ドリトル先生と日本の鉄道
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第十二幕その七
「どうやら」
「うん、そうみたいだね」
「それは何よりですね」
「そうした人達が正しいんだよ」
「普通に興味を持つ人がですね」
「ああした暴走して自分達の正義を声高に騒ぐ人よりも」
ずっと、というのです。
「正しいんだよ」
「実際はそうですよね」
「僕はそう思うよ、ではね」
「はい、このことはですね」
「一件落着ということで」
「先生も安心ですね」
「彼等はもう来ないだろうし」
あの抗議をしに来る人達はです。
「抗議に来る以前だったから」
「抗議のメールよりもですね」
「何でも応援のメールの方が遥かに多いし」
そうなっているというのです。
「だからね」
「もうこのままいけますね」
「少しのクレームは気にしていたら仕方ないよ」
「何でもそうですよね」
「そうだよ、そのクレームが通るのなら」
それならというのです。
「もう世の中はね」
「どうしようもないですよね」
「最大多数の最大幸福と言ってね」
「民主主義で言われる言葉ですね」
「確かに少数派、マイノリティのことも考えないといけないけれど」
「クレーマーは別ですね」
「クレーマーはね」
こうした人達はというのです。
「もう気にしていたら仕方ないよ」
「その人達の意見を聞いていたら」
「きりがないから」
だからだというのです。
「もう一切気にしないで」
「やるべきことを進めていくだけですね」
「大体クレーマーの人はわかるね」
「もう声高に自分の意見だけ主張して」
「周りや他の人のことを一切考えないね」
「それで自分の意見が絶対だと言いますね」
「正しい、圧倒的な世論だとね」
自分の主張こそがというのです。
「皆そう思っているとかね、詭弁も使うし」
「そうした人達ですから」
「もうすぐにわかるから」
「少数派を尊重してもですね」
「クレーマーは聞いたらいけないんだ」
そうするとおかしなことになるしきりがないからです。
「暴走した正義はその時点で正義でなくなるしね」
「そうですね、それで正しいことをしていると言っても」
「説得力がないね」
「暴走する、自制心がないですね」
トミーもこう考えることでした。
「自制心のないヒーローが正義を掲げたら」
「こんなに怖いこともないしね」
「だからもうその時点で、ですね」
暴走したらです。
「正義でなくなりますね」
「それで普通に正しいことをしていると言えたら」
「正義を馬鹿にするなですね」
「そう言われるよ、みっともないことだよ」
こうも言う先生でした。
「そんなことはね」
「本当にそうですね」
「それでね」
さらにお話する先生でした。
「鉄道博物館もね」
「そうしていきますね」
「これからもね」
「いいことですね。あと先生サラさんから連絡は来ましたか?」
「サラから?」
「はい、今回もお仕事で来日されるとか」
「ああ、そういえばそんなメールが来ていたよ」
先生も言われて思い出しました。
「来週来日するってね」
「そうですか、じゃあうちにもですね」
「来てくれるね」
「そうですよね」
「そうだ、それならね」
サラが日本に来るならとです、先生は明るいお顔になって言いました。
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