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ロックマンX~Vermilion Warrior~

作者:setuna
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ロックマンX2
  第22話:新たな始まり

 
前書き
X2編行きます 

X2編は新規ですので1日1話です。 

 
シグマとの戦いから半年後、シグマの破壊と共に一旦は減少したかに見えたレプリロイドのイレギュラー化だったが、最近では増加の一途を辿り、各地では反乱を起こしたレプリロイド達によって、いくつかのハンター組織が襲撃を受け、壊滅していた。

それどころか捕獲されたレプリロイドを分析した結果イレギュラー化するための特殊なチップを予め体内に埋め込まれた、所謂“作られたイレギュラー”が発見されたのだ。

そしてそのチップにはΣ(シグマ)のマークが刻まれており、イレギュラーハンター上層部はこのイレギュラー達の製造元を探るべく全国のイレギュラーハンターに調査を命じた。

程無くして地図に載っていない工場発見との連絡が入り、そしてその工場の搬入搬出ルートを調査した結果、イレギュラーはそこで製造されている事が明らかになった。

この事件にシグマの残党が絡んでいると確信したエックスは、基地を破壊するために嘗てはシグマが率いていた第17精鋭部隊を率いて出動した。

「くっ…やはり警備用メカニロイドが配置されていたか…」

工場付近に近付いた途端に警備用メカニロイドが次々に出現し、工場に向かっているエックス達を迎撃してきた。

「エックス隊長!!このままでは…」

エックスの部下である隊員の搭乗しているチェバルが被弾し、機体から煙が出ており、他にも被弾したチェバルが増えている。

シグマを倒した功績を称えられたエックスは特A級に昇進し、第17精鋭部隊の隊長となったのだ。

最初は昇進を断っていたのだが、ケインの勧めもあって断れなくなったエックスは渋々とだが、隊長に就任したのである。

「被弾した者はライドチェイサーを放棄し、被弾していない者は彼らを連れてハンターベースに帰投しろ!!後は俺がやる!!」

被弾した者達は悔しそうにするが、このままでは自分の命を散らすだけだと分かっているためにエックスの指示に従った。

被弾したチェバルを放棄し、被弾していない隊員のチェバルに乗せてもらい、安全な場所まで運ばれていった。

それを確認したエックスはオペレーターに通信を繋げる。

「エイリア、聞こえるかな?」

『ええ、大丈夫よエックス…万が一とは言ったけど本当にこんなことになるなんてね…』

エックスの通信に応対したのはシグマの反乱の際に臨時オペレーターとして配属されたエイリアであった。

彼女はあの反乱以降、このような規模の事件の際には臨時オペレーターとして配属され、エックスのサポートをしてくれる頼りになる存在だ。

そして今では数少ないエックスの苦悩を理解してくれる人物でもある。

「エイリア、例の物を頼むよ」

『ええ…今からファーストアーマーをあなたに転送するわ。でも解析が不完全で性能がオリジナルより低下しているから過信は禁物よ』

「了解」

エックスにアーマープログラムが転送され、エックスのアーマーが何時もの蒼とは違い、純白の物となっていた。

これはシグマの反乱の際にエックスがライト博士によって与えられた強化アーマー・ファーストアーマーのバックアップデータを元にして再現したレプリカアーマーである。

しかしレプリロイド工学でトップの成績を誇るエイリアの能力を以てしても完璧な再現は出来ず、エックスの防御力強化のみに留まっている。

しかしこれによってある程度の無茶が可能となり、チェバルの被弾も気にせずに特攻を仕掛けて警備用メカニロイドにチェバルをぶつける。

ぶつかる直前にチェバルから飛び降りたことでエックスは無傷だ。

爆発によって工場の扉が吹き飛び、侵入が可能となった。

「これよりイレギュラー工場への潜入を開始する。エイリア、オペレートを頼むよ」

『了解…あなたも無茶をするようになったわね…』

呆れたような彼女の口調にエックスは苦笑しながら工場内に潜入した。

中に入ると警備用メカニロイドがエックスを迎撃してくる。

「ダッシュで潜り抜けてやる!!」

フットパーツのバーニアを噴かして攻撃を潜り抜け、メカニロイドにチャージショットを放って破壊した。

ファーストアーマーのフットパーツの解析は不完全だったが、ダッシュ機能自体は元々エックスに備わっており、オリジナルのパーツの装着の際に標準機能となったのだ。

故にフットパーツのダッシュ機能解析は不要となり、ボディパーツの解析に力を入れられた訳である。

他にも不完全なのはアームパーツとヘッドパーツであり、アームパーツはスパイラルクラッシュバスターの使用不可と、ヘッドパーツは頭突きによる障害物の破壊が出来なくなっている。

唯一再現が出来たのはボディパーツの防御力向上くらいだが、今はそれだけでもありがたい。

『エックス、イレギュラー製造プラントまでの最短ルートを割り出したわ。その通路を左に曲がって』

「了解!!」

メカニロイドを迎撃しながらエイリアのオペレートを受け、最短ルートでイレギュラーの製造プラントに向かった。

「ここでイレギュラーのチップを製造していたのか」

周囲を見渡すと組み立て途中の大型のメカニロイドとカプセルに入れられた未完成のレプリロイドの姿があり、コンベアに流されている物が目に入った。

「Σのマークの入ったチップ…」

『エックス…』

コンベアによって流されているΣのマークが入ったチップを掌一杯に掬い上げると静かに呟いた。

「あの事件で、沢山の犠牲が出た…それなのにまだ争おうとするのか…こんな…ゼロやルイン達の想いを踏みにじるような物を…こんな…こんな物があるからっ!!」

チップを握り砕くとチャージを終えたバスターを機材に向けてチャージショットを放った。

「この製造プラントは完全に破壊する!!」

何度もチャージショットを放って製造プラントを完全に破壊するが、重厚な足音に上を見上げる。

「どうやらこの工場の番人らしいが、少し遅かったな」

現れたのは超大型メカニロイドCF-0。

CF-0はエックスを踏み潰そうとするが、エックスは壁蹴りを駆使して攻撃をかわす。

「子供みたいに手足を振り回すしか出来ないのか!?」

壁蹴りで駆け上がり、CF-0の頭部に向けてチャージを終えたバスターを向ける。

「チャージショット!!」

放たれたチャージショットはCF-0の頭部に直撃させ、その巨体をふらつかせる。

「どうやら見かけ倒しのようだな!!これで終わりだっ!!(ルイン、力を貸してくれ…!!)」

ルインの形見であるZXセイバーを構え、CF-0の破損した頭部にチャージセイバーを叩き込んで粉砕した。

頭部を破壊されたCF-0は少しの間を置いて爆発した。

「これでイレギュラーの製造は不可能だ」

『そして我らの戦いの始まりでもある』

「この声は…」

聞き覚えのある声だが、聞こえていいはずがない。

奴はこの手で倒したはずなのだ。

冷たい汗が頬を伝い、エックスが振り返る。

『久しぶりだなエックス。嘗ての軟弱な若造が私の部隊を率いているとは驚いたぞ』

そこには記憶の物とは違うボディのシグマのホログラムが立っていた。

「シグマ…貴様…何故生きている!?」

エックスがセイバーを構えて何時でも動けるようにするが、シグマは不敵な笑みを浮かべる。

『貴様が倒したのは私自身ではない。貴様が倒した私は分身のような物。私はこうして新たなボディを手に入れ、甦ったのだ。』

シグマの言葉にエックスは愕然となる。

分身とはどういうことなのかは知らないが、あれだけの犠牲を出して挑んだシグマとの死闘がただの茶番でしかなかったことにエックスは悔しげに唇を噛み締めた。

『エックスよ…もう以前のようなことはせん。今の私の目的は人類の抹殺と貴様への復讐だ!!!』

次の瞬間、工場が爆発を起こす。

恐らく自爆プログラムを作動させたのだろう。

「くっ!!」

『この程度で死ぬ貴様でもなかろう……そういう貴様のために先の戦いとは比べ物にならぬ強者を揃えた。以前のような楽な戦いにはならんぞ……果たして私の元に辿り着けるかな?エックスよ!!』

燃え盛る工場から脱出するエックスにシグマは新たな戦いを告げる。

脱出したエックスは燃え盛る工場を見つめながら決意した。

「シグマ…お前が甦ったのだと言うのなら俺は戦う…今度こそお前を倒す!!」

バスターを天に掲げながらエックスはシグマとの2回目の戦いを決意するのであった。 
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