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レーヴァティン

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第九十五話 中央部その十

「戦闘は弱かったでござる」
「それも相当にな」
「ただ。補給はよかったでござるし」
「食いもの充実してたんだったな」
 一般兵士のものでもよかったことが知られている。
「本当かどうか知らないが戦場でパスタ食ってたとかな」
「水が大量に必要でござるが」 
 パスタを茹でる為にだ。
「砂漠で水は極めて貴重でござるが」
「そんなに水必要じゃなくて保存も効く種類だったっていうな」
「そのパスタでござるな」
「それを食ってたとかな」
「この話はどうやら本当だった様でござる」
「マジだったのかよ」
「日本軍の逸話は殆どが捜索でござるが」
 日本刀で一人が百人を一度に殺したなぞという話だ、俗に日本軍最強伝説と呼ばれている逸話である。
「イタリア軍はどうもでござる」
「事実に基づくか」
「そうでござる」
「凄いな、それは」
「けれど戦勝国なのよね」
 留奈はこのことを指摘した。
「イタリア軍って」
「そうなんだよな、これが」
「一次大戦では最初から連合国にいて」
 開戦までドイツと同盟を結んでいたが開戦するとそちらについたのだ。
「二次大戦でもね」
「降伏して途中から連合国になったよな」
「だから戦勝国なのよ」
 どちらの世界大戦でもだ。
「あの国はね」
「そう思うと凄いな」
「戦場では弱いけれど」
 それも伝説になるまでだ。
「戦争には勝つのよ」
「戦争は政治の一手段っていうけれどな」
「イタリアは強いわね」
「そうだよな、イタリアって凄い面もあるんだな」
「サッカーは強いしね」
 このスポーツはというのだ。
「あとどうも野球もね」
「センスあるか」
「最近欧州でも野球広まりつつあるけれど」
 その為ドイツやイギリスでも行われる様になっている、フランスでは元阪神の名ショート吉田義男が広めた。
「そこでも結構ね」
「強いか」
「欧州最強はオランダだけれどね」
「イタリアもか」
「それなりみたいよ」
「そうなんだな」
「イタリアは十一人以下だと強いのよ」
 こうも言う留奈だった。
「個人の知略や勇気だと強いしね」
「ルパン三世みたいだな」
「何でそこでルパンなの?」
「いや、何かあのキャライタリアっぽいからな」
 だから出したとだ、久志は留奈に答えた。
「それでな」
「名前出したのね」
「そうなんだよ」
「そうなのね」
「まああのキャラの祖父さんフランス人だけれどな」
 他ならぬアルセーヌ=ルパンである。タキシードとマント、シルクハットで着飾り予告通りに芸術品や宝石を盗んでみせる痛快で紳士的な怪盗だ。
「フランスとイタリアって近いか」
「人種的には同じラテン系でね」
「言葉も近いよな」
「お隣同士だしね」
「それもあってかな」
「ルパン三世ってイタリアのイメージするのね」
「結構イタリアで活動してるしな」
 このこともあってというのだ。
「そのイメージあるな」
「けれどあの人ね」
「ああ、日本人だよな」
「そうよ」
 実は国籍はそうなっているのだ。
「原作じゃ日本の大学通ってたし」
「確か銭形警部の後輩だったな」
「二人はそこで初対面を果たしているし」
 二人の因縁はここからはじまっている。 
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