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ドリトル先生と奇麗な薔薇園

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第十二幕その十二

「何時見ても素敵なお花だよ」
「最近薔薇で色々なお話があったけれど」
「どれもいい思い出だしね」
「虫退治のことも舞台のことも」
「それでその他の色々のお話もね」
「そうだね、あとこういうものもあるよ」
 先生は胸のポケットからあるものを取り出して皆に見せました、それは一体何であったかといいますと。
 小さな瓶の中に薔薇の花がありました、ですがその薔薇は。
「あれっ、砂?」
「砂の薔薇!?」
「砂で造った薔薇なの」
「そんな薔薇もあるんだ」
「自然の中でこうしたものが出来る時もあるんだ」
 砂粒達が固まってというのです。
「昔エジプトに行った時に貰ったんだ」
「そうだったんだ」
「そういえば先生エジプトにも何度か行ってるけれど」
「あそこで貰ったんだね」
「その薔薇を」
「そうだよ、とても素敵だよね」
 先生もその薔薇を観つつにこにことしています。
「こちらの薔薇も」
「そうだね」
「これは奇跡の薔薇だね」
「薔薇の騎士の銀の薔薇もいいと思うけれど」
「こっちの薔薇もいいわね」
「とれも奇麗よ」
「じゃあこの薔薇も観ながらね」
 薔薇園の薔薇達だけでなく、というのです。
「皆で今からね」
「うん、ティータイムね」
「そちらでも薔薇を楽しみましょう」
「薔薇のお茶に薔薇のお菓子」
「それをね」
「さて、お菓子は何にしようかな」
 砂の薔薇を観つつさらに言う先生でした。
「一体」
「薔薇のケーキに薔薇のエクレア?」
「あと薔薇のスコーン」
「そういうのかしら」
「そうだね、それを三段にしてね」
 皆のお話を聞いて言う先生でした。
「注文しようか」
「それは変わらないね」
「先生なら」
「もう絶対だね」
「そう、十時と三時はティータイムでね」
 そしてというのです。
「そしてティーセットはね」
「三段だね」
「それはもう先生のこだわりで」
「変わることがない」
「そうしたものだよね」
「そう、このことは絶対だから」
 それでと言う先生でした。
「全部注文しようね」
「うん、じゃあね」
「今から注文しましょう」
「喫茶コーナーでね」
 皆も先生の提案に笑顔で頷きました、そうしてです。
 実際に皆で喫茶コーナーでローズティーと薔薇のお菓子のティーセットを注文しました。そうして皆で薔薇達を観つつお茶の時間を楽しむのでした。それはとても心地いいものでした。


ドリトル先生と奇麗な薔薇園   完


                    2018・5・11 
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