デジモンアドベンチャー Miracle Light
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第40話:異変
最後のダークマスターズの1人であるピエモンを倒したことで色を失っていた世界に色が戻る。
「…終わった…長かったなあ。ブイモンと会ってからもう4年だ。戦い続けて1年…長かった…」
「本当だね。1年間戦って、ようやく終わったと思うと色々こみ上げてくる…これが感無量と言う奴かな?」
「大輔君、賢君。お疲れ様♪」
1年前から続いていた戦いが終わってその実感を味わう2人に戦いが終えた後にいつも伝えていた言葉と笑顔を浮かべた。
しかし、それは長く続かない。
「…そんな馬鹿な!?」
「「「?」」」
パソコンを弄っていた光子郎が驚愕の声を上げた。
「光子郎さん、どうしました?」
賢が光子郎に尋ねる。
太一も気になったのだろう、光子郎に尋ねてきた。
「何かあったのか?」
「本当の敵はダークマスターズではないそうです」
「「は?」」
「え?」
大輔と賢とヒカリは一瞬、光子郎が何を言っているのか理解出来なかった。
多分、他の仲間達も多分そうだろう。
「本当の敵は存在そのものが世界を歪ませる生き物で、ダークマスターズは、その歪みのせいでパワーを得たにすぎないと……」
「じゃあ…本当の敵って一体なんなんだよ!?」
太一が叫んだ直後だった。
不意にスパイラルマウンテンが震え出したために、突然の揺れに子供達が悲鳴を上がった。
「何だ…?」
大輔が見た次の異変はダークマスターズが創造したスパイラルマウンテンの消失だった。
当然だが、ダークマスターズ最後の1体であるピエモンが倒されたことにより、ピエモンが支配していたエリアは音もなくあっと言う間に消滅していった。
ピエモンが支配していたエリアが消えても尚、残っていたスパイラルマウンテンの螺旋のような部分もあっという間に消滅した。
「…嫌な予感がする」
マグナモンの呟きは現実となる。
出来れば起こらないで欲しい出来事はこういう時に起きてしまう。
空間の歪みが発生し、子供達はその中に吸い込まれてしまう。
マグナモン達は慌てて追い掛け、歪みの向こうに見えるのは、宇宙空間を思わせる光がない暗黒世界である。
「大輔、大丈夫か?」
「あ、ああ…何とかな」
マグナモンがパートナーの身を案じるが、大輔達に怪我はないようだ。
辺りを見回すが、レオモンやハニービーモン達はいないようだ。もしくは弾かれてしまったのか…。
「……ここは、一体何なんでしょう?」
辺りを見回して光子郎が呟いた。
「ここがまともな場所じゃないのは確かですね。」
賢が呟いた途端、ゲンナイから通信が来た。
全員の視線がパソコンに向けられる。
「……恐らくこの闇に終わりは無いじゃろう」
「おい!一体どうなってんだ!?」
「ダークマスターズを倒したってのに!!」
ダークマスターズを倒して世界が平和になると思ったのに、起こったのは理解がまるで追い付かない空間に飲み込まれるという事態である。
太一とヤマトがゲンナイに問うのも当然か。
「……全ての悪を生み出した最も根源的な物がまだ倒せていないのじゃ」
「それは俺達にも言ってなかったなゲンナイさん。その根源的な物とは何なんだよ?」
大輔が問うとゲンナイはゆっくり口を開いた。
「ダイノ古代境の碑文に記されてあった。“太古の昔…世界のとある場所にあった火の壁を越えて何かが現れた。それは存在することによって時空を歪ませる生き物で、世界は危機に陥った”。」
「火の壁……?」
「恐らくファイアウォールのことですよ。ファイアウォールとは、あるコンピュータやネットワークと外部ネットワークの境界に設置され、内外の通信を中継、監視し、外部の攻撃から内部を保護するためのソフトウェアや機器、システムなんです。」
丈が疑問符を浮かべるが、パソコンに詳しい賢が説明した。
「“デジモン達の力ではそれを倒すことが出来ず…現実世界から選ばれし子供達を招き、そしてそれは退治された。”」
「…え…と言うことは…」
「選ばれし子供達は僕らの前にもいたのか!?」
「選ばれし子供の伝説がある時点で僕達の前にもいたのは当然じゃないですか」
賢がツッコミを入れた後、ゲンナイに先を促す。
「碑文には予言も書かれておった。“やがてまた、火の壁から大きな闇がこの世界に入って来るだろう”と…」
「大きな闇…?」
思わず、子供達は再び辺りを見遣る。曖昧でやけに不安な気持ちになる空間しかない。
「この闇が敵の正体だって言うのか?」
「そうとも言える。しかし実体もあるじゃろう。…大輔、最後の敵に対抗するための強化プログラムがある…受け取ってくれんか?」
「え?」
「大分昔の話じゃ…ホストコンピュータ・イグドラシルが管理するデジタルワールドは、デジモンの増加によって容量オーバー寸前に追い込まれていた。イグドラシルは、少数の選ばれたデジモンのみを新たなデジタルワールドに移送し、旧世界に残ったデジモン全て消去をするプロジェクトアーク実行を決定し、デジモンを抹殺するXプログラムを発動させたのじゃ」
「デジモン抹殺プログラム…なんとまあ過激な支配者ですね」
「否定しようがないのう。正直イグドラシルはあまりにも過激過ぎて我々も対応に困らされておる。早くホメオスタシスの能力がイグドラシルを上回ればとわしとわしの同僚達は…と、愚痴っとる暇はないのう。そのプログラムにより旧世界のデジタルワールドに残されたデジモンのうち98%が死滅した。」
「98%…」
「酷い…」
残されたデジモン達の大半がイグドラシルの都合で消されたことに子供達は不快感を覚える。
「しかし…ここからが肝心じゃ、その中にXプログラムに対抗できるX抗体を持ったデジモン…Xデジモンが現れ、新世界に逃げ延びた。余談じゃが、イグドラシルはそれを良しとせず、新世界でもプロジェクトアークを続行することになった。これからわしが大輔に送るのはX抗体プログラムなんじゃ。デジコア内の情報を高度に引き出し、潜在能力を極限まで発揮し、これにより姿が変化し、新たな能力を獲得をする。生命の持つ“ 存在することへの本能 ”が産んだ“ 生存し続けようとする進化 ”…これによりマグナモンの力が爆発的に高まるはずじゃ…最強の敵には最強の力で対抗するしかない」
「そうか、それなら…」
「ただし、今のままではX抗体は使えん。わしはX抗体プログラムは修復出来たが、使用法までは分からん。恐らくX抗体プログラムが生まれた経緯が鍵になっておるのじゃろうが…」
「またそれか」
メタル属性のデジメンタルも苦労したので簡単に強くなれるはず無いと思っていたので案の定だ。
マグナモンを見遣りながら大輔は自分のデジヴァイスを光子郎のパソコンに接続させる。
すると大輔のデジヴァイスにX抗体プログラムが送信された。
「よし…完了じゃ。とにかく、心して戦うのじゃ……子供達、よ……」
「お、おい!消えるな!」
何者かの妨害電波が入ったのか、ゲンナイの姿は今までと同じように薄れていき、画面には何も映らなくなった。
「……訳の分からないプログラムだけ渡して、昔話と雲を掴むような話じゃ、どうやって戦えばいいのか分かんないだろ!!」
「どういうことなんだ?今まで戦ってきたデジモンと違うのか?」
「恐らく、存在そのものが根本的に違うということなのだと思います」
ゲンナイとの通信を諦めてパソコンの蓋を閉じながら光子郎が言った。
「でも、やるしかない。この強化プログラムを何とか使いこなして絶対にそいつを倒してみせる。なあ、マグナモン」
「ああ、今更負けられない」
大輔とマグナモンの会話を聞いてヤマトも口を開いた。
「そうだ、相手が何だろうと、俺達みたいな子供が同じデジモンを倒したんだ!!」
「そうね!一応マグナモンもパワーアップ出来るようになったし、きっと勝てるわ!!」
ピエモンも倒したのだ、全員が力を合わせればきっと勝てるはず。
そう思った時、周囲から呻き声のような物が聞こえてきた。
「何だ…これは…」
バンチョースティングモンが周囲を見渡しながら呟く。
「この声、気味が悪い…」
「何か…言っているぞ!!」
ミミと太一が言った直後にしっかりとした声が聞こえた。
「そう…そうだ…我が無念を晴らさずにおくものか…」
深い恨みの籠った、まるで地獄の底から聞こえてくるような声だった。
「無念…?」
「誰だ!?」
声の主の出現は、何の前触れもなかった。
滲み出るかのように現れたのは、見た目はキューブのような形になっており、ヴェノムヴァンデモン程ではないにしろ相当な巨体である。
「これが、火の壁の向こうからやってきたデジモン…?」
「何なんだ、こいつ……!」
次にキューブから数多の触手が生え、一番上からは人の形をした何者かが姿を現す。
マントを纏ったそのデジモンは腰から下が管と化しており、その管はそのままキューブに繋がっていた。
「お前が…俺達の最後の敵か」
デジモンはマグナモンとバンチョースティングモンの姿を視界に入れると、目を細め…。
「フフ……フフフフ……ハハハハハハ……」
そして笑った。
「…何がおかしいんだお前は…お前は何者だ?」
流石に不快に感じたバンチョースティングモンがデジモンを睨み据えた。
「フ…フフフ…いや、すまんな。まさか滅んだデジモンの生き残りがいるとは思わなかったのでな。私はアポカリモン。初めましてと言っておこう。同胞達よ」
「同胞だと?」
マグナモンが疑問符を浮かべるが、アポカリモンと名乗ったデジモンは笑みを浮かべたままだ。
「そうだ、我々は進化の過程でその行く手を阻まれた者。」
「進化の過程で…?」
アポカリモンの言葉に光子郎が反応した。
「そこの同胞…古代種達も知っているだろう。かつてのデジモン達は今のように進化の数が多かった訳ではない。進化出来ずに、今の環境に適応出来ずに、更に神に力を取り上げられて消えていった存在。それが古代種だ。私を構成しているデータの大半はそこの2体と同じ古代種達の無念、怒りなのだ!!」
アポカリモンの叫びにマグナモンとバンチョースティングモンが目を見開く。
「で、でも………進化の過程の中では、消えていく種があるのも仕方がないことです。やはり環境に順応出来ずに……」
「黙れ!!仕方がない?その一言で全てを済ませる気か?」
「何が言いたい!?」
「先程も言ったように我々はデジモンの進化の過程で消えていった種の…その悲しく恨めしい無念の蓄積だよ。」
「消えていったデジモン達の闇の心の集合体……?」
デジモンと呼べるのかどうかも怪しい存在。
無数の無念や怒りが集まり、凝固された存在は笑みを浮かべた。
「選ばれし子供達よ…我々はお前達と出会えるのを楽しみにしていた」
「…どういうこと?」
アポカリモンの言葉にタケルが恐る恐る尋ねた。
アポカリモンは物分かりが悪い子供に教えるような口調で告げる。
「我々が闇から闇へと葬られていた時、楽しく笑いながら時を過ごすお前達がいる……何故だ!?」
アポカリモンの激情が衝撃波となって周囲に迸り、子供達を吹き飛ばした。
デジモン達は自身も吹き飛ばされながらも必死にパートナーを支えた。
「何故、お前達が笑い、我々が泣かなければならないのだ!?我々にだって涙もあれば感情もある。何の権利があって我々の命はこの世界から葬り去らなければならない!?生きたかった!生き残って友情を、正義を、愛を語り!この世界のために役立てたかったのだ!だが、我々はこの世界にとって必要がないというのか!無意味だというのか!?」
アポカリモンの悲痛な叫びが木霊した。
自身の体に爪を食い込ませ、出血しても強力な自己再生能力で回復してしまう。
「お前……」
大輔はその光景から目を離せない。
これが何も知らずに生きてきた自分達に与えられた罰なのかもしれない。
「この世界は我々が支配する。我々の場所を確立するのだ。邪魔をする者には全て消えてもらう!フハハハハ!光あるところに呪いあれ!!」
笑顔の向こうで誰かが泣いている。
誰かの幸福の裏には誰かの不幸がある。
今回は選ばれし子供達とアポカリモン達がそれであった。
アポカリモンの言い分は…古代種がパートナーである大輔にはよく理解出来る。
「でも…間違ってる…お前の気持ちは何となく分かるけど、こんなことが許されてたまるか…!!」
自分達が不幸だから他人を不幸にしていいわけがない。
そんなことをするから余計に世界に拒絶される。
負のスパイラルに陥っているアポカリモンを止めなければならない。
「大輔…」
「止めよう、マグナモン。あいつを!!こんな辛気臭い場所から引きずり出してやる!!」
「はは!!了解だ!!行くぞおおおお!!」
大輔の言葉に笑いながら弾丸の如くマグナモンはアポカリモンに突撃した。
「同胞よ、受け取るがいい。我々の友情の印を!!アルティメットストリーム!!」
「何!?」
触手の先端が見覚えのある…メタルシードラモンの頭部に変形したかと思うとオリジナルを凌駕するエネルギー砲を発射した。
それにマグナモンが反応出来たのは奇跡だった。
反射的に両腕を交差させて防御体勢を取ることが出来た。
「い、今の技は…まさか…?」
「そう…メタルシードラモンの必殺技だ。私が無念の蓄積だと言ったろう?そして次は信頼!!ヒートバイパー!!」
吹き飛ばされているマグナモンに目をくれずに次の標的に選ばれたのはヒカリだった。
触手の先端がキメラモンに変化すると口と4本の腕から熱線を放った。
「…ヒカリ!!」
エンジェウーモンは翼を1枚失ったことでバランスを欠きながらもヒカリを抱き上げて熱線を避けていくが、変幻自在に動き回る熱線が遂に直撃してしまう。
「ーーーーっ!!」
あまりの熱量に美しかった純白の翼が全て焼け焦げ、エンジェウーモンは声にならない悲鳴を上げた。
「エンジェウーモン!!」
「次は愛!!ブラッディーストリーム!!」
次にアポカリモンが標的にしたのはミミ。
触手の先端がヴァンデモンの形に変形し、紅い電撃鞭を繰り出す。
「きゃああああ!!」
リリモンが代わりに受け、たまらずミミ共々勢い良く吹き飛ぶ。
オリジナルよりも遥かに大きな破壊力の一撃。
「正義!∞キャノン!!」
「空…あああっ!」
次に変形したのはムゲンドラモンの大砲。
アポカリモンが放ったムゲンドラモンの必殺技を標的にされた空を庇ってガルダモンが受ける。
「もしかしたら、今までのデジモン達の技、全部使えるんでしょうか……!?」
「それって、今までのデジモンを一度に相手にするのと同じじゃないか!」
「じゃあ勝ち目がないってこと!?」
「落ち着いて下さい!!倒すべき相手は本体の方です!!」
「そうだみんな、惑わされるな!体勢を整えるんだ!!」
「みんなで力を合わせようよ!!」
後込みをする子供達が出て来たが、賢と太一とタケルだけが声を張り上げた。
それにより戦意を失いかけていた子供達の目に希望が戻る。
「私の本当の恐ろしさはこんな物ではない。デスエボリューション!!」
触手が勢い良く子供達に伸びていく。
先端が開いたそれは子供達を捕らえようとするが、咄嗟にパートナーが子供達を庇う。
マグナモンは突き放すのが間に合わなかったので大輔を背に庇うようにした。
デジモン達とマグナモンに守られている大輔が触手に捕獲された。
「ああ!?」
「大輔!!」
「大輔君!!」
最年少組が目を見開いた。
アポカリモンは笑みを浮かべる。
「安心しろ、死にはせん。今はな…お前達に進化の過程で消えて行く我々の気持ちを分からせてやらねばならんからな」
マグナモンやウォーグレイモンのように比較的小柄なデジモンは全身を触手に包み込まれ、ズドモン、ガルダモン、アトラーカブテリモンのような巨体のデジモンは完全には包まれずに体の大部分がはみ出している状況だ。
しかし巨体のデジモン達のおかげでアポカリモンの企みが分かった。
見覚えのある退化の光がデジモン達を包み、一気に成長期に退化した。
しかし、1つだけ解放されなかった触手がある。
「…む?」
触手の先端の隙間から金色の光が漏れ出し、次の瞬間爆砕した。
そこには退化せずに憤怒の表情を浮かべているマグナモンの姿。
「妙な技を使いやがって…」
「…成る程、聖なるバリアで影響で防いだか」
大輔を守るためにバリアを張ったマグナモン。
バリアに守られているマグナモンはアポカリモンの強制退化から逃れられたようだ。
そうだ、自分達も一時的に退化させられただけで、もう二度と進化出来なくなった訳ではない。
また進化すれば戦えるのだ。
「ミラクルグリッター!!」
「アルティメットストリーム!!」
光とエネルギー砲が激突し、押し合いになる。
「太一、今のうちに!!」
「もう一度進化してマグナモンに加勢しよう!!」
アグモンとワームモンが進化を促す。
子供達はデジヴァイスを翳した。
しかしアポカリモンはマグナモンとの戦闘中に置いても他の子供達を失念していなかった。
「デスクロウ!!」
触手からデビモンの腕が飛び出し、大輔以外の紋章を奪い、握り潰してしまった。
「紋章が……!」
「壊れ、た……!」
「これじゃあ、進化させられない!」
「進化出来なかった我々の絶望を少しは思い知ることが出来たようだな」
アポカリモンは満足そうな顔をしていた。まともに戦えるのはマグナモンのみ、しかも頼みの綱のマグナモンも相当疲弊している。
「何てことだ……紋章が壊れてしまうなんて……!」
「進化出来ないまま戦ってあいつに勝てるの!?」
「まだ!まだだ!!大輔の紋章は壊されてない。あいつらが満足に動けるようにサポートすれば…」
「デジヴァイスは壊されてない。成熟期までなら進化出来るはずだ!!」
アポカリモンの気を引いてマグナモンの攻撃を当てさせる事は出来るはずだ。
しかしアポカリモンがそれを許すはずがなかった。
「ルナーニタ・デ・ハチタ・エマ~オ~!!」
触手でマグナモンの動きを何とか抑えながら詠唱を始めた。
対象は紋章を失った子供達と無力なデジモン達。
「うわああああ!?」
「え?」
丈の悲鳴が聞こえた大輔はそちらに振り返ると丈の…いや、自分達以外の仲間がデジタルデータにされていた。
「くそ…止めろ!!」
マグナモンがアポカリモンに殴りかかるが、触手がマグナモンに襲いかかり、攻撃を妨害する。
「ヒカリちゃん!!賢!!みんな!!」
急いで駆け寄る大輔。
ヒカリが大輔に手を伸ばしたが、小柄なヒカリはデジモン達とほぼ同じタイミングで消えてしまう。
賢もタケルも同じタイミングで、残されたのは大輔達より大きい太一達。
「だ、大輔…ごめんな…」
太一の謝罪が聞こえた。
その表情は恐怖と…全てを大輔に押し付けてしまうことになった自分への苛立ちが見えた。
そして間もなく太一達もデジタルデータに変えられてしまう。
「みんな…」
「さあ、残るのはお前達だけだ。どうする?」
「どうするか?そんなもん決まってる。お前をぶっ飛ばしてヒカリちゃん達を助ける!!それだけだあ!!」
「シャイニングゴールドソーラーストーム!!」
「プラグボム!!」
マグナモンのレーザー光にアポカリモンは全ての触手からナノモンのミサイルを発射して相殺した。
しかしレーザー光は囮で狙いは本体。
「マグナムパンチ!!」
マグナモンの拳が本体に叩き込まれた。
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