徒然草
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125部分:百二十五.人におくれて
百二十五.人におくれて
百二十五.人におくれて
とある知り合いの人に先立たれてしまいその人の中陰最後の法事をした時のお話です。あるお坊さんをその法事に呼びますと説法が有り難く法事に来ている一同涙を流して感動しました。法事が終わりお坊さんが帰りますと皆で今日の法事は格別に有り難く感動したものですねとそれぞれがこのことについて思うままに話し合いました。すると誰かが何と言ってもあそこまでも狛犬に似ておられるのだから当然だというものですからそれまでも感動なぞ何処かに吹き飛んでしまい皆で笑い転げる事態になりました。こんなお坊さんの褒め方はまずありません。
それとは別の話に人にお酒を飲ませると言いながら自分から先に飲んでそれからその人に無理に飲ませるといった好意はまさに諸刃の剣で人を斬るのと似たようなものであります、両方に刃が付いていますから振り被るとそれで自分の頭を切ってしまう羽目になってしまいますし相手を斬りつける場合ではなくなります。自分が先に撚って倒れてしまったならば相手はそれでもうお酒を飲む気が失せてしまうだろうと言う人がいました。その話を聞いてつい思った人はその人は実際にその諸刃の剣で人を斬ることを試したのだろうかと思いました。これもまた非常に面白いお話でありました。何だかんだとあちこちに興味深い、または面白い話というものはあるものです。法事のお話にしてもこの諸刃の剣にしてもです。話を聞いていても見ていても考えされられます。まことに少し見ればあちこちにあるもんどえあります。
人におくれて 完
2009・9・16
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