女神と星座の導きによりて
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幕間
幕1 ときめき大戦争
聖域、教皇宮、謁見の間にて――――
「はい!皆さん!そろそろ気が済んだでしょう。こっち向いてください!」
パンパンと手を叩き私の方に意識を向けさせます。
そうして私に背を向けていた黄金聖闘士の皆さんは、本当に気が済んだのか私の方に振り向き、こちらに近付いてきました。
ちなみにその振り向いた皆さんの後ろには年少組(特にムウとアイオリア)から必殺技や普通のパンチで沈められているサガが居たりします。
黄金聖衣を着ているので手加減無しですよ。
皆さん容赦ないですねぇ。仕方ないですがね!
ん?年中組ですか?それならこの謁見の間の端っこで倒れてますね。
サガの起こした事を黙認して、協力してたんですから仕方ないでしょう。
なんか振り向いた皆さんはまだ若干不満気ですね……。
ストレスでも溜まっているんでしょうか?
「真名」
「はい、なんですか?」
ムウが私を真っ直ぐ見つめて呼びました。なんぞ?
「単刀直入にお伺いします。サガに愛の告白をしたというのは本当ですか?」
「おうふ」
本当に単刀直入ですよ。躊躇も何もありませんですね。
「んん”、あー、えー、そのですねぇ……」
「真名!」
「はい!」
ミロにいきなり詰め寄られ私の右手を両手で包み、見つめてきます。
なんぞや!?
「俺ではダメなのか!?」
「は?」
思わず目が点になりますよね。すんごいじーっと私を見つめてきます。
ほ、本当にどうしたんでしょうか!?
「ミロ、落ち着け。それでは答えたくとも答えられない」
「カミュ……」
そうカミュがミロに言うとミロは私の右手をそっと離し……
「真名、私はどうだろうか」
た、右手をカミュが改めて片手で握り、己の胸元にあてて聞いてきました。
「カ、カミュ!お前……!」
「すまない、ミロ。私とて譲れないモノがあるという事だ。……確か、真名風に言えばこうだったか?”悲しいけどこれ戦争なのよね”。と、言うんだったか……?」
「「ぶっ!!」」
あ、アイオリアとアルデバランが吹き出しました。
え?二人共このネタ知ってるんですか?意外です……。というか
「真顔でそのセリフを言わないでください!私も吹き出しそうでしたよ!」
「……?ちなみに今なら氷河も付いて来る」
「商売上手かな?」
ちょっとグラ付きましたが、耐えました!耐えましたよ!!
「真名」
「ムウ……?」
どうしたんでしょうね?なんか改まって?
「私を選んで頂ければ貴鬼も付いてきますよ?」
「貴方もですか!ブルータス!!」
つい叫んでしまったのは仕方ないですよね?ね??そんなにっこり笑顔で言わんでも!
「ぶるーたすとは存じていませんが、昔から想っていたのは本当ですよ?」
気付かなかったでしょう?っと聞かれ思わず魂抜けそうになりますよね。
「昔からというなら、私はどうかな?」
「へ?」
私の左横から声がしました。ま、まさか……
「あ、貴方もですか?アイオロス……」
「ははは、ただし、君に想いを寄せているのは私だけではないがな」
「んん?」
どういう事でしょうね??
「アイオリア」
「兄さん!?」
「アイオリア、素直になれ」
「うっ……」
「え?アイオリア?」
そうアイオリアの名前を呼ぶと伏いていた顔を上げ、私を見た時に顔を真っ赤にしてこちらに近付いてきて……
「……真名」
「……はい」
こ、この展開は、ま、まさか……(汗)
「お、俺にしないか……?」
ですよねー!知ってた!!
「っていうか、皆さん!いきなりどうしたんです?本当に!」
怒涛の展開過ぎるでしょう!なんですか!?このライトノベル的な、乙女ゲーム的展開は!黄金聖闘士の逆ハーレムとか誰得ですか!?
え……?作者得……?知らんがな!!そもそも作者とか!メタい!メタタァですよ!!
「いえ、私達の気持ちをちゃんとお伝えして考え直してもらおうかと……」
「いきなり過ぎて考えられませんよ」
「いきなりではなければ大丈夫なんですか?」
「うっ……」
ムウの鋭いツッコミに尻込みしてしまいますね……。
「別に私達はサガとの事を認めないとは言っていません」
「は?」
え?ではどういう……??さっき考え直して~とか言ってたじゃないですか。
「ただ、私達の気持ちも聞かれずにそういう関係になられるのが嫌だっただけです」
「そこは”私達は出る幕ではありません。見守りましょう……”的展開になるのでは?」
なんか此処に居る人全員からため息が……え?なんです?
「要はですね、真名。私達はこの気持ちを黙っている程、出来た人間ではないという事です」
「それに、聖闘士の恋愛は禁止されていない」
「実際結ばれている方はいらっしゃいますからね」
ああ、白銀聖闘士、琴座のオルフェとその恋人ユリティースの事ですね?
間に合わなくて毒蛇から助けてあげられなかったんですが、結局オルフェは冥界に行ってしまいましたし、どうなったんでしょうね?
「お、お前達……」
「あ……サガ」
どうやら気絶から気が付いたサガが震える両手で起き上がって……ああ、無理をしてはいけません!
「さ、サガ……」
思わず傍へ行って支えようと近付こうとしましたが、アイオロスに阻まれました。
むむっとアイオロスを見ると人差し指を口に当て、しーっと言い、ウィンクしてきました。
んん?これから何が起きるんです??
「サガ。そういう訳なので、認めない訳ではありませんが、真名を簡単には渡せません」
「ムウ……」
「真名はアテナとはまた違った我々の大事な女性です。今回の件の首謀者である貴方に真名を幸せに出来ますか?」
なんだか、すんごいシリアス展開に移行していく感じが……。
「私には、無理だろうな」
「ほう……?」
「私は罪人だ。そんな私が真名を愛しているというだけで、幸せに出来るとは思っていない。だが、例え私が恥辱を受けたとしても、彼女だけは守ると誓っている」
「当たり前です」
ふう、と深くため息をつくムウはボロボロな姿ではあるものの、目だけは真剣そのもので、こちらを見つめて来るサガに
「………全く、貴方という人は。まぁ、貴方だからこそ任せられるのですが」
そう呟くムウの声は小さくて、きっとサガには聞こえなかったでしょうね。近くに居たからこそ私には聞こえました。
「もし、油断したら私が真名を頂いてしまいますよ?」
そんな事を言いながら私の肩を抱き寄せて見せるムウ。
「な!ムウ!」
「それは……」
「そんな事許すハズが!」
「貴方方は黙っていて下さい」
キッパリ、ハッキリと結構言いますねぇ……。
「……ムウよ」
「シャカ?」
おや、此処でシャカの登場とは、どうかしたんでしょうか?何かムウやサガにいう事でも……?
「とりあえす真名を離したまえ」
「 ? はい」
「真名よ」
「はい」
シャカは私の左手を掴むと唐突に
「お前の事が好きだ」
「へ?」
い、今それを言うんかいぃぃいいい!!
遅すぎやしませんか?タイミング、おかしくないですか?いや、おかしいでしょう!
「しゃ、シャカ?」
「む?これはサガと真名がしていた告白合戦の続きではないのかね?」
「合戦!?」
「色々考えてみたが、私の場合そうするのはいつもの私らしくないので、単刀直入に言う事にした」
「は、はぁ……」
「なので真名、私の近くで私を拝む事を「「何を言ってるんだ!お前は!!」」
うおっ、耳がキ――ンっと……!って、この声はアイオリアとミロ?
「思わず唖然としてしまったが、いきなり何を言い出す!」
「そうだ!いくらサガが優勢とはいえ俺を差し置いてストレートに言うとは何事か!!」
サガが優勢って……えーっと……。
私も唖然とシャカとミロ、アイオリアのやり取りを見ていると、
ビシッ
っとシャカと繋いでいた手を弾かれ、また違う手の暖かな体温を感じました。
「真名」
名前を呼ばれ、ビックリして後ろを振り向くとサガが立っていました。
「サガ」
「真名」
そっと頬に手を添えられて、ちょっと上に顔を上げると
「愛している」
そう言って、サガは私に
キスしました。
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「けっ、見えてる勝負なんてするもんじゃないぜ。全く」
「でも告白ぐらいはすれば良かったんじゃいかい?」
「真名は気が付いていなかった様だが、昔からサガの事が好きだったからな。アイツがキスを簡単に許すとは思えん」
「私は君にも言ってるんだけれど?シュラ」
「「…………」」
「本当に、仕方ないな。素直じゃないというか、なんていうか」
素直じゃない友人を持ったものだな。私も……。
後書き
シリアルとシリアスを融合してみたんですが、うまくいかなかった例ですね。
逆は―ですよ!皆さん!(笑)
ツッコミ入れるなり、笑うなりして下さい!(強制)
書いてて恥ずかしかったし、楽しかったです!!
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