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【アンコもどき小説】やる夫は叢雲と共に過剰戦力で宇宙戦艦ヤマトの旅路を支援するようです

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ヤマト発進!

「私の名前はサーシャ・イスカンダル。
 今は地球の方々に保護されています……」

 サーシャの放送でガミラスはかなり割れた。
 まだ彼女だけなら良かったのだが、彼女の船が残っていた事が致命的だった。
 ガミラス親衛隊による攻撃のデータが航行コンピューターにしっかり残っていたのだった。
 うまく行けばデスラー総統の失脚、最低でも親衛隊の斬り捨ては行われるだろう。
 この放送の後、銀河系のガミラス艦隊が撤退に入った事が偵察によって確認され、少なくとも地球の危機は一時的には去った。

「……これらの責任をとってペンウッド暫定大統領は辞職を表明。
 政府はトリューニヒト首相による暫定連立を宣言しつつ、早急に大統領選を行うことを……」

 一方の地球でもこの戦争に対する後始末が始められた。
 たとえ仕向けられたとはいえ、先制攻撃をしかけたのが地球側であるという事がリークされて世論が爆発。
 こういう時のためにとペンウッド暫定大統領が辞職する事で表向きのケリはつけられた。
 もちろん、芹沢提督を始めとした当時の軍首脳部の首も道連れになったのは言うまでもない。

「やる夫。
 ここに居たか」

 南部重工のドックの控室でTVを見ていた俺と叢雲に古代守が声をかける。
 俺と叢雲は放浪者艦隊改め、独立国家バーナード星船団国の代表として礼服を着ており、古代守は地球防衛軍の少佐の軍服を着ていた。

「いい船だろう?
 お前が用意してくれた船よりは小さいが」

「ああ。
 いい船だ」

 地球連邦政府直属外宇宙探査実験艦『ヤマト』。
 古代や真田や新見達が乗る船の名前である。
 古代は少佐で戦術長、真田も少佐で技術長、新見は大尉で技術スタッフである。
 サーシャをイスカンダルに帰す為の船であり、乗員は余裕を持たせて5000人を越えている。

「これに補給と護衛をうちがするのだが、うちの船の方が大きいのがなんというか……」
「言うな。やる夫。
 色々と事情があるんだ」

 このヤマトの長距離航海だが、ガミラス側から手を出さない事をイスカンダルからの長距離通信で知らされては居た。
 とはいえ、ガミラスとはどんぱちをしていた仲である。
 信用できるわけも無く、その護衛としてうちが用意したのがミュニファスント級スター・フリゲート。
 全部ドロイドで航行できるので人間用の物資補給を丸々積めるの魅力なのだが、この船の全長は825メートルで、このヤマト525メートルより大きい。
 技術力の格差というか、船の運用の違いとは言え、見栄え的にどうよと地球側からツッコミが来たのは言うまでもない。

「なぁ。やる夫。
 これで戦争は終わったのか?」

 古代守の言葉には遊びがなかった。
 ヤマトを見つめたまま、俺も素で答える。

「終わるわけ無いだろう。
 人の歴史は戦争の歴史だ。
 戦って、戦って、戦い抜いたからこそこんな所まで来た。
 それが宇宙という舞台に移っただけの話だよ。
 いずれ、また戦いが起こるさ」

 今回のサーシャ帰還に伴って、イスカンダルを仲介としたガミラスと俺達バーナード星船団、地球、ブローグ・コモナリティ、モンカラマリ等との講和会議の交渉が用意されていた。
 そのため、この船にはそれぞれの外交団も乗り込んでいる。
 こちらもヤマトに新たな全権大使として自動人形Sfを製造し送りこんでいた。
 ボラー連邦にも声をかけたが、彼らはガミラスとまだ戦争をする事を選び、この交渉に乗ってこなかった。
 それで得られる平和の時間はどれぐらいなのか?
 まだ、ガトランティスやティンキルなんて化物国家が割拠しているのがこの世界のこの宇宙だ。

「おねーさま。
 いいでしょう♪
 私の船よ♪」

「はいはい。
 いい船よね。あれは」

 いつの間にかやってきて叢雲にじゃれ付く東雲愛歌に叢雲は邪険に扱うことはせず、自慢する愛歌をあやすように彼女の船であるヤマトを見つめる。
 実際、彼女一人で操れるワンマンシップなのだが、攻撃を受けた時の修理や、危機対処等のマルチタスクではやっぱり人間の方が便利なのも事実。
 乗員5000人の他に、ドロイド2000体を搭載し、そのコントロールすら愛歌は行うことができた。

「それでも、その戦いが起こる前の少しの平和がきっと人類を更に先に進ませる。
 俺はそう思っている」

 後ろから声がしたので振り向いたら真田志郎が新見薫と共に立っていた。
 昔のようだとふと思った。

「探したんですよ。
 進水式が始まりますから集まってください!」

 新見の声に俺達は式典会場に向かう。

「なぁ。
 叢雲。
 俺達はうまくやったのかな?」

 俺の呟きに叢雲は笑って言い切った。

「ええ。
 たとえ女神が否定しても、この私が保証してあげるわ!」


(ええ!
 あなたはよくやってくれました!
 だから残りの人生面白おかしく過ごしてくださいね♪)


「っ!?」

 叢雲には聞こえなかった女神の声に俺はただ苦笑した。
 そして、叢雲の肩を抱いて俺達は会場に入ってゆく。



「では、外宇宙探査実験艦ヤマトの進水式を始めます!」 
 

 
後書き
このままエタらせるのも何なので、ちょうど良い感じで終わらせてみた。
後半の振るサイコロの量が増え続けたのは反省しなければならない。
バラン星の勝利とサーシャ生存がこの終わり方に繋がったので、ある意味グッドエンドかなと思う。
ここから銀河大戦をすると、ガミラス側にも死傷者がしゃれでなく出るからなぁ。

またこんな感じのアンコもどき小説は書いてゆく予定なのでその時はよろしくおねがいします。 
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