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一体何歳なのか

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第三章

 そうしたことを話してだ、母娘で銭形平次を観て楽しんだ。銭投げだけでなく子分や女房達とのやり取り、そして人情も楽しんだ。
 そうして数日後だ、裕香は娘のゆきよの母と話したことを話した。ゆきよは茶色にした髪の毛が多くやや癖のある髪の毛を短くしていて一七〇近い背丈に父親譲りのはっきりとした長い眉にアーモンド形のやや垂れているが睫毛の長い整った一重の瞳に大きな紅の地が笑みの形の唇に長い脚が目立つ均整の取れたスタイルをしている。父親似なのは裕香と同じだ。もう雅子は寝ていて夫は今は出張だ。
 するとだ、ゆきよはこう言ったのだった。
「そんなの代々じゃないの?」
「代々岡っ引きなの」
「そう、江戸時代のはじめからね」
 家光の頃からというのだ。
「もう代々ね」
「江戸で岡っ引きやってたの」
「そうじゃないの?」
 こう母に言うのだった、仕事から家に帰って遅い晩御飯を食べながら。
「名前もね」
「代々平次なの」
「そう、それで奥さんの名前はありきたりでしょ」
「お静っていうのは」
「最初の頃の奥さんの名前がお静で」
 そしてというのだ。
「後期の頃の奥さんの名前もね」
「お静さんだったっていうの」
「そうじゃないの?そんな名前多いじゃない」
 お静という名前は当時というのだ。
「あと子分の人もね」
「八っていうのも」
「多いし。他の人の名前もね」
「だからなのね」
「そう。別にね」
「ありきたりだから」
「特に驚くことないでしょ」
 母の作ったアクアパッツァをおかずにして御飯を食べつつ言うのだった、日本人ならではの食べ方であろうか。
「そんなことは」
「さばさばしてるわね」
「代々なんてこともあるしね、普通に」
「家業として」
「まあ岡っ引きって凄い収入少なかったらしいけれど」
 このことは平次だけでなく史実でもそうだった、収入についてはかなり低くそれで裏で悪いことをしている悪質な岡っ引きもいたという。
「銭形平次だって元々そうでしょ」
「それもそうね」
「そんなものでしょ。お祖母ちゃんの疑問もこれでね」
「解決したっていうのね」
「そう、代々ってことでね」
「それじゃあね」
 こう言ってだ、そしてだった。 
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