珍獣の子供
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第四章
ホワイトを連れて何処かに行った、宮沢はその後ろ姿を見てから有島に言った。
「おらが思うに」
「あの子はでやんすな」
「絶対にあの生きものを手放さないだ」
「今はでやんすな」
「今はだか」
「そうでやんす、けれど」
「それでもだか」
「この場合答えは一つしかないでやんす」
「その答えは」
「すぐにわかるでやんす、ではあっし達は」
有島はあらためてだ、宮沢に話した。
「次の動きを待つでやんす」
「あの子のだか」
「そうでやんすよ、それまではここで旅の冒険者として簡単な依頼を受けるでやんす」
「一日で終わる様な」
「そうするでやんす」
こう言ってだ、有島は実際にだった。
宮沢を連れる形で村から日帰りで終わる様な簡単な冒険者ギルドからの依頼を受けた、村とはいえ中々人が多い村だったので冒険者ギルドもあったのも幸いした。
そうして一週間程過ごしているとだ、新たなギルドの依頼が来た。
その依頼を見てだ、有島は宮沢に言った。
「この依頼は絶対にでやんす」
「受けるだな」
「そうするでやんすよ」
「そだか」
見ればあの男の子が件のホッキョクミズライオンの子供を連れて家出をしたので探して欲しいという依頼だった、依頼主は彼の両親だった。
依頼の報酬額は少ない、だが二人はそもそも冒険者ではないのでそうしたことは全く問題視しておらず。
そのことではなくだ、宮沢は有島に言った。
「おら今おめの考えがわかっただ」
「そうでやんすか」
「なら行くだ」
「早速でやんすな」
「村の外は結構モンスターがいるだ」
「特に森の中はでやんすな」
「おら達のこの村での依頼もあそこが殆どだったでやんす」
森の中にいる凶暴なモンスター退治だったのだ。
「だからだな」
「こうした時子供は何処に逃げるかでやんすが」
「答えは一つだ」
「隠れやすい場所でやんす」
「それは森だ」
「依頼を受けてすぐに森に行くでやんす」
有島は宮沢に言って彼と共にだった。
依頼を受けて即座にだった、森の中に入った。するとすぐに強力なモンスター達が出て来たが。
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