人のいない街
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第一章
人のいない街
張賢将と曹童夢の二人は今は張の神託で中国四川省成都に来ていた、二人は成都に着くとすぐにだった。
成都のギルドに入るとすぐに神託としか思えない依頼があった、張はその依頼を見てすぐに曹に言った。
「これやな」
「そやな」
曹も張におそらくという顔で応えた。
「これはな」
「間違いないな」
「それやったらやな」
「今からな」
まさにとだ、張は曹に言った。
「この依頼受けてな」
「それでやな」
「この街に行こうな」
「そうしよな」
曹も頷いてだった、そのうえで。
二人で共に依頼を受けた、そして二人で街に向かいながら依頼の話をした。その街は成都から少し離れた場所にあり二人は馬で向かっていた。
「人がおらんか」
「誰もが何処かに行った」
「おるのは豚とでかいカタツムリと角獣だけか」
張は獣やモンスター達の名前も出した。
「街には」
「人口三万位の街がな」
「三万もの人が急におらん様になった」
「そんなことがあるか」
「そうそうないわ」
「そや、これにはな」
「絶対に何かあるわ」
張は強い声で言い切った。
「ギルドの依頼も当然やな」
「警察も軍隊も街に入ったけど一切手掛かりなしで」
「とりあえず豚とかは置いたままらしいな」
「豚いうても跳び跳ねて素早くてそうそう捕まえられんかったみたいやし」
「警察も軍隊も捕まえろって指示は出てへんかった」
その豚やカタツムリ、そして角獣達をというのだ。角獣は角が生えた二本足の人型のモンスターである。
「そやからな」
「豚やカタツムリはそのままで」
「おかしなものも感じたからな」
「街はそのままで」
「ギルドの依頼が来た、ここはな」
張は強い声で言った。
「街に入ったらな」
「その時ににやな」
「わっちの術を使ってな」
そしてと言うのだった。
「エクソシストの」
「そしてやな」
「街におる霊を呼んで」
ネクロマンサーのその術を使いというのだ。
「そしてや」
「そのうえでやな」
「そや、何が起こったのか」
「それを調べるか」
「それからや」
ことを進めることはとだ、こう言ってだった。
張は途中モンスター達を倒しつつ曹と共にその人がいなくなった街に向かいそうして街に入るとだった。
言われている通り人はおらず飛び跳ねる黄色い毛の豚や人位の大きさのカタツムリ、それに角獣達がうろついているだけだ。その中でだった。
張は手頃な場所に入ってそこでだった、エクソシストの術を使ってそのうえでだった。まずは街にいる霊達を呼んだ。エクソシストの本文は除霊であるがそれと共に霊を呼ぶことも出来るのだ。そしてだった。
霊を呼ぶと一人の人間の老人の霊が出て来て彼に言ってきた。
「実は豚やカタツムリは人だ」
「人かいな」
「人が姿を変えられたものなのじゃ」
こう張に話した。
「ある者に変えられた」
「ああ、人を生きものにな」
「変える術を心得ておった」
そうだったというのだ。
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