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憑依者の英雄譚

作者:黄泉姫
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11話

ダンジョンに潜り終え、拠点である廃教会へと帰り、ステイタスを更新していた。

ベル・クラネル Lv.1

力F330→F390

耐久E400→E480

敏捷E470→B520

器用H290→G380

魔力B500→A600

【魔法】

《繰り返した瞳 (カゲロウアイズ)》

【スキル】

《直死の魔眼》

《英雄候補(イロアス・エポプシフィオス)》

ステイタスの更新をしているヘスティアは相変わらずベルの成長速度に度肝を抜かれていた。

「ベル君の成長速度は相変わらずスゴいね」
「トータル400ですか。いつもよりはすかないんじゃないんですか?」
「そうかもしれないけどね。多分だけど同じようなモンスターとかしか倒してないからかな。あと人助けしてないからじゃないかな?」
「と言われてもなー。上層じゃ早々誰かがピンチになるなんて起きないからな」

ダンジョンでは何が起きるか分からないが基本的に少数人数でもパーティを組んで潜る。その為、よっぽどのイレギュラーが起きない限り人助けをすることもないのだ。

「そうだ。この後何か用事がありますか?良かったら一緒に外食しませんか?」
「ベル君からの誘いは嬉しいんだけど、今日これからバイト先で打ち上げがあるんだ」
「そうだったんですか。なら、今日は一人で食べに行きますね」
「うん。ごめんよ、また今度一緒に行こうぜ」

そのままベルは豊穣の女主人へとヘスティアは打ち上げをやる店に向かったのであった。

「いらっしゃいませってベルさん!来てくださったんですね」
「はい。約束でしたから」
「うふふ、嬉しいことをいってくれますね。お客様一人入りまーす」

そのままカウンター席へと案内された。

「おっ、あんたがシルが言っていた冒険者だね。冒険者にしちゃ可愛い顔してるじゃないか!」
「アハハ」

気にしていることを言われて苦笑いを浮かべる。

「なんでも私たちが悲鳴をあげるくらいの大食漢らしいじゃないか!」
「え!?」

そんなあり得ない言葉が聞こえてきた。

「シルさん、一体なんて言ったんですか?」
「てへ」
「可愛いけどダメですよ」
「大丈夫ですよ。ミア母さんも冗談だとわかっていますから。少し待って奮発してくれれば大丈夫ですよ」

そう言われてメニューを見る。

「それじゃあ、このメニューの中で一番高いものをひとつと何かお酒以外の飲み物をひとつ」
「はい、わかりました。少し待っててくださいね」

ウインクしたあとシルさんはそのままオーダーを女将さんに伝えにいった。
そして数分後にシルさんがメニューの品を持ってきてくれた。

「どうぞ、お待たせしました!」
「うわー、美味しそうですね!」

出されたのは具だくさんのグラタンと果物のジュースだった。

「ふぅ、食べた」
「ふふ、すごくいい食べっぷりでしたよ」
「そうですか?なんだか恥ずかしいな」

そんな感じで談笑していると。

「ご予約のお客様、ご来店だにゃ!」

そこには今はあまり会いたくないファミリアの皆さんがいた。 
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