艦隊これくしょん~男艦娘 木曾~
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経過報告と言う名の断罪
どこかの部屋の中、何故か設置されている十字架に、一人の男が磔にされていた。
名はV・B。この作品の作者であり、全ての元凶。
腰元に布が巻かれているだけで、他の部分は何も身に着けて――熊のお面を除いて――居なかった。
「……痩せ過ぎです。もっと食べてくださいよ」
そして、その隣には槍を持った一人の少女。
名は青葉。この作品のメタ担当であり、V・Bを磔にした張本人。額には青筋を模したシールが貼られていた。
「……いや待って、何この状況?」
V・Bはそんな状況に付いて行けず、首を傾げていた。突然青葉に気絶させられたかと思うと、いつの間にかこんな状態になっていたのだ。
磔にされるのは人生で初めてだったが、痛めている右肩が物凄く痛いのか、顔をしかめていた。見えないけど。
「いやぁ……それはあなたがこの半年間で様々な罪を犯したからですよ」
青葉はいつの間にやら手にしていたメモ帳をパラパラとめくりながら、実に楽しそうに笑っていた。額の青筋シールが嘘のようである。
「……まぁ、心当たりしか無いけどさ」
V・Bは大きく溜息をした。お面のせいで表情が分からないのが非常に面倒くさい。
「では、一つ目」
青葉は指を一本立てた。
「機種変によるクリスマス特別編データの消失」
「いやマジでスンマセンでした」
つい先日、V・Bは自身のスマホの機種変を行った。
その際、当然ながらバックアップを取って移行させたのだが……。
「まーさか本編のデータしか残ってないとは思いませんでした、よっと!」
「いっづ!?」
青葉は両手で槍を握ると、無防備なV・Bの左ふくらはぎに突き刺した。思いっ切り貫通してるが、何故か血は流れていない。
「ぐおぉ……いでぇ……」
「この件に関しては読者の方々に謝罪させて頂きます。まず間違いなく今年のクリスマスには間に合いませんが、いつか必ず書かせます」
……何時になるのか、そもそも何人が待ってるのかなどは全く持って不明である。
「じゃあ二つ目」
青葉はそう言うと、amaz○nと印刷されているダンボール箱から二本目の槍を取り出す。どうやら通販で手に入れたらしい。
「あの予告はなんですかっと!!」
「ぐうっ!」
今度は右のふくらはぎに深々と突き刺さる。やはり血は流れていない。
しかし、このときばかりはV・Bの顔にお面が着けられてて良かったな、と青葉は内心思っていた。
流石に苦痛に苦しんでる醜い作者の顔を晒すのは色々と可哀想だと考えていた。
「うぅ……って、それは罪なのか!?」
痛みに身悶えながらも、青葉に異議を唱えるV・B。当人からしてみれば、こんな目に遭うような事なんかでは決して無い筈だと。
青葉はそんなV・Bの顔(お面)を見て、フッと鼻で笑った。
「あんな予告で暁様における一日のPV記録抜くんじゃねぇって事ですよ」
「理不尽すぎね!?」
それまでの一日のPV記録三百五十程度から倍以上の七百オーバーを突破していた。それを友人に教えられて戦々恐々としていた。
「その節はどうもありがとうございました。まだまだ続きの投稿はできそうにありませんが、心行くまでお待ち下さい」
青葉は丁寧に頭を下げていた。V・Bは実に不満そうな表情()をしていた。
さてと、と青葉が言うと、三本目の槍を取り出した。先程の二本に比べて、若干大きかった。
「……まだあるんすか?」
痛みに震えながらなんとか言葉を繋ぐV・B。普段が平和な生活を送っている分、こんな痛みには縁がない。持ち前の鋼メンタル(自称)によって、泣き叫ぶ事だけは我慢していた。
「三つ目……何新作の設定つくってるんっ、だ!」
「ぐほぉおっ!?」
青葉は勢い良く槍を振りかぶると、V・Bの脇腹に向かって思いっ切り振り降ろした。
これまでとは比べ物にならない痛みに、より一層身を悶えさせる。恐らく、お面の下では涙すら流している筈だ。
青葉は早々に四本目の槍を取り出すと、チアリーディングのバトンのようにクルクルと回しながら実に楽しそうに笑った。最早青筋シールは意味をなしてない。
「私が入手したのは新作プロットを作ってるって情報だけですけどね……どんな作品かはここで公表して貰いましょう」
「……」
「艦これですか?オリジナルですか?」
「……ル……公の……モンの……」
「はい?」
「ミツル君が……主人公、の……ポケモン二次、創作……で、す…………」
世界の時間が、止まった。
「……えっ、と……返答によっては四本目を行こうと考えてたんですが……なんともまぁ反応しにくい…………」
V・Bの『マイナーキャラに恋する病』は相変わらずである。
あと、『ボクっ娘大好き病』も酷い。ブギ○ポップ滅茶苦茶楽しみにしている。悠○碧さん、キ○に続き、ブギー○ップありがとうございます(?)。
「っていうか、ポケモン二次創作ならご友人の吊人さんがやってましたよね……?色々と大丈夫ですか?」
「一応確認したけど…………『勝手にやりなさい!』って……」
段々と痛みに慣れてきたのか、先程に比べて大分スムーズに話せていた。
確かに、V・Bは昔からポケモン大好きであり、最近はポケスペの二次創作を休憩時間に眺めるのが生き甲斐らしい。
今回、それが爆発したようである。稀にある良くあることだ。
「まぁ、期待せずに待たないでくださいってことで一つ」
「嘘でもいいから待ってて下さいって言ってよ……」
投稿は恐らく四月頃になると思われます。その頃には艦これの方も再開できると思われます。
「さてと……四つ目」
「へ……」
青葉がそう言いながら早々に四本目を振りかぶる。これまでとは違った怒りの表情に、V・Bの表情()も曇る。
「私の改二は何時ですかぁあっ!!」
「がはぁああぁああっ!!」
「あと、何なんですかこの文体はぁ!!新人賞用の原稿に引っ張られすぎですよぉおおおおお!!」
「ぐはぁああぁあぁああっ!!」
最早八つ当たり以外の何物でもない青葉の怒りが籠もった四本目は、V・Bの腰元に深々と突き刺さり、すぐさま持ち上げられた五本目が、胸元を深々と抉った。断末魔を上げたあと、ピクピクと痙攣するV・B。次回までには治っていることを期待せずに待っておこう。
この半年間程の鬱憤が溜まっていたのであろうが、それが晴らされたのか、青葉の表情は幾分か晴れていた。
「さてと!中々修羅場を経験しているV・Bさんですが、こうやって元気に頑張っております!」
最早元気の欠片もないV・Bを指し示しても説得力は皆無だが、それを指摘する人間は居ない。
「これから残りの四ヶ月間も死ぬ気で頑張ってまいりますので、期待しないで待ってて下さい!そして、また戻ってきたときは、読んでくださると幸いです!!」
そして、青葉はいつもの一言でその場を締めた。
「それでは、また次回!!」
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