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ドリトル先生と日本の鉄道

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第十二幕その十二

「文学もあるんだ」
「あら、そうなの」
「だからサラも大阪を楽しむといいよ」
「そうさせてもらうわね」
「恋愛小説もあるしね」
「大阪の恋愛小説ね、だったらね」
 サラは先生のお話を聞いて先生にこう返しました。
「兄さんもその人と行ったらいいのよ」
「大阪にだね」
「そう、電車で行って」
 神戸からというのです。
「そうしてね」
「大阪を楽しむといいんだ」
「その人とね」
「その人っていうけれど」
 首を傾げさせて返した先生でした。
「僕はね」
「だから兄さんはそこが駄目なの」
「そうなんだ」
「そう、その駄目さがね」
 どうにもというのです。
「兄さんの困ったところよ、けれどね」
「先生も何時かきっとね」
「いい人とそうなれますから」
「その時が来ることはもう決まっているし」
「僕達は待っていましょう」
「そうね、気長にね」
 サラは王子とトミーに笑って応えました。
「待っていましょう」
「そうそう、その日をね」
「楽しく」
「何がどうかわからないけれど大阪は好きだし電車もね」
 その両方がというのです。
「僕は好きだしね」
「じゃあ行ってきなさいよ」
「その人とかな」
「兄さんからお誘いもかけてもいいしね」
「本当にいたらいいね」
「いないと思ってたらいないの」
 こうも言ったサラでした。
「そしていると思ったらね」
「いるんだね」
「そうよ、だからね」
「僕もそうした人とだね」
「一緒に電車に乗って大阪に行って」
「楽しんでだね」
「幸せになってね、私だってね」 
 かく言うサラもというのです。
「うちの人とは今もいつも一緒だしね」
「あっ、そういえば今日ご主人は」
「大阪に買いものに行ってるわ」
 その大阪にというのです。
「たこ焼きを買いにね」
「それでサラにだね」
「たこ焼きを食べさせてくれるのよ、あとお好み焼きもね」
「いいね、じゃあ駅弁を楽しんで」
「そうしたのも楽しんでくるわ」
「鉄道にも乗るね」
 このことも聞いた先生でした。
「そうするね」
「イギリスには関西新空港から戻るけれど」
 その時にというのです。
「空港までは南海線を使うから」
「ああ、あの私鉄だね」
「乗り心地いいし楽しんでくるわ」
「そうするといいよ」
 先生は南海線を使うと答えたサラに笑顔で応えました。
「少しだけれど鉄道の旅を楽しんできてね」
「そうさせてもらうわ」
 サラも笑顔で応えます、そうして今は先生達と楽しく駅弁を食べるのでした。


ドリトル先生と日本の鉄道   完


                  2018・9・11 
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