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ヴァンガードG ネクステージジェネレーション degrade

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Turn:08 幻夢の覚悟

 
前書き
フォールファイターと戦う一歩を踏み出せないミライ
そんな彼女に迫るフォールファイター
その正体は何とミツキだった
魂を乗っ取られ別人となってしまった彼女を取り戻せるのか 

 
日本へと戻ったミライはカードキャピタル2号店でデッキを見つめ茫然としていた
「ふぅ、落ち込んだ娘の心に私のファイトは届かず、か………」
レジで独り言をこぼすトコハ以外彼女の周りに人影はない
普及協会が詳細を伏せたうえで各カードショップやクエストの運用などを一時休止していた
今は一人でもフォールファイターが増えるのを防がなくてはならない
「それでも、このままじゃ何も進まない」

Turn:08 幻夢の覚悟

そんなカードキャピタル2号店を見つめる影
「やっぱり来たわね」
その影に声をかけたのはアムだった
「フォールファイター、あなたたちには息子も娘も奪われて、こっちは頭にきてるのよ」
デッキを構えフォールファイターを睨みつけるアム
だが振り返ったフォールファイターの顔を見て驚愕へと表情が変わった
「ミツキ………」
ミライを狙うフォールファイターの正体はシェンメイに敗れ行方知らずになっていたミツキだったのだ
冷たい瞳でアムを見るミツキ
「(まるであの時のルーナのような眼………くっ)」
一瞬ためらいそうになるアムだったが再びデッキを構えようとする
「待ってください!」
そんな彼女たちに声をかけた新たな乱入者
「コユキちゃん!?」
「そのファイト、私にやらせてください」
そう言ってデッキを構えるコユキ
突然の申し出に戸惑うアムだったがすぐ落ち着きを取り戻した
「わかっているの?これは普通のファイトじゃないの、言われてはいそうですかって譲るわけには」
「わかっています………でもあのとき、私が何もできなかったせいでミツキちゃんは………だから!」
コユキの瞳に映る覚悟を前にアムは大きくため息をこぼした
「危なくなったら無理やりにでも止める、いいわね」
「ありがとうございます………ミツキちゃん!あなたは私が取り戻す」
コユキと立ち代ったアムは携帯を取り出し電話をかけた

「もしもしアム………え!?ミツキが!?」
トコハの口から出たミツキの名前に驚いて飛び起きるミライ
「ミツキ………」

「コクエンマルのブースト!忍妖コナユキで呼声の宝石騎士 クリスティーンにアタック!」
コナユキは口元に掌を寄せると口から冷気を放ってクリスティーンを攻撃する
「ドライブチェック!」
【天竺の忍鬼 トクベエ】トリガーなし
「ダメージチェック」
【宝石騎士 ノーブル・スティンガー】クリティカルトリガー

「どうしてコユキちゃんが!?」
駆け付けたトコハとミライはフォールしているミツキと戦うコユキの姿に驚いた
「私が来たときにはもうファイトが始まってたのよ」
「コユキ………」

「リアガードのアルトガロでアタック」
アルトガロの振り下ろした剣がコナユキにさく裂する
【薄幸の忍鬼 シラサギ】ドロートリガー
「1枚ドロー、パワーはヴァンガードに」
「アルトガロのスキル、さばるみーをコール」

「ダメージトリガーが乗ったから確実にリアガードを増やしに来たわね」
「けど、さばるみーを呼んだってことは………」
「おそらく、ミツキの手札にサロメが」

「ヘロイーズのブースト、アルトガロでアタック」
【宝石騎士 そーどみー】トリガーなし
アルトガロの細い剣がコナユキに突き刺さる
【忍獣 ホワイトヘロン】トリガーなし
「ライド!花笠の忍鬼 フジノ!天竺の忍鬼 トクベエを2枚コール、コストを払ってコクエンマルのスキル」
だがコユキはコクエンマルの効果で見た中からカードを加えずすべて山札に戻した
「目当てのカードは引けなかったようだな」
「トクベエでアタック!」
トクベエが真っすぐ構えた手のひらから放たれた炎がアルトガロの身を焼く
【熱風の宝石騎士 シンベリン】トリガーなし
「フジノでヴァンガードにアタック!」
「ポリーでガード」
【夢幻の風花 シラユキ】トリガーなし
ポリーによって攻撃を阻まれたフジノ
だがもう一体のトクベエが飛び上がって攻撃を放つ
【閃光の宝石騎士 イゾルデ】トリガーなし

「今のところ互角………」
「むらくもも宝石騎士と同様に速攻を得意とするデッキよ、加えてあのデッキはトクベエみたいにブーストを必要としないユニットが多く入っている」
「けど、次は………」

「ライド、導きの宝石騎士 サロメ」
ミツキの分身であるサロメはクリティカルが上がる能力を持つ
ファイト序盤から中盤にかけて最も効果的なユニットだ
ジェネレーションガードがまだ使えず手札も不十分な状態で一気に勝負を賭けられる
「そーどみーをコール、そのスキルによってシェリーをコール」
これでミツキのリアガードは埋まりさばるみーの効果でサロメのスキルも解放できる
「シェリーのブーストしたそーどみーでアタック!」

「リアガードから行った!」
「サロメの攻撃はクリティカル2、トリガー次第ならここが通れば一気に決められる」

そーどみーに噛みつかれ身をよじらせるフジノ
【忍妖コナユキ】トリガーなし
「ヘロイーズのブーストしたサロメでアタック」
光のない眼で向かってくるサロメ
「通さない!完全ガード!忍獣 ホワイトヘロン!」
ホワイトヘロンが手を広げてサロメの前に立ちはだかる
「甘いな、ツインドライブ」
【炎玉の宝石騎士 ラシェル】クリティカルトリガー
【宝石騎士 ノーブル・スティンガー】クリティカルトリガー

「ダブルクリティカルトリガー!?」
「でも、あの子はまだ勝負をあきらめていないわ」

「アルトガロでアタック」
アルトガロがフジノに向けて剣を振り上げる
「インターセプト!さらにガード!」
トクベエ2体が並びフジノの前に立つ
更にどこからか現れたキャットデビルが同時に立ちはだかった
「ターンエンドだ」
「スタンドアンドドロー、ライド!幻夢の六花 シラユキ!」

「新しいシラユキ!?」
「夢幻の風花 シラユキのスキルはリミットブレイク、コナユキがいればその効果を使えたけれど、どうやら引けなかったようね、とするとあのユニットがどんな力を持っているか」

「ストライドジェネレーション!淡雪化粧 シラユキ!そのスキルで幻夢の六花 シラユキを山札からコール!さらにリアガードに夢幻の風花をコール!」
「三列並べた!」
「淡雪化粧 シラユキの効果で呼んだシラユキはターンの終了時に手札に加えられる」
「でも………」

幻夢の六花が放った吹雪がサロメに襲い掛かる
【涼風の宝石騎士 アルトガロ】トリガーなし
「淡雪化粧でアタック!」
淡雪化粧が両腕を広げ周囲が薄暗くなるほどの冷気が放たれる
「イゾルデで完全ガード」

「防がれた!」
「まだドライブトリガーがあるわ」

【忍妖コナユキ】トリガーなし
【関門の忍鬼 アタカ】トリガーなし
【忍獣 キャットデビル】クリティカルトリガー
「効果はすべて夢幻の風花に!アタック」
夢幻の風花が着物をなびかせながらサロメに向かっていくが
「ガード」
ノーブル・スティンガーに阻まれサロメに近づくことができない

「攻めきれなかった」
心配そうにコユキを見るミライ
いつもの彼女なら先ほどまでのように何度も取り乱したりしない
アムやトコハに宥められながら不安に押しつぶされそうになっていた

「ストライドジェネレーション、全盛の宝石騎士 エヴァンジェリン」
エヴァンジェリンのスキルは自陣のパワーアップ
防御力に優れたシラユキと言えども手札4枚では防ぎきれるかわからない
「シェリーのブーストしたそーどみーでアタック」
突撃したそーどみーが頭からぶつかってきたことにより直撃を受けよろめくシラユキ
【薄幸の忍鬼 シラサギ】ドロートリガー
「一枚ドロー、パワーはヴァンガードに」
「ヘロイーズのブースト、エヴァンジェリン」
エヴァンジェリンが剣を振り上げシラユキに迫る
「ノーガード!」
危険すぎる賭け
だがこれを乗り越えればチャンスが
「トリプルドライブ」
【必中の宝石騎士 シェリー】トリガーなし
【閃光の宝石騎士 イゾルデ】トリガーなし
【宝石騎士 ノーブル・スティンガー】クリティカルトリガー
「しまっ!」
コユキは今ダメージ4
ここでクリティカルトリガーが出たことで2ダメージ
エヴァンジェリンの剣がシラユキを切り裂いた
ゆっくりと崩れ落ちたシラユキはその場にうつ伏せに倒れる
「そんな………コユキ」
「ダメージチェック」
【忍竜 オボロキーパー】トリガーなし
【秘事の忍鬼 ハギノ】ヒールトリガー
「ヒールトリガー!ダメージ一枚回復!」
「なっ!」
思わず身を乗り出しそうになったミライだったがヒールトリガーが出たことでファイトはまだ終わらない
安心してその場で尻もちをついた
「まだだ、まだアルトガロの攻撃が残っている!」
「ガード!」
アルトガロのアタックに対して2体のキャットデビルが受け止める
これでミツキのアタックはすべて終了
次はコユキのターンになるが
「リアガードはがら空き、ミツキの手札のうち一枚は完全ガードのイゾルデ」
「しかもダメージ4でまだ一点受けれる」
「大丈夫………このファイト、絶対に勝つ!」
意を決してコユキが一枚のカードをドローする
「(来た!ヒデンスクロール!)」
そして勝ちたいというコユキの想いが必勝のカードを引き寄せた
「ストライドジェネレーション!艶然氷華 シラユキ!」
新たなシラユキのGユニット
コユキの新たな可能性
「このカードで私はミツキちゃんを取り戻す!コール!」
手札から2枚の幻夢の六花をコールするコユキ
「さらにヒデンスクロールをコール!そのスキルで山札から夢幻の風花を2枚コール!」
ヴァンガードを含めすべてのサークルがシラユキのユニットで埋まった、だが
「ブーストもインターセプトも持たないグレード3ばかり並べたところでなんになる………自棄になったか」
「ううん、この子たちだから勝てるの、艶然氷華のスキル!Gゾーンのシラユキを表にして表のシラユキ一枚につき相手のユニット一つのパワーをマイナス5000!」
今Gゾーンに表のシラユキは2枚
つまりサロメのパワーはマイナス10000、つまり
「バカな………ヴァンガードのパワーが0に………」
袖を広げた艶然氷華の背後から放たれた吹雪で身体が冷えきってしまったサロメは体のあちこちを雪で白く染めながら震えていた
「さらに!艶然氷華のジェネレーションブレイク3!シラユキの名を持つユニットは後列からアタックできる!」
「ぐっ、そのスキルのために展開を」
3人の夢幻の風花 シラユキが横並びにサロメに向かっていく
一人目のシラユキが袖を振り上げサロメをはたいた
【涼風の宝石騎士 アルトガロ】トリガーなし
「ぐっ、ガード!」
ノーブル・スティンガーとクリスティーンがシラユキの攻撃を阻む
だが3人目がその背後から姿を現して飛び掛かる
「ガード!」
ラシェルとそーどみーがその攻撃を阻むが
「艶然氷華 シラユキでアタック!」
この攻撃は完全ガードで防げる
だがそのあとも2体の幻夢の六花が控えている
すでにシールドは完全ガードと後はアルトガロのインターセプトの身
「クッ………」
艶然氷華の姿となってサロメに向かっていくコユキ
その脳裏に浮かぶのは初めてこのデッキと出会った日のこと

クラスメイトのみんなと組むことになったデッキ
だがやれドラゴンだやれかわいいユニットだやれハイビーストだ
意見がなかなかまとまらず困惑していた
「いっそのこと全部入れちゃおうか」
そんな状況に一石を投じてくれたのがミツキだった
むらくもには忍竜や忍獣、ドラゴンやハイビーストが多い
加えて元が忍者ということもありヒューマンなどのユニットも揃っていた
「それにほら、このカード」
夢幻の風花 シラユキを見せて笑顔になるあの日のミツキの姿
「飛鳥さんの名前はコユキでしょ、この子すっごく似合うと思うんだ」

【関門の忍鬼 アタカ】トリガーなし
【幻夢の六花 シラユキ】トリガーなし
【薄幸の忍鬼 シラサギ】ドロートリガー
「私の親友を返せぇ!」
艶然氷華の振り下ろされた両腕から放たれた吹雪がサロメに襲い掛かる
【炎玉の宝石騎士 ラシェル】

「うあぁぁ!」
悲痛な声を上げながら黒いオーラから解放されていくミツキ
そのオーラがすべて消えるとミツキはその場に倒れた
「ミツキ!」
アムが彼女に駆け寄るとミツキは気を失っているようだ
「これでミツキちゃんは………」
「ありがとう、コユキ」
安心した様子のコユキに歩み寄るミライ
「今のファイトに勇気をもらったわ、もう迷わない」
デッキを握りしめ誓うミライ
だが、現実はつらく残酷だった
「また一人………」
不気味に笑うシェンメイの足元に倒れていたのは葛木メグミ
強豪チーム、クレストロードのメンバーでカードキャピタル3号店を経営する夫婦の愛娘だった 
 

 
後書き
次回予告
「知らなかったわ、コユキがむらくもを使うのにそんな理由があったなんて」
「今ではお気に入りのデッキです」
「おかげでミツキを取り戻すことも出来たし、戦う覚悟も決まった」

turn:09 星の戦士たち

「でも、フォールファイターはいろんなところに現れてるんですよね」
「みんな無事だといいんだけど 
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