デジモンアドベンチャー Miracle Light
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プロローグ:チコモン
前書き
私は言うまでもなくブイモン系統が大好きです。はい
1995年の春に東京都練馬区光が丘の深夜に爆弾テロ事件が起きた。
しかし街中で起きたことにも関わらず、不思議な事に目撃者は殆どいないと言う。
幾人かの子供が自分の親に対して大きなオレンジ色の怪獣と巨大な鳥が戦ったと述べたものの、そんな現実離れしたことが大人達に信じてもらえるわけがない。
夢か何かだと自分の親に全否定された事もあり、目撃者の子供達も、月日が経つにつれてこの出来事を忘れていった。
そして当然だが、爆弾テロと名付けられたこの事件も捜査が全く進まず、事実上の迷宮入りとなってしまう。
そして間を置かずに当時の光が丘の団地に住んでいた子供達は、家庭の事情のある子供達以外、ほぼ全員がお台場へと引っ越していくのであった…。
「はあ~…せっかくアメリカから帰国してこれから気合い入れて久しぶりの日本で過ごそうとした時にテロ事件なんて…ツいてないわ…」
「まあ愚痴っても仕方ないさ、まさかこんなことになるなんて誰も思わないだろうしな」
「そりゃあ、そうでしょうよ!!帰国早々こんなことになるんだったら誰も光が丘に住もうだなんて思わないわよ!!もう…ジューン!大輔ー!!早く部屋を片づけてしまいなさーい!!」
「ちょっとー!!無茶言わないでよー!!いきなり引っ越すなんて言われてすぐに片づけられるわけないでしょうがー!!」
「姉ちゃん、さっきから散らかしてるだけ」
「うぐっ!?」
母親の言葉に叫び返すジュンと呼ばれた少女だが、隣の大輔と呼ばれた弟らしき少年が黙々とジュンの散らかした場所を片付けていく。
ゴミをゴミ袋に入れ終え、今度はジュンが散らかした衣類の片付けに入るようだ。
「…ジュン、あなたは何もしないで頂戴」
弟の方がテキパキと部屋を片付けているのを見て、自分達の掃除などの家事能力は長男にのみ受け継がれてしまったのかと母親は頭痛に頭を悩ませ、父親は苦笑した。
「さあて、次はパソコンを片付けるとするか…」
父親がパソコンを片付けようとした時に突然触れてもいないパソコンが起動し、画面から光が溢れ出す。
「な、何だこれは!?」
父親は画面から溢れ出した光に反射的に目を閉じた直後であった。
「とおっ!!」
「ぐはっ!?」
顔面にいきなり衝撃が走り、父親は仰向けに倒れてしまった。
「あなた!?大丈夫!?」
「何これスライム?」
母親が倒れた夫に慌てて駆け寄るが、ジュンは父親を倒した水色のスライムにゆっくりと歩み寄るが、スライムは何かを探すかのようにキョロキョロしている。
「…………スライム?」
「あ、いた。だいしゅけ~!!」
大輔の姿を発見したスライムは大輔の元にピョンピョンと跳ねていく。
「俺のこと?」
「俺、チコモン!!俺はだいしゅけのパートナーデジモンだよ!!」
「パートナー?」
疑問符を浮かべて首を傾げる大輔にチコモンはニコニコと笑いながら語り始めた。
自分はデジタルモンスターと呼ばれる生命体で大輔に会うためにデジタルワールドと言う世界を1匹で放浪していたらしい。
「ちょっと待って、あなた家族や友達はいないの?」
「いない」
気絶した父親をソファーに寝かせて、母親がチコモンに尋ねると首をフルフルと…首がないから体をと言った方がいいのかもしれないが。
「どうするのお母さん、これ?」
ジュンが大輔にすり寄っているチコモンを指差しながら母親に尋ねると、頭を悩ませた。
「普通なら…保健所辺りに連れて行くんだけど…」
大輔とじゃれ合っているチコモンを見ていると突き放すのは酷ではないかとも思う。
「うーん…取り敢えず少し様子を見ましょうか。」
取り敢えずチコモンの様子を見ることにした。
こうして本宮一家にデジタルモンスターと呼ばれるデジタル生命体が加わったのである。
後書き
取り敢えずこれはゆっくりと更新していきます。
少なくとも放り出しはしません。
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