女神と星座の導きによりて
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星14 地位と友人
さてさて!女神降臨で皆さん、浮足経ってますよ!
っていうか、それは良いんですが、これからどうなるんでしょうか……。
確か、本来ならアテナ降臨に立ち会うのは教皇様だけで、アテナへのお目通りも話だけだった様な。(文庫本知識ですけど!)
自惚れでなければ、やはり私の存在でしょうか……。
なんか知りませんけど教皇様に試されてる気がするんですよね。
……すんごく嫌な予感がヒシヒシとするんですけど。
こういう時ってなんでか当たるんですよね。
そう、こんな事考えてたからでしょうか。
この二日後、教皇様にアイオロスとサガ、私で呼び出しがありました。一体なんでしょう?
□■□■□■□■□■□■
「は?」
今……なんと?
「次の教皇は真名だ」
なんですとおおおおおおおお!?
「「真名!?」」
声に出さず思わず跪いていた体勢から立ち上がった私は悪くないと思います。
「教皇がご乱心ですぅー!!」
「乱心してるのはお前だ!落ち着け!!」
落ち着いて居られるかぁーー!!
「神の化身と呼ばれる程のサガや、仁、智、勇に優れたアイオロスならまだしも、私が教皇って血迷いましたか教皇!!」
「真名よ、お前は知らないかもしれないが、お前は自身が思っているよりもアイオロスや、サガよりもふさわしいと思っている」
だから、なんでやねん!
「その心は?」
「お前は周りの者達からなんと言われているか知っているか?」
「知りません」
正直にドきっぱり言いました。アイオロスとサガはそんな私を見てちょっと呆れてます。教皇様も反応しません。でも、言葉を続けました。
「”聖闘士の中でもっとも慈悲深い黄金聖闘士”、”黄金最強の聖闘士”と言われているのだ」
……ええー。確かに今の所負け無しですけど、でもアイオロスとサガには負けてます。必ず一発はお見舞いしてますけどね!タダでは負けません!
「アイオロスやサガの方がふさわしいとお前は言ったな」
「はい、今でも不思議です。何故、私なのかと」
いや、純粋に考えても二人の方がふさわしいやん?
「真名、先ほども言ったな?お前は自身が思っているよりも教皇にふさわしいと。私はそう決断した」
だから、どこでぇー!?
「アイオロス、サガ、それでよいな」
「「ハッ!」」
ハッ!じゃないですよぉー!!なんでぇー!?
という事が三日前。マジありえないんですけど。
そんなささくれそうになる心を落ち着かせて、久々にカノンに会いに行きました。でも……。
スニオン岬のいつもの場所にカノンが居なくて、その下、波が激しい牢屋の中にカノンが居ました。マジかよ。
「ちょ、ちょっとおおおおおおお!なんでそんな所にいるんですかああああああ!!」
「そんな大声出さなくても聞こえている」
「なんで!そんな!冷静なんですか!!私、本気で驚いて……ああもう!何があったんですか!誰が入れたんです!?」
「サガだが」
こやつ、もっと慌てていたハズだったんですけど、なんでこんなにも落ち着いてるんでしょう?
私が慌てているのを見て「くっくっくっく」って笑ってるんですが……。
笑ってる場合じゃないでしょー!
「まったく、仕方ないですねぇ。なんだか余裕そうですけど、出れる根拠でもあるんですか?」
「ない」
「ないんかーい!」
さっきからツッコミしかしてませんよ!いい加減ボケさせんかい!
「サガは長く俺を入れておくつもりはない様だったが、ヤツの悪の人格はどうかな?アイツは俺の事を邪魔に思っているからな」
おおう、そっちでしたか。悪の人格マジKILL YOU!(殺意高いな自分)
「それに、完璧にバレた」
「何がです?」
「俺達が出会っている事が完璧に、確信的にサガにバレた」
いや、前に深夜に来た時にはバレてませんでしたっけ?見て見ぬフリしてくれてませんでしたっけ?あれ?
「前からバレてませんでしたっけ?」
「予想はしていたらしいが、確信はなかったらしい」
あ、そなの。
「え、まさか、それで入れられてる訳ではないですよね?」
「馬鹿か。そんな訳あるまい」
「ですよねー」
じゃぁ、なんで入れられてるんです?
そう聞くと、だんまりを決め込みました。ん?
「……とにかく、俺の事は気にするな。必ず出て、ヤツをぶん殴ってやる」
悪の人格の方ですよね?ですよね?
「気にしますよ。大事な友達を放っておく事なんて出来ません」
「……友か」
波の音でかき消されて聞こえません。なんて言ったんですかー?
「なんでもない。とにかく、サガには気をつけろ。今のヤツは何をしでかすかわからんぞ」
なんていうか、恐ろしい忠告を頂きました。うわー、もしかして教皇とアテナ暗殺、アイオロス逆賊フラグ立ちましたー??
とりあえず今日は双魚宮に帰る事にしました。また来るとカノンに言い残して。でも、それがカノンと会うのが最後になるとは思いませんでした。
……なんて言うと思いましたか!ちゃんともう一回会ってますよ!
海水でずぶ濡れになって、息も絶え絶えになってましたが……。
「お前、本当に来たのか」
「来てはいけませんか?」
「いけない訳ではないが……サガが来たらどうするつもりだ」
「隙を狙って、後ろに回り首筋にストーンっと……」
「当身か」
ヤツに通じるのか?
っと、とても信じられないという目で見つめてきました。
ふっ!笑止!
「カバディしまくってその後、ぐるぐる周りを回り、動揺してる間に手刀を一発……!」
「かばでぃってなんだ」
カバディの説明をすると、こいつ、頭大丈夫か?という目を向けてきました。解せぬ。
「鬼ごっこと変わりませんよ!」
「俺は一度お前の頭の中を覗いてみたい」
「やらせはせんぞー」
「あほか」
うむうむ、疲れて暗かった表情が少し明るくなりましたね。笑ってくれてますし、良しとしますか。
「では、カノン。また来ますねー」
「……本当に俺の事は気にするな。もう、来なくていい」
「お断りします」
「?」
なんで、何言ってるんだこいつ。みたいな顔されにゃならんのか。
「前にも言いました。大事な友人を放っておけますか!スカタン!」
「真名……」
すかたんとはなんだ?と聞かれてこけた私は悪くないです。
□■□■□■□■□■□■
で、なんでこうなってるんですかぁー!?
「教皇!教皇!ステイ!ステイですよおおおおおおおお!!」
「真名、ならばアテナをこちらに渡せ。ふっ、お前の命は取らん。安心して渡すがいい」
全然、安心できないんですけどぉー!?なんで、なんでこんな事にぃー!?
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