仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~
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第1部~崩壊する楽園~
第27話『償いの研究』
これまでの、仮面ライダーディロードは─
「集え、世界の願い!」
「ディメンションオールワールドヒストリー!」
「凪風雅、国家反逆罪の容疑で逮捕します。」
「被告、凪風雅に懲役三年の禁固刑、及び無期限の仮釈放期間を言い渡します。」
「ここにいては危険よ。」
装填の守護者、ディロード。幾多もの世界を救い、その心は何を思う─
「リンディ長官、どうにかなりませんか?」
「沙都子さん、私達だけではどうにもならないわ。複数の虚偽報道について摘発しようとしたら言論弾圧だと騒がれてね。」
「雅は、こうなることは解っていたの?」
「そうねフェイトさん。ある程度予測していたけど、皆さんまで攻撃の対象にされるのは予想外だったみたい。一応、OREジャーナルは事実の報道を行っているけど、それでも民営放送の数が多くて物量的に信用してもらえないわ。」
「気になったのだけど、民営放送で言っていたあの裁判を不当と言っていた割合は事実なのかしら?」
「梨花さん、残念なことにあれは事実よ。次元保護国警察を中心に、一部の理解者だけが、雅さんの肩をもっている状態よ。今日も北岡さんの事務所にどうして引き受けたのか、という旨の抗議の電話が鳴り止まないそうよ。」
「なんでそんなことが平気で出来るんだよ!」
「圭一さん、時代が変われば人の考えも変わるのよ。今の時代は、一つの悪を見つけたらよってたかって袋叩きにして、気が済んだらまるで何事も無かったかの如く忘れ去られる時代なの。」
「なんでそんなに無責任なんだよ!」
「それは私も解らないわ。恐らく、皆さんは後半年もすれば忘れ去られるわ。だからここで暮らせるように手配したの。」
「雅はどうなるの?」
「多分のテレビ局からは一生批判されて、一部の国民は悪ふざけの道具に使うでしょう。」
「なんで悪ふざけの道具に?」
「今のネット社会、様々な動画投稿サイトがあるでしょう?過去に犯罪を犯した人の映像やインタビュー、会見がおふざけ動画に加工されて投稿されているのは知っているでしょう?」
「うん。」
「雅さんも、きっとそれと同じ道をたどることになると思うわ。」
「随分とすさんでいるのね。」
「そうね。」
「あの、リンディ長官。」
「どうしたのかしらフェイトさん?」
「雅の仮釈放期間には、誰かの監視が必要ですよね?」
「ええ、そうね。」
「その役目、私達チームディロードで引き受けることはできますか?仮にも私達は警察庁に所属しています。その権利があるはずです。」
「…わかったわ。私の方で調整するわ。だから、今はここでゆっくりしているといいわ。」
リンディはチームディロードを落ち着かせて出て行った。
「雅さん、今頃大丈夫かな…」
「大丈夫だよ。専用の独房で雅にしか出来ない仕事をしているよ。」
心配する圭一にフェイトは答える。
「とにかく、今私達に出来ることはここで身を潜めることだけね。ニュースならここでも観れるわ。ほとぼりが冷めるまで待ちましょう。」
こうして、チームディロードの新しい日々が始まった。
それから半年後、アリサとすずかは雅に呼ばれて雅の独房に来ていた。
「久しぶりね、雅。」
アリサは機嫌悪そうに挨拶をする。
「僕が二人に、いや、この国に対して犯した罪は謝って許されないことは解っている。だけど、この場でもう一度謝らせてほしい。」
「…雅は相変わらずね。雅がこの半年でどんなことをしていたか、なのはから聞いているわ。アースラに搭載されていた次元転送ポートの改修、G5ユニットの高品質低コスト化、不完全だった次元干渉システムのジャミングシステム。はっきり言ってもう充分以上の働きをしているわ。」
「だけどアリサ、これではまだ僕自身が納得いかないんだ。」
雅とアリサは白熱した言い合いをしていると、
「あの…今日は私達にお話があったんじゃ…」
すずかが話を遮る。
「そうよ!私達を呼び出して何を言おうとしていたのよ!」
「二人に、渡したいものがあったんだ。」
雅は小さなトレーに二つのペンダントを乗せていた。
「まず、アリサにはこれを。」
雅はアリサに小さな剣型のアクセサリーがついたペンダントを渡す。
「すずかにはこっちを。」
雅はすずかに青紫色の宝石がついたペンダントを渡す。
「あの、これは何ですか?」
「それは僕の研究の一つ、エクシードデバイス。」
「デバイスって、リンカーコアの無い私達になんでこれを渡すのよ!」
「アリサ、よく聴いてほしい。そのエクシードデバイスは、リンカーコアの無い民間人の護身用に作った、デバイス自体にリンカーコアを搭載したデバイスだ。だから、リンカーコアの無い人でも魔法の運用が行えるようになるし、リンカーコアを持っている人が使えばその魔力を向上させる力を持っているんだ。それで、その二つは完成形だ。アリサに渡したのは爆炎の剣、フレイムアイズ。すずかに渡したのは爆氷の鏡、スノーホワイト。これからは、二人もなのは達と一緒に戦うことが出来る。」
「やっぱり、私達のことをしっかり考えているのね。」
「前にアリサが、魔導師になれなくてなのは達をサポート出来ないと言っていたことをヒントに作ったもので、今量産化の計画を立てている。」
「そうなんだ…」
すずかが関心を示していると、
「ねえ、早速だけど、模擬戦してもいいかしら?」
「大丈夫だけど。」
アリサが質問し、雅は答える。
「それじゃあ、早速行きましょう!」
アリサは雅に言う。
「いや、僕は収監されている身だ。そんなことは…」
雅が話していると、
「安心しろ雅、訓練所の手配は整っている。」
劉鳳が現れ、雅に告げる。
「劉鳳さん…」
「たまには体を動かせ。」
「これでも、朝起きてすぐに日課の運動は行っています。」
「そうではない。戦闘一つしていないと、体が鈍るだろう。だから彼女達の模擬戦の相手になれ。安心しろ。しっかり増援も呼んだ。」
劉鳳が話すと、
「雅君!?」
「ほんまお久しぶりやなぁ。」
「雅、元気そうでよかった!」
なのは、はやて、フェイトがやって来る。
「彼女達なら不足はないだろう。もし不安なら俺も参加する。」
「それでは、お願いします。」
こうして、聖祥大付属小仲良しメンバー+1と雅は訓練所へ移動する。
「凪風、本当に一人でいいのか?」
「大丈夫ですよ。」
劉鳳は絶影を纏い、雅はディロードライバーを装着する。
「レイジングハート!」
「バルディッシュ!」
「リィンフォース!」
「はい、はやてちゃん!」
「「「セぇーットアーップ!」」」
三人はバリアジャケットと騎士甲冑をそれぞれ纏う。
「すずか、私達も行くわよ!フレイムアイズ!」
「うん!スノーホワイト!」
「「セぇーットアーップ!」」
アリサとすずかもバリアジャケットを纏い、フレイムアイズは両手剣型のデバイスモードに、スノーホワイトは爪のついたグローブ型のデバイスモードに変化する。
「どうやら、うまくいったみたいだ。」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
アリサ達のデバイスの発動を確認した雅はディロードに変身する。
「行きますよ!」
【SUMMON RIDE-AMITIE FLORIAN KIRIE FLORIAN-】
ディロードはロードスラスターにカードをスキャンし、フローリアン姉妹を召喚する。
「気合充填!全力でサポートさせてもらいますよ!」
「お久しぶりね、お嬢ちゃん。今日は私の方からデートのお誘いよ♪」
アミティエは劉鳳と、キリエはフェイトと戦闘を行い陣形を速くも崩す。
「まだまだ!」
【SUMMON RIDE-STERN THE DESTRUCTOR LEVY THE SLASHER ROAD DIARCH-】
ディロードは更にシュテル、レヴィ、ディアーチェを召喚する。
「王様、漸くボク達の出番だね!」
「おうよ!我が闇すべし力でこの地を沈めてくれよう!」
「傅け!この者こそが闇すべる王、ロード・ディアーチェ!今、この地に降り立った瞬間です!」
レヴィはキリエに合流し、フェイトを妨害する。
「ナノハ、このような形で貴女と再戦出来る喜び、感無量でございます。ですから、どちらかの心の炎が燃え尽きるまで、戦いあいましょう。パイロシューター!」
シュテルはなのはと戦う喜びを噛みしめ、なのはを攻撃する。
「ふんっ、そのような小さな欠片に縋るとは、小烏も塵芥に落ちぶれたか。我が引導を渡すとするか。」
「なんや、私のそっくりさんは随分と口が悪くて態度がでかいんやな。ちょいとおしおきや!バミューダACS!」
ディアーチェの態度が勘に障ったはやては魔力を込めた突進を放つが、
「甘いわ!?」
ディアーチェが本型のデバイス、紫天の書を開くとはやてはバインドによって拘束される。
「行くぞ。紫天に咆えよ、我が巨砲!」
ディアーチェが詠唱を始めると、闇属性の巨大な魔力の塊が四つ出現する。
「出よ巨重、ジャガーノート!」
ディアーチェの詠唱が終わると、魔力の塊は膨らむ。
「はやてちゃん、危ない!スノーホワイト、お願い!」
すずかは巨大な氷の楯を出現させてはやてに直撃するはずだったジャガーノートを打ち消す。
「ほう、なかなかやるな。」
ディアーチェはすずかの動きに関心を示す。
「だが、二人の相手は僕のはずだ!」
【ATTACK RIDE-SLASH-】
ディロードはそんなすずかに斬りかかるが、
「させないわ!」
アリサがそれを防ぐ。
「やはり僕が作っただけあって、初心者でも充分に力を発揮出来るか。」
ディロードが体勢を立て直すと、
「今です!ルベライト!」
ディロードはシュテルの放ったバインドを受ける。
「シュテル、まさか!?」
「ええ、ミヤビ。そのまさかです。行きますよ、闇王、雷刃。」
「おう!」
ディアーチェはリンカーコアレベルまで肉体を分解し、ディロードの体に入り込み、ディロードの抵抗がなくなるとシュテルとレヴィもディロードの体に入り込み、ディロードはトライユニゾンを黒と紫を基調にした姿に変わる。
「我はディロード マテリアルユニゾン。三つの闇と絆を手に、今立ち上がる!」
なのは達はディロードを前に体勢を整える。
to be continued.
次回、仮面ライダーディロード最終回
「その程度で、我らに敵うものか!」
「せぇーの!」
「それで気が済むなら、僕は迷わず受け入れよう!」
「雅さん!」
「雅さん!」
「雅…」
「雅。」
「雅…お帰り!」
『無間』希望を紡いで、全てを救え!
後書き
新カード紹介
アミティエ・フローリアン:アミティエを召喚するカード。
キリエ・フローリアン:キリエ・フローリアンを召喚するカード。
星光の殲滅者:シュテルを召喚するカード。
雷刃の襲撃者:レヴィを召喚するカード。
闇すべる王:ディアーチェを召喚するカード。
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