クロスウォーズアドベンチャー
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第49話:ブラックアグモン誕生
アポカリモンの生まれ変わりであるガルフモンをデジモンとダークタワーデジモンの未知数の合体で叩き潰した大輔達。
その光と闇の合体攻撃の破壊力は周囲の暗黒の力すら容易く粉砕してみせた。
「わーい、勝った!!」
「おう、なっちゃん。ガルフモンからシスタモン・ブランなんて名前が出たけどどうする?」
「うーん、大輔から貰った名前がいい。ナツかなっちゃんでいい」
「おう、分かった。」
「おい、なっちゃん」
「?」
「その…助かった。ありがとう…認めてやるよ、お前も大輔のパートナーになることを…でもお前は2番目だ!!大輔のファーストパートナーは俺、セカンドパートナーはお前だ!!」
大輔の1番のパートナーデジモンはあくまで自分だと言うマグナモンBWに大輔は苦笑、同化しているブラックウォーグレイモンは呆れ顔を浮かべていた。
「別にいいよ今はそれで、大輔の1番は私が貰うから」
「何!?」
喧嘩をする2体だが、先程より険悪ではない。
何だかんだで認め合ったんだなと大輔は笑った。
「大輔君!!今のは何な…の…?」
慌てて駆け寄ってきたヒカリと賢達だが、目の前の光景に目を疑った。
大輔の腕にしがみつく銀髪の可愛らしい少女。
「だ、大輔君…その子…誰?」
「ああ、この子はデジモンのシスタモン・ブランのナツちゃん…愛称はなっちゃんだ。ほら、なっちゃん。挨拶するんだ」
「はーい、えっと…シスタモン・ブランでナツって言うの。大輔から貰ったナツって名前の方が気に入ってるからナツか、なっちゃんって呼んで?」
「んえええ!?あなたデジモンなのおおおお!?」
驚愕する京。
確かにエンジェモンなど人間に近いデジモンを見てきたが、なっちゃんはそれ以上だ。
「うるさい…ねえ…」
「な、何?」
京の声のでかさに顔を顰めながらもヒカリに歩み寄るなっちゃん。
ジッと見つめる彼女に居心地悪そうなヒカリである。
「あなた…私に近い何かを感じるよ?」
「え?」
なっちゃんに言われてヒカリは彼女を見つめる。
確かにどこか彼女には近い何かを感じた。
タケルもタケルでなっちゃんから何かを感じるのか戸惑ったような表情を浮かべている。
「(この子は…闇?…いや、それにしては光に近すぎる…この子は一体…)」
闇には間違いないがあまりにも光に近い。
何というかあまりにも純粋と言うか透き通っているというか…。
今まで闇を感じる者は同じような精神構造をしており、狡猾で自分以外の存在を下に見て、何より冷酷だった。
しかしなっちゃんはそんな者とは正反対であり、寧ろ暖かさを感じる光に近い。
「その姿、マグナモンとブラックウォーグレイモンがデジクロスしたんですか?2体がデジクロスしなければならないくらい強いデジモンがここにいたんですか?」
「ああ、アポカリモンの生まれ変わりのガルフモンがいてさ。そいつをマグナモンとブラックウォーグレイモンのデジクロス体で叩き潰した」
【へー…えええええええええ!!?】
サラリと言われた爆弾発言にこの森が震え上がるくらいの音量の叫びが響き渡る。
数分後。
「落ち着いたか?」
「あ、はい。お騒がせしました」
何故か敬語のタケルに違和感を感じながらも、大輔はヒカリや賢に向き直る。
「なっちゃんも連れて行く。いいよな?」
「ああ、勿論。」
「私もいいよ?」
話していく内に仲良くなったのか、なっちゃんはヒカリに抱きついている。
「クロスオープン!!」
マグナモンとブラックウォーグレイモンが分離、退化してしまった。
そう、何故かブラックウォーグレイモンも退化の光に包まれてしまった。
「ふう…む?」
唖然としながら自分を見つめる大輔達にブラックウォーグレイモンだったものが訝しげに辺りを見回す。
ブラックウォーグレイモンだったものは困惑していた。
自分の手がいつもよりも小さいことに、目の前の大輔達がいつもより大きい上に辺りの景色が全く違う。
これは一体どうした事か?
「……………お前達、巨大化したか?」
【お前(あなた・君・あんた・おみゃー)が小さくなった(のよ・んですよ・んだぎゃあ)んだよ!!!】
ブラックウォーグレイモンだったものの天然発言に全員がツッコミを入れた。
そう、どういうわけかブラックウォーグレイモンは黒い…ウィルス種のアグモン、ブラックアグモンに退化してしまったのだ。
「何で!?どうして!?何故何WHYーーー!!?」
「多分、大輔さんのD-3Xの力を受けたことで進化と退化の能力が備わったんじゃないでしょうか?」
動揺し、パニクった京を無視して伊織が自分の考察を言うが、間違ってはいないだろう。
恐らく奇跡を起こす奇跡のデジメンタルの力の影響を受けているのもあるかもしれない。
「にしても成長期の姿になったおかげで随分と闇の力が小さくなったな。触れないと闇の力があるのかどうかも分からなくなっちまった。」
「闇の力は殆ど感じないわね」
「うん」
テイルモンもパタモンはブラックアグモンの闇の力が聖なる光に覆われ、無駄に力が外部に漏れないような状態になっていることに気付く。
これが奇跡の名を冠する奇跡のデジメンタルの力か。
「とにかく、今日からよろしくななっちゃん!!」
「うん!!」
新たな仲間、シスタモン・ブランことナツ…なっちゃんを迎え入れる大輔達であった。
ページ上へ戻る