クロスウォーズアドベンチャー
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第5話:合体竜人パイルドラモン
茸の里で手に入れたコードクラウンで新たなゾーンに向かった大輔達。
ゲートから落ちた場所は何と極寒の大地であった。
下は雪だから怪我は無かったが…。
「寒うぅぅ!!」
あまりの冷たさに雪から飛び出す子供達。
「どどどど何処よ此処ぉ~っ!!北海道!?シベリア!!?南極~っ!!?」
雪まみれとなり、ガタガタと震える子供達。
「いえ、多分デジタルワールドですね。僕達の世界では氷山が宙に浮いてたりしませんから」
「「「…あ~…」」」
「て言うか寒いな!!俺達、薄着だし…」
大輔はヒカリに自分のジャケットを着せたために今では大輔が一番の薄着である。
「だ、大輔君、風邪引いちゃうわ!!」
「いいんだよ!!ヒカリちゃんに風邪引かれたら俺が困るんだ!!太一さんに殺されちまう!!」
「え?何?ヒカリちゃんのお兄さんってそんなに危険人物なの?」
それを聞いて思わずアカリがツッコんでしまった。
「ち、違いますよ!!」
アカリのツッコミにヒカリは慌てて言い返す。
「ここは…常雪の大地、スノーゾーン!!寒冷地に適応したデジモンしか住むことの出来ぬデジタルワールド有数の厳寒地域ですじゃ!!」
ジジモンがXローダーの中で説明する。
どうやらXローダーとD-3Xの中では寒さの影響はない模様、ずるい。
「それにしても…皆さんは薄着だ。こんな所に長居していたら凍死してしまう…」
賢が何とか寒さを凌ぐ場所がないかと辺りを見回すが、洞窟すらない。
「シュッシュッシュッ!!皆さん、お困りのよ~シュねぇ!!?」
「マッシュモンズ…?」
Xローダーから聞こえてきたマッシュモンズの声に全員が耳を傾ける。
「我々とバリスタモンをリロードするっシュ!このマッシュモンズがいかに有り難~い味方か思い知らせてやるっシュ!!」
【…!?】
そしてマッシュモンズとバリスタモンをリロードしてマッシュモンズの指示に従い、デジクロスさせる。
「バリスタモン!!マッシュモン!!デジクロス!!」
「バリスタモンMC!!」
バリスタモンとマッシュモンがデジクロスして巨大な家となる。
「マッシュモンとバリスタモンがデジクロスして家になった!?」
「いっ、家~!!?」
「凄い…」
「で…伝説のデジクロスの力をこんな風に使っていいのぉ~!?」
「いっ…今は四の五の言ってられない!!早く中へ入ろう!!」
「さあ、早く!!風邪を引かないうちに!!」
子供達は一斉にバリスタモンMCの中に入ると、そこにはとても快適な空間が広がっていた。
「うわあ…凄え豪華」
「暖かいし、快適そう」
「デジクロス…戦闘以外にもこんな使い道があるなんてね」
戦闘以外にも使えるとはデジクロスの用途は普通の進化より幅広いようだ。
「シュ~ッシュッシュシュ、驚くのはまだ早いっシュよ~!!とくと味わうがいいっシュ!!グリンゾーンの食通達を唸らせた我が奥義…マッシュフルコース!!」
しばらくしてタイキ達の前に並べられるグリンゾーンの食通達を唸らせたと言う奥義の産物。
「いや…奥義って、普通に料理じゃんこれ!!」
「奥義っシュ!!」
「いや、料理だろ…」
「奥義っシュ~♪」
「どっちでもいいじゃん、美味そうだし!冷めないうちに食べようぜ!!」
子供達とデジモン達は出来立てのマッシュフルコースを食べ始めた。
「美味い!!」
「へえ、見た目に似合わず美味しいわ」
「美味しい!お代わりキュ~!!」
「出汁が効いてるわね~!」
ブイモンやテイルモン達がマッシュモンの茸料理を絶賛する。
「シュ~シュシュシュシュシュ!!貴様らなんぞこの奥義で美味しくヘルシーにビタミンと食物繊維を摂取し…骨は丈夫に、お肌はツルツルになって…阿鼻叫喚の快便地獄に苛まれるがいいっシュ!!」
「食欲失せるようなこと言うなよ…」
「何かやな言い方してるけど普通に美味しいよね?」
ゲンナリする大輔。アカリはリリモンに顔を向けながら尋ねる。
「マッシュモンは意地悪な言い方をしないと人に親切も出来ないのよ」
「厄介ですね種族特有の性格は」
リリモンの説明に賢は思わず呟いてしまった。
「良かったのバリスタモン?」
「あんなのとデジクロスしちまって…」
「結構快適ダ」
ジュークボックスとなったバリスタモンに尋ねるワームモンとシャウトモンだが、バリスタモンは結構快適らしい。
ドルルモンは気付かれないように静かにバリスタモンMCの中から出る。
「ん?ドルルモン?」
「俺が見て来るよ。大輔達は食べててくれ」
「あ、じゃあ頼みますタイキさん。」
タイキはマッシュモン型コートのマッシュフルコートで身を包むと、ドルルモンの元に向かう。
「それにしてもデジクロスかあ…俺達のD-3Xでも出来るかな?」
「分からないけど、Xローダーと同じ機能が付いてるんだから出来るんじゃないかな?」
「じゃあエクスブイモンとテイルモンがデジクロスしたら…」
「………エクスブイモンとテイルモン」
大輔とヒカリの脳内にエクスブイモンにテイルモンの耳や尻尾が生えたようなデジモンが浮かんだ。
「あんた達、とてつもなく失礼なこと考えてない?」
ジト目で大輔とヒカリを見遣るテイルモン。
「「いいえ」」
テイルモンの問いに即座に首を振る大輔とヒカリ。
「(うーん、やっぱり一番の理想は、一番エクスブイモンに体格が近いスティングモンだよな…)」
初めてのデジクロスならば出来るだけ体格が近い方がいいだろう。
「よし、なあ…一乗寺…」
賢にデジクロスの相手を頼もうとしたのだが、その前にタイキが慌てて入ってきた。
「バグラ軍が出たぞ!みんな!準備を!!」
タイキの言葉に全員がすぐに飛び出し、戦闘体勢に入った。
「まずいな…こっちはまだ完全に体力の回復が出来ていない。このゾーンに侵攻していたバグラ軍ならこっちより遥かにこの地を理解してるはずだ…」
賢が周囲の敵を見渡しながら、此方のコンディションはあまり良くないことに顔を顰めた。
「へっ!バグラ軍が出たっつっても慌てるこたぁねえ!どうせ倒して回る予定なんだしよ!!」
「馬鹿!群れ同士の戦いってのはな…同じ頭数でも地勢や陣形で戦力が全く変わるんだ!!先に相手を見つけて準備出来た方が圧倒的に有利なんだよ!!」
「(そうだな…サッカーと同じだ。同じ数でも作戦やチームワークで圧倒されちまう)」
ドルルモンの言葉に大輔は頷いた。するとヒカリがある方向を指差す。
「大輔君、あれ…!!」
指差した先にはムシャモンを従え、巨大な刀を携えた武人を思わせるデジモン。
「赤いXローダーの少年と…失われた力を使う子供達…!!」
「っ!…タ…タクティモン!!まずいぞ!!ありゃバグラ軍最高幹部の1人、タクティモンだ!!あ…あんな奴が直接侵攻してるゾーンに迷い込んじまってたのか…!!?」
タクティモンと呼ばれたデジモンはドルルモンの姿を見ると口を開いた。
「…ほう?貴様…ドルルモンか、我が軍を裏切り、姿を眩ました貴様が、よもやその者達と共に我が前に現れようとはな…」
「…っ…」
「ええっ!?」
「ド…ドルルモンが…バグラ軍だった…!?」
全員の視線がドルルモンに集中し、タクティモンは更に言葉を紡いでいく。
「いかにも…かつては死神の風と恐れられ、多くの街村を焼き滅ぼした我が片腕よ…」
「そ…そんなキュ…ド…ドルルモンが…」
「…くっ…」
「そこのキュートモンは滅ぼした里の生き残りか何かか…?罪滅ぼしでもしているつもりかもしれんが…守る者と滅す者の区別も曖昧な半端者は元々我が軍にいるべきではなかったのかもしれんな…」
「きっ…貴様っ…!!」
「落ち着けよドルルモン!!今はこの状況をどうにかすんのが先だろ!?」
激昂するドルルモンを大輔が慌てて制し、タイキも頷いて作戦を即座に考えて全員に伝える。
「そうだな、俺達を包囲するために奴は戦力を分散している!こっちの最大の戦力を一点集中させて、包囲の一角を崩して突破するんだ!地の利が向こうにあるってんなら、軍団対軍団の戦いから1対1の戦いに持ち込むんだ!サッカーならディフェンスラインをあげてきた相手にカウンター仕掛けてキーパーと1対1に持ち込む感じかな…」
「それしか方法はないかもしれませんね」
タイキの作戦に賢も大輔達も賛同し、ブイモン達も構える。
「(…確かにX3の圧倒的なパワーなら、あのタクティモンに対抗出来るかもしれん…!それにエクスブイモン達と連携すれば、より可能性が高まる…不意を突いて先に指揮官を抑えられれば追撃をかわすのも容易になる!やってみるしかないか…)」
「シャウトモン!!バリスタモン!!ドルルモン!!デジクロス!!」
「シャウトモンX3!!」
「ブイモン進化、エクスブイモン!!」
「ワームモン進化、スティングモン!!」
「デジメンタルアップ!!」
「テイルモンアーマー進化、微笑みの光!ネフェルティモン!!」
「一斉攻撃!!タクティモンに全火力を集中するんだ!!」
タイキがシャウトモンX3とエクスブイモン達に指示を飛ばす。
「うおおおおおお!!初っ端から飛ばすぜえええ!!スリービクトライズ!!」
「エクスレイザー!!」
「カースオブクィーン!!」
「ムーンシューター!!」
勢い良く放たれた4体の技は1つとなり、強大な威力を誇る一撃となるが…。
「ほう!何と潔い初手か…若いが澄んだ感性を持つジェネラルよ…その意気や……鋭し!!だが…壱の太刀…」
鞘に入れたままの刀を地面に勢いよく突き刺す。
同時に4体の合体攻撃が炸裂した。
「っしゃーっ!!一撃だぜっ!!」
「待てっ!!油断するなっ!!」
勝利を確信したシャウトモンだが、異変に気付いたドルルモンが叫ぶ。
すると合体光線から何かが出て来た。
「っ!!何だ…!?」
それはタクティモンの刀であった。
4体の合体光線をいとも簡単に斬り裂いている。
「まずい!!エクスブイモン!!みんな!!離れろーっ!!!」
大輔が急いで指示を出すが手遅れであった。
「その切っ先や…鈍し!!兵の心の迷いが刃を曇らせておるわ…!!鈍がっ!!!鬼神突!!」
タクティモンの強烈な突きが4体に炸裂。
シャウトモンX3のデジクロスは解除され、ネフェルティモンはテイルモンに退化してしまう。
そして攻撃が比較的浅かったのか、エクスブイモンとスティングモンは退化はしなかったが大きく吹き飛ばされた。
「エクスブイモン、大丈夫か!?」
「スティングモン!!」
大輔と賢が慌てて2体に駆け寄ると、エクスブイモンとスティングモンは何とか起き上がる。
「だ、大丈夫だ…でもあいつ…滅茶苦茶…強い…」
2体の深刻なダメージに賢は顔を顰める。
「……どうすれば…このままでは負ける…」
「諦めんな…お前は俺達のデジタルワールドを変な奴から守りたいんだろ?今までのこと償いたいんだろ?だったら最後まで諦めんな…!!それに…まだ手がある…」
「手…?」
「…デジクロスだ。エクスブイモンとスティングモンをデジクロスさせて、タクティモンを倒す」
大輔が賢にD-3Xを見せながら説明する。
成長期くらいの強さのシャウトモン達が合体してあれ程なのだ。
成熟期同士の合体ならタクティモンと渡り合えるかもしれない。
「僕が本宮君のデジモンと…?でも僕は…」
自分の犯した罪が大輔とのデジクロスを躊躇させる。
「ここでやられちまったら…俺達の世界のデジタルワールドが滅茶苦茶にされて、家族や仲間を悲しませちまう…ここでやられちまったら、やりてえ事も出来なくなるじゃねえか……」
自分がいなくなったら、悲しむ人。
賢の頭に、大切な人の顔が浮かんだ気がした。
自分を想ってくれる父と母。
「……僕には、やらなければならない事がある。ここでやられるわけにはいかない……何より…これ以上家族を……悲しませたくない……!」
「一乗寺…いや、賢!!頼む、お前の力を俺に貸してくれ!!」
「……ああ!!」
2人の視線はタイキ達に向かうタクティモンに向けられた。
「待ちやがれ!!」
「む…?」
「どこ見てやがる…お前の相手は俺達だ!!頼む、エクスブイモン!!」
「おう、任せろ大輔!!」
先程のタクティモンの一撃を受けて立つことすら困難なはずのダメージを受けているにも関わらず、エクスブイモンとスティングモンは力強く立ち上がった。
「(あれほどの深手を負っているのにも関わらず戦意が微塵も衰えていない…それどころか増している…!!)」
「エクスレイザーーー!!」
「ぬうん!!」
エクスブイモンの光線をタクティモンは刀を盾にすることで防いだ。
「(…先程の一撃よりも威力が上がっている…!!)」
「スパイキングフィニッシュ!!」
「むっ!!鬼神突!!」
防いだ直後の隙を突いたスティングモンのスパイクとそれに対応して繰り出したタクティモンの刀が激突した。
不意を突いたとは言え力の差は大きく、完全に力負けしたスティングモンのスパイクは砕け散り、スティングモンは吹き飛んだが。
「「まだまだあ!!」」
2人が即座にD-3Xを連結させると、エクスブイモンとスティングモンのデジクロスが発動する。
「エクスブイモン!!」
「スティングモン!!」
「「ダブルクロス!!」」
エクスブイモンとスティングモンがデジクロスし、スティングモンの外郭をエクスブイモンが纏ったような竜人型デジモンが降臨した。
「パイルドラモン!!」
「(何だ…奴から迸るあの力は…普通のデジクロスでは有り得ぬ程の力の高まり…あれはただのデジクロスではない…失われたはずの進化の力も影響しているのか…!!)」
あの2体の合体はただのデジクロスでは説明出来ない何かがある。
それを感じ取ったタクティモンは初めて構えを取った。
「久しく見ぬ強者よ…。貴様らの闘志に敬意を表し、今の私の全身全霊を持って相手をしよう…!!」
「タクティモンが構えた…!!」
ドルルモンがタクティモンが本気で挑むつもりなのだと言うことに気付いた。
パイルドラモンも両腕からスパイクを出し、いつでも動けるように構えた。
木に積もった雪が地面に落ちる。
「「……っ!!」」
それが合図となり、両者は同時に動いた。
「うおおおおおお!!」
「ぬうん!!」
スパイクと刀が勢い良く激突する。
今度は力負けせず、受け止めることが出来た。
「エスグリーマ!!」
両腕のスパイクによるラッシュ攻撃をタクティモンは刀を使ってそれらを捌く。
「ふっ…!久しいな、これ程の重みのある一撃は…!!迷い無き心…強き信念を持つ者のみが出せる力…!!」
「俺達は負けない!お前に勝って、皆と一緒に生きて帰るんだ!!デスペラードブラスター!!」
パイルドラモンはタクティモンを弾き飛ばすと、両腰の生体砲を構え、タクティモンに向けて強烈な砲撃を放つ。
「壱の太刀!!」
刀を地面に突き刺し、それによる衝撃波で砲撃を受け流すが、タクティモンはまだしも後方の部隊に甚大な被害が出る。
「うわああああ!?」
「あ、あいつら、何て戦いしてるの…!?」
ゼンジロウとアカリが戦いの余波で吹き飛ばされそうになるが、バリスタモンが支えることで防いだ。
しかし、タクティモンは先程のように砲撃を斬り裂いてパイルドラモンに肉薄し、再びあの一撃を繰り出そうとする。
「受けよ!!鬼神突!!」
パイルドラモンの胸にタクティモンの突きが炸裂…したかのように見えた。
「むっ!!?」
「へっ…この技を待ってたんだよ!!」
パイルドラモンは鞘の先を両手で覆うように掴み、攻撃を防いでいたのだ。
そしてパイルドラモンの両腰の生体砲がタクティモンに向けられる。
タクティモンが離脱しようと腕に力を込めるが、パイルドラモンも全力で掴んでいるために動かない。
「エネルギーフルチャージ!フルパワーのデスペラードブラスターだあああああっ!!!!」
極限までエネルギーを溜めた生体砲から放たれた砲撃がタクティモンに炸裂した。
砲撃に飲み込まれたタクティモンは爆炎に飲まれる。
「やったのか…?あのタクティモンを…?」
三元士最強のタクティモンを倒したのかとドルルモンは信じられない物を見るかのようにパイルドラモンを見遣る。
「…まだだ…畜生、全力で攻撃したのに。タクティモンには全然効いてないぜ…」
全員がパイルドラモンの視線を追うと、爆炎の中から出て来て服や鎧に多少の焦げ目がついた程度のタクティモンの姿があった。
タクティモンの纏う覇気はまるで衰えていない。
「いや…私が僅かとは言え傷を負うのは数百年来無かったことだ。進化とデジクロスのパワーが合わさったとは言え、たった2体のデジクロスで三元士に迫る力を得たことは素直に誇るといい。」
タクティモンがパイルドラモン達に背を向けた。
「…!?」
「このまま戦い続けても兵を無駄に失うのみ。ここは尻尾を巻いて退くとしよう。失われた進化の力を持つ者達よ、次に相見える日を楽しみにしているぞ…」
タクティモンが背中の大砲から信号弾を放ち、撤退の合図を出す。
タクティモンが去るまでパイルドラモンは警戒を怠らなかったが、タクティモンの姿が見えなくなったのを確認して、大輔と賢は安堵の息を吐いて、座り込んだ。
「大丈夫か!?大輔、賢!!」
「デジクロスしたとは言え…あのタクティモンと互角に渡り合うとは思わなかったぜ…」
ドルルモンの言葉に大輔は首を横に振る。
「いや…あいつはまだまだ本気じゃなかった。いや、本気は出していたんだろうけどな。今の状態で…あいつは“今”の自分に出せる本気しか出していなかった。結局、あのでかい刀を抜かせることも出来なかったしな。あの刀を抜いた時がタクティモンの本当のフルパワーを発揮出来るんだろ…今のあいつと善戦出来る程度じゃ話にもならねえよ…」
今のタクティモンと善戦出来る程度では刀を抜いて真の力を発揮したタクティモンには勝てないと、大輔はそう思った。
「それに今回は初見だから通じた部分もありますから、2回目は今回みたいにいかないでしょう」
賢も大輔と同意見であり、次の戦いでは今回みたいにはならないだろうと断言する。
【…………】
全員が沈黙する中、上空から何かの駆動音が聞こえた。
「ふむ…刀を抜いていなかったとは言えあのタクティモンと対等に渡り合えるデジモンを従えているか…工藤タイキだけと思っていたが…本宮大輔と一乗寺賢…お前達も引き入れるとしよう」
【!?】
上空を見上げると巨大な飛行型デジモンに乗った少年がいた。
「あんた…誰だ?」
「蒼沼キリハだ。本宮大輔」
天野ネネに続く2人目の人間との邂逅である。
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