徒然草

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202部分：二百二．十月を神無月と言ひて

二百二．十月を神無月と言ひて

　　　　　　　　　　　　　　　二百二．十月を神無月と言ひて
　十月を神無月と呼んでそのうえで祭事を慎まなければならないと言われていますがそうはっきりと書いてある文献は一冊もありません。そしてそのことについて参考になるようなことが書かれている文献もありません。もしかしますと十月にはどの神社にも祭事がありませんのでそれでこう呼ばれるのでしょうか。
　この月には我が国の神々が伊勢の皇大神宮に集まるという説もありますがそれにつきましても根拠がありません。若しこれが事実であるならば伊勢では特別な祭事でもありそうなのですがそれもありません。十月には帝が神社に赴かれることが多くなりますが大抵は不幸絡みであります。
　結局のところこのことについてはこれといった根拠がありません。文献には一切ありません。それで何故かとも考えてしまいますがあれこれ考えてみてもそれは確かなものではありません。誰がそう最初に言ったのかもわかりません。そして決めたのかもわかりません。ですが祭事がないのも事実であります。それもまた妙な話であります。どの神社にもそうだというのも偶然でしょうか。そうでないというのならば実に面白い話であります。そう思う次第であります。

十月を神無月と言ひて　　　完

　　　　　　　　　　　　　　　　　　２００９・１２・２

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