徒然草

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187部分：百八十七．万の道の人

百八十七．万の道の人

　　　　　　　　　　　　　　　百八十七．万の道の人
　どの様なことでもその道を専門に進んでいる人というものは例えその中では下手であってもその道の器用な専門にしていない人と比べれば絶対に優れています。それをするのに対して油断することはありませんし万全に備えて対象を軽く見ることはありません。それは我流とは明らかに違うものがあります。
　芸術や仕事に限らずに地上の生活や気配りといったものは不器用でも控えめであるのならそれで問題はありません。それとは反対に器用であっても気ままなものでありますとそれで失敗を招いてしまいます。
　その道に通じている人は控えめであります。そのことに対してよく知っているからこそそれをするのにあたって控えめであります。何かが起これば怖いということを知っているからであります。ところがそれがわかっていないとどうしても気ままになってしまいます。そうして失敗をしてしまうのです。ここに専門にしている人と片手間でしている人との違いが出て来るのであります。それがわかっているのといないのがまず大きな違いになっています。それがわかる人は専門であります。わかっていない人はそれまでなのです。この違いは非常に大きなものであります。

万の道の人　　　完

　　　　　　　　　　　　　　　２００９・１１・１７

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