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本物はどちらか

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第六章

「娘さんへの妖術を解くから」
「ああ、解けるんだったよな」
「そうよ、すぐに解くから」
「頼めるか」
「それからよ、お婆さんのところに行くのは」
「それじゃあな」
 デリーロはすぐにだった、娘にかけられた妖術を解いた。二つの身体に別れていた娘はその身体が次第に近付き合い。
 重なり一つに戻った、保安官と妻そして娘はこのことを喜んだが。
 デリーロとルイスはその保安官に声をかけてだった、そのうえで。
 保安官に老婆の家まで案内してもらった、保安官は家の扉を開けると出て来たリザードマンの老婆を見据えて言った。
「俺が来た理由はわかるな」
「さて、何のことか」
「しらばっくれるな、娘のことだ」 
 こう老婆に言うのだった。
「俺のな」
「ああ、二つになってたんだね」
「そうだ、よくもやってくれたな」
「あたしがやったって証拠はあるのかい?」
「あるわよ」 
 デリーロは保安官の横からシラを切る老婆に返した。
「あんたの妖術のことはね」
「あんた、まさか」
「そう、妖術師でね」
 デリーロは老婆に不敵な笑みで返した。
「あんたのことも突き止めたわ」
「あたしの部族の妖術を」
「そうよ、ここまで言えばわかるわね」
「あたしを捕まえてかい」
「色々聞きたいことがあるみたいよ」
「俺がな、覚悟しろ」
「覚悟しろって言って覚悟するものか」
 老婆はデリーロ達の言葉に怯んだ、だが。
 半歩退いただけだった、そしてだった。
 多くの者を自分のところに呼び寄せるかなり高度な術を使った、するとデリーロ達の周りを柄の悪い者達が囲んだ。
 老婆はデリーロ達を囲んでだ、あらためて言った。
「覚悟するのはあんた達だよ」
「この婆の取り巻きや手下だ」
「あんたのお話通りね」
 デリーロはその柄の悪い者達、百人程いる彼等を見回して言った。
「これは」
「ああ、百人はいるな」
「そうね、結構な数ね」
「この婆は街の悪い奴等の元締めともな」
「言われていて」
「その通りだったな」
「あたしはあんな部族で終わるつもりはないんだよ」 
 老婆はデリーロ達に対してこうも言ってきた。 
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