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レーヴァティン

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第九十七話 会戦と攻城戦その七

「北にどんどん進むか」
「後は、ですね」
 源三が久志に言ってきた、今度は彼だった。
「トリエステ、ジェノヴァ、ヴェネツィア、ミラノ、トリノ、ニースですね」
「その六つの街だな」
「フィレンツェも降りましたし」
 この街は既にだった。
「ピサとかモデナもな」
「ボローニャ陥落がモデナとかにも効いたからな」
 この街が降ったのを見てそうした街も降ってきているのだ。
「じゃあな」
「後は、ですね」
「その六つの街だな、さてどうするか」
 久志は赤ワインをグラスで飲みながら考える顔で言った、グラスはフィレンツェの豪商から献上された見事なものだ。
「ここからは」
「まあな、どの街も勢力大きいしな」
 それでとだ、美奈代も言ってきた。
「一度に攻められんしな」
「そや、それでや」
「各個でいくか」
「そや、各個撃破や」
 文字通りにとだ、美奈代は言い切った。
「一つ一つな」
「降らないなら攻め落としていくか」
「多分得率審の強いミラノ、ヴェノヴァ、ヴェネツィアは簡単には降らん」
「じゃあ攻めるか」
「そうせんとや」
「降せないか、じゃあまずはな」
 考える顔になってだ、久志は述べた。
「陸はミラノか」
「そこからかいな」
「それで湖からはな」
 こちらはというと。
「ジェノヴァに向かうか」
「あの街か」
「ああ、そっちは頼めるか?」
 港町であるジェノヴァについてだ、久志は芳直に話した。
「ここは」
「水軍はその街か」
「そっちに進出してな」
 そのうえでというのだ。
「若し向こうの水軍が出てきたら」
「倒すか」
「そうしてくれるか」
 こう言うのだった。
「ここは」
「わかった」 
 芳直は久志のその言葉に頷いて答えた。
「ならな」
「ここはな」
「俺っちは水軍を率いてジェノヴァに向かうな」
「それで向こうの水軍を破ったらな」
「海上封鎖ならぬ湖上封鎖だな」
「そうして圧力かけてくれ」
 そのジェノヴァにというのだ。
「頼むな」
「それじゃな」
 芳直も頷いて応えた、そして久志はさらに言った。
「陸はミラノを目指してな」
「そこからよね」
「ああ、ミラノは半島の北の交通の要地だ」
 こう清音に答えた。
「それだけに繁栄しているしな」
「産業も盛んよ」
「勢力も大きいな」
「かなりね」
「だから強気だな、しかしな」
「それならその強気の根拠を砕く」
「あそこは勢力が大きいだけに軍隊も多いだろ」
「ええ、ただ傭兵達ばかりよ」
 ミラノの兵についてだ、清音は答えた。
「だからね」
「街への忠誠心は低くてか」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。 
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