琵琶湖にもいる程だしな」
「蛟も出るたいしな」
「だから余計にな」
自分達が起きている世界以上にとだ、英雄は述べた。
「兵を送り俺達もだ」
「出てたいな」
「そしてだ」
「治安を上げていくたいね」
「そうだ、さもないと商いなぞな」
長い距離を行き来する場合は余計にというのだ。
「出来はしない」
「だからたいな」
「そうだ、難しくともな」
「果たすたいな」
「それが政だからな」
「政は国と民の為たいな」
「そうあるべきだからな、俺達はもう糧を得ている」
民達の収める年貢や税、それに国が得る利からだ。彼等は今はそうしたもので糧を得て生きているのだ。
「それならな」
「他のモンにもたいな」
「それが人の筋でもあるしな」
「まさに政たいな」
「さもないとだ」
ただ年貢や税だけで生きていればというのだ。
「寄生虫と変わらない」
「寄生虫たいか」
「そうだ」
それになるというのだ。
「俺は人でありだ」
「寄生虫でないたいか」
「人に寄生する趣味はない」
そもそもというのだ。
「だからな」
「政はおろそかにしないたいな」
「そういうことだ、だからだ」
「そうしたことも政だからこそ」
「行っていってだ」
そしてというのだ。
「結果も出す」
「そうするたいな」
「必ずな、それに賊と魔物の割合は」
「これが不思議にです」
紅葉が言ってきた。
「あまり変わらないです」
「その様だな」
「はい、しかも人里離れた山はともかく」
「人の往来がそれなりにあるとな」
「賊も魔物もです」
そのどちらもというのだ。
「然程です」
「出ないな」
「はい、そして」
それでというのだ。
「一番多く出るのは険しい山なので」
「そこに人が入らないとな」
「安心出来ます」
そうなっているというのだ。
「まだ」
「そうだな」
「はい、それで鯖街道も」
近江の西のそこもというのだ。
「私が考えますに兵の詰所の砦を置き」
「巡回もしてだな」
「賊や魔物を退け出れば」
「すぐにだな」
「その場所に。常に移動の術を唱える者も置いて」
兵達の中にというのだ。
「そしてです」
「商人が襲われたりするとだな」
「すぐに現場に行って助けられる様にしましょう」
「それがいいな」
「そう思いますが」
「そうだな、これは他の主な道もだな」
英雄は紅葉の言葉を聞いて言った。
「そうしていくべきだな」
「そうかと」
「わかった、では兵はそちらにも置き」
道の守りにもというのだ。
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