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この素晴らしい世界に文明の鉄槌を! -PUNISHMENT BY SHOVEL ON THIS WONDERFUL WORLD!-

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六丁

「にゃんにゃんー。お弁当をもらいにき…」

めぐみんがにゃんにゃん邸のドアをあけると…。

「えらいぞーフェイベル。好き嫌いせずたくさんたべろよー」

「はい! パパ」

「フェイベル、あなたどうやったらそんな所にソースがつくのよ」

「……………………………」

めぐみんがドアをあけた事に誰も気づかない。

「なんですかこの家族は━━━━━━!?」

と、その声でようやく三人(一人と二匹)がめぐみんに気づいた。

「お、めぐみんか。弁当ならそこな」

にゃんにゃんが指差した靴箱の上には弁当箱が置いてあった。

「いやいやいや!? おかしいですよ!? フェイベル!? 昨日のドラゴンがその子なんですか!?」

「そうだよー。ほらフェイベル挨拶するんだ。お隣さんのめぐみんだ」

フェイベルは立ち上がると綺麗な礼をした。

「初めましてめぐみんさん。フェイベルです。いつもパパがお世話になってます」

「世話してんのは俺だけどな」














学校にて。

「め、めぐみん? どうしたの?」

「は…はは…はははは…」

「めぐみん?」

「にゃんにゃんが…」

「にゃんにゃんがどうしたの?」

「にゃんにゃんが知らない間に本物のパパになってました…AHAHAHAHAHAHAHA」

その言葉に教室がざわつく。

にゃんにゃんと言えば里では超有名人だからだ。

齢10にしてすでにレベルは二桁、使用スキルから予想される合計スキルポイントは100以上。

謎の技術でアークウィザードを蹴散らし、事実上里で対人戦最強の男(の娘)。

それが『パパになった』というのは衝撃なのだ。

クラスメイトがめぐみんの下に殺到する。

「放課後、行ってみればわかりますよ…」












フェイベルに里の事を教えようと通りを歩いていると、めぐみんとクラスメイト達とばったりあった。

「なんだお前ら揃いも揃ってぞろぞろと。クソザコブロッコリーにたかりにいくのか?」

「ちがうわよにゃんにゃん! 貴方パパになったってどういう!」

なぜかゆんゆんが顔を赤くしながらまくしたてる。

「パパ? この人達は誰ですか?」

そこで俺の後ろに隠れ、ローブとカチューシャで翼と尾と角を隠したフェイベルがひょっこり顔を出した。

「な!?」

「それでー? めぐみんとゆんゆんとモブABCDEFGは何の用?」

モブと呼ばれた奴らがイラついてるが、まぁ、いい。

「あれ? にゃんにゃん様ってそんな眼帯してた?」

様? なんで様?

「ああ、これか?」

俺は今右目に眼帯をしている。

フェイベルは左側だ。

「これはな、龍の瞳を入れたからなんだ。くははは! 我は龍の力を手にし! 最強の座を手に入れたのだ!」

テキトーにポーズを決めるとモブABCDEFGが拍手をした。

やー。こいつら単純で扱いやすくてありがたいわー。

「ではさらばだ」

フェイベルと共にモブABCDEFGの間を抜けて里の外へ向かう。

すれ違い様にめぐみんとゆんゆんにはサインを送っておいたのですぐに追い付くだろう。

里の外の森の入り口でフェイベルと待っていると二人が走ってきた。

「にゃんにゃん! 説明して!」

「どうどう。落ち着けゆんゆん」

ゆんゆんを落ち着かせて、フェイベルの事を大まかに話す。

「わかりました…一応納得しておくわ」

「そりゃありがてぇ」

「それで、その眼帯はどうしたんですか?」

ふむ…まぁいいか。

フェイベルと頷き合い、同時に眼帯を取る。

「「な!?」」

二人が驚くのも無理はない。

俺たちは互いの瞳を入れ換えているのだから。

「フェイベルは龍だ。瞳は絶対に隠せない。だから眼を入れ換えた」

右目を、交換した。

俺の右目はフェイベルの龍の瞳。

フェイベルの右目は俺の人の瞳。

「これでパパと視覚を共有できるのです」

フェイベルが嬉しそうに言った。

「い、痛くなかったの?」

「パパはお医者さんよりすごい技術を持ってます! 十秒でおわりました!」

痛覚遮断して、互いの眼を抉って、嵌め込んで、回復魔法で定着させる。

十秒で済む作業だ。

「さて、二人とも。今日も狩りの時間だ。フェイベルに無様な所見せるなよ?」

森に入って狩りを始める。

今日の分の獲物を狩り終えた時だった。

「パパ! わたしも戦いたいです!」

上目遣いのおねだりだとっ!?

「んー。気を付けろよ?」

「はい!」

ちょうど現れた初心者殺し。

フェイベルはそれと相対すると…。

「わああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」

フェイベルの大声。

否、咆哮。

龍種という絶対強者を前にし、初心者殺しが怯える。

一歩一歩フェイベルが近づく。

そして、その手を初心者殺しの額に当てた。

「ドレイン」

フェイベルが大虎の生命エネルギーを吸い取る。

やがて虎は、灰と化した。

フェイベルは満面の笑みを浮かべて駆け寄ってくる。

「どうでしたかパパ!」

可愛い! 俺の娘は世界一可愛いに違いない!

思わず抱き締めてしまう。

「ああ! えらいぞー! よくやったなーフェイベル!」

「えへへへ~」

可愛いは唯一絶対不変の正義だ!

「パパ、もっと殺っていいですか?」

「いいよ。危なくなったら援護する」

「ありがとうございます!」

フェイベルが森の奥へ駆けていく。

見ればの腕は龍の鱗を纏っていた。

「いきますよー!」

フェイベルが対峙したのは一撃熊だ。

龍の手を手刀のように伸ばしている。

一撃熊の大降りな横薙ぎをしゃがんで避けると、脚をバネにし翼で加速。

突き出した腕で一撃熊の心臓を貫いた。

「…………パパ。このあとどうしたら」

「一気に腕を抜いて急いで飛び退くといいぞ」

「わかりました」

フェイベルが飛び退くと同時に腕を抜くと、一撃熊が前に倒れた。

「初めての獲物だな」

「はい! ちゃんとたべます!」








その晩フェイベルは一撃熊一匹を全て平らげた。

いやお前の体積より大きかっただろどこに入ってんだよ…。

捨虫術でも消化のプロセスは必要なのに…。

龍って不思議だ…。
 
 

 
後書き
このままでは私の龍人フェチがバレてしまうッ…。 
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