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腹違いの妹は何処

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第四章

「銀川の北の砂漠に行ってか」
「はい、ここでパーティーを組んだ他の冒険者の人達と一緒に」
「モンスター退治に行ったか」
「左様です、あちらは軍隊も行っていますが」
 モンスター退治は軍隊も行っている、彼等だけで手が回らない時は冒険者にも依頼しているのが実情だ。
「それと共にです」
「冒険者も行っててか」
「はい、そしてその中に」
「青い目で西安訛りの言葉のコボルトの娘さんもおるか」
「十九歳位の。職業はメイジです」
「魔法使いか」
「レベルは十七でした」
 役人は彼女の冒険者としての話もした。
「それ位でした」
「そうか、ほな今からな」
「今の依頼とは別にですか」
「その依頼は受けんけどな」
 冒険者がギルドから受けられる依頼は一度に一つだけだ、複数になるとそれぞれの依頼がおろそかになるという懸念からそうしているのだ。
 だからだ、金もそれはと答えたのだ。
「けどな」
「砂漠に行かれますか」
「今からな」
「では移動の道具を売らせて頂きますが」
 ギルドはアイテムの販売もしている。冒険者へのサービスとそして収入の為である。
「如何でしょうか」
「買った、ほな行って来るわ」
 金は金を出してそのアイテム、移動の翼も買った。そして陳と共にすぐに砂漠に行くと早速だった。
 軍隊の陣と冒険者達のキャンプが一緒になっているところを見付けたがその前にモンスターの大群が迫っていた。
 それで金はすぐに軍隊の隊長にこっそりと自分達の身分を明かしたうえで陳と共に聞いた。
「異常発生してるっていうのが」
「はい、今目の前にいる」
 その通りだとだ、ンヤダク族の隊長が答えた。
「十万のモンスター達です」
「確かに異常発生やな」
「最初は数千程だったのですが」
「それがか」
「新たに発生しまして」
 それでというのだ。
「その数がです」
「十万か」
「そうです、こちらは兵が二百人で冒険者が六人」
「数千のモンスターを個々に倒すのなら充分やが」
「十万ともなりますと」
「わかった、ほなおら達もな」
 金はコボルトの娘のことを考えつつ隊長に答えた。
「戦わせてもらう」
「そうして頂けますか」
「その為に来たしな」
 だからと言ってだ、そしてだった。 
 陳と共にモンスターの大群の前に先頭に立ってだった、彼等が中心となって戦い十万のモンスター達を倒した。星の者達が加わると流石にモンスターが幾らいようとも相手になる筈がなかった。
 かくしてモンスターの件は終わり金は陳と共に冒険者のキャンプに行くとそこにコボルトのメイジがいたが。
 白毛で目が青く年齢は十九歳程で話すと西安訛りがあった、金は外見を見て話をして確信して彼女に言った。
「自分は銀川の馬家の」
「ええ、先代のね」 
 メイジは自分から言った。
「そうよ」
「知ってたんか」
「知ってるけれどね」
 それでもとだ、メイジは金に笑って話した。 
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