聖剣を抜かず
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第六章
「そうした方々だったとは」
「だからじゃ」
「モンスターを倒せましたか」
「そうなるのう」
「ではこれから」
「うむ、この世界自体をな」
碧は老人に笑顔で答えた。
「救うけえ」
「そうして下さいますか」
「モンスターを退治するだけでなくじゃ」
「この世界そのものを」
「そうするけえ」
「そうですか、では」
老人は碧の言葉を聞いてだ、彼女に慎んだ態度で述べた。
「これからお願いします」
「頑張っていくけえ」
碧も老人に応えた、すると老人は澄んだ笑顔になってだった。
姿を消した、碧は残った剣を見て美奈代に話した。
「この剣は博物館で大切の保管した方がええけえ」
「その由来も書いたうえで」
「そうしてお爺さんのしたこと、していたことを伝えるけえ」
「世の人達に」
「そうするけえ」
こう言ってだった、碧は剣を拾ってブエノスアイレスに行ってだった。博物館の館長に自分達の素性を明かしたうえで老人とモンスターのことを話して剣を大切に保管してくれる様話した。するとその剣は博物館で管理されることになった。役目を終えた老人を讃えると共に。
全てが終わって碧は美奈代と共にブエノスアイレスを後にしようとしたが。
彼女の手にあるものが宿った、それは何かというと。
「ほう、宝塔か」
「仏教のですか」
「大日宝塔じゃけえ」
碧は心の中に語ってくる言葉を述べた。
「それがけえ」
「碧さんの新しい神具ですね」
「何でもわらわを護ってくれるとのことけえ」
「お守りの様なものですか」
「術とか罠とかかわ護ってくれると」
その様にというのだ。
「今わらわの心の中で言ってきてるけえ」
「左様ですか」
「そうじゃけえ」
「それはいいものが手に入りましたね」
「全くじゃけえ、なら」
それならとだ、碧は美奈代に笑顔で話した。
「この宝塔と」
「それとですね」
「今回の神託でわらわはまた強くなったしのう」
このことについてもだ、碧は話した。
「よかったけえ」
「神託を適えて」
「そうなったけえ、この力と」
「新たな神具のお力も」
「両方使ってけえ」
そうしてというのだ。
「世界を救っていくけえ」
「そうされますね、では」
「次の場所に行くけえ」
碧は足を一歩前に進めた、そしてだった。
美奈代と共に先に進んだ、この世界を救う為にそうするのだった。
聖剣を抜かず 完
2019・3・19
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