ガンダムビルドファイターズボーイ
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第十九話 Gゴースト
夜の某模型店にて営業が終わり店主が片づけを始めていると何かの起動音が響きバトルフィールドの部屋に入ると勝手に起動していた。
そしてプラフスキー粒子が収束し・・・ガンプラの結晶体が出来上がった。
『・・・バトル・・・バトル』
・・・不気味に響き渡る少年の声が・・・
「うわああああああああああああああああああああ!!!」
響き渡る店主の声
第十九話 Gゴースト
夕方のキャピトラ
「知ってる?最近プラモ屋に出るゴーストの話」
「うん聞いた聞いた・・・バトルフィールドに勝手に現れてガンプラバトルをするって言う奴でしょ」
「・・・遭遇した人はビビッてるせいで負けちゃうとか・・・でゴーストは勝ったら消えて次に行っちゃうとか?」
ジュース飲みながらガンダムボーイは最近の事情を話しあっていた。ゴーストの話はガンプラ時事に疎すぎるガンダムボーイの耳にも届いていた。
『けど・・・そいつ勝ってるんだろ?』
「うん・・・なんだろうな・・・よっぽど未練あるのかな~」
烈斗の問いかけに翼が応えると何かを閃いたように立ち上がった。
「よし!じゃ!今晩張り込んでみようか!」
「「い?」」
翼の提案に驚く香澄と新之助。すると天津が・・・
『ま~怖がっちゃってる子供もいるしね~』
『闇軍団の策略かもしれない』
武瑠も続き香澄と新之助も了承するのだった。そんなこんなで店を出ようとしたその時キャピトラに珍客が・・・それは・・・
「こんにちは」
「お~ペガッサ星人しばらくなのだ~」
ペガッサ星人だった。あまりの事に凍り付く翼達と臨戦態勢をとる烈斗達。
するとペガッサ星人も驚いたのかダーク・ゾーンを作り出し隠れてしまった。
「何やっとるんじゃ皆?」
首を傾げる畢。
すると
「こんちわ~」
「しばらく~」
「やぁ」
といった感じにバルギー星人とメイツ星人とメトロン星人が入ってきた。
そして
「ただいま~ん?おおお!?」
買い出しから帰ってきたランは店の光景に仰天しウルトラゼロアイを装着しようとした瞬間。
「止めんか!」
「んぎゃ!?」
畢の空手チョップで変身阻止されるラン。
そして
「あ~悪かったのだ。流石にいきなりは面食らうのだ」
「畢姉・・・もしかしてこの宇宙人たち」
「ウチのお客さんなのだ」
「へ!?」
畢の言葉に固まる翼たち。
「地球侵略に来たんじゃないの?」
「無害な奴がいたっておかしくないのだ・・・宇宙は広いぞ~良い奴もいれば嫌な奴もいる・・・ぐろーばるの考えを持ってる宇宙人が居たっておかしくないのだ」
その後も次々と来店する宇宙人たち。
そんなこんなで侵略の意志の無い宇宙人たちのたまり場となっている夜のキャピトラの姿。
「・・・俺はもうこの店で何が起きても驚かない」
『・・・奇遇だな翼・・・俺もだ』
宇宙人たちと同じテーブルでジュースを飲む翼と烈斗。流石になれていないので固まっている。
するとお客さんのガッツ星人を見た畢は・・・
「美味そう・・・」
「びく!」
硬直するガッツ星人。
「鶏っぽいからかな・・・美味そう~」
あっさり馴染みはじめた香澄の言葉にもびくっとするガッツ星人。
そして
「へぇ~ペガッサではそんな技術がメトロン星ではそんな理論が」
とペガッサ星人とメトロン星人の学問や技術に興味を持つ新之助。
「本当に大丈夫なのかこれ?」
心配そうに見守るラン。すると畢は・・・
「なんじゃと?人類みな兄弟の精神は?エースの願いは?ウルトラ五つの誓いは?・・・第一お前のチームだって異なる種族だろうが・・・悪さしなければ別にどうでも良いし」
「そういうもんなの?・・・い?」
ランが頭を抱えて振りかえると・・・
「きゃはははは♪ペガちゃ~ん」
ペガッサ星人に懐いているマユ。ペガッサ星人もニコニコしながらマユの相手をしている。
「マユの方が順応性高いのかな?」
等と夜のキャピトラは別の意味で賑やかになるのであった。
脱線はここまでにし本題に戻るガンダムボーイ。
「そういえば・・・ゴーストの奴はどうすればいいんだ?」
「勝ってもハイ成仏って事にはならないし・・・」
すると翼と香澄に畢がスープを出した。
「何これ?」
「中身何にも入ってない」
「まぁ良いから飲んでみろ」
翼と香澄は顔を見合わせ一口飲んでみると・・・
「・・・美味しい」
「これどうやって作ったの?」
畢がキッチンを見せると捨てちゃうような部分の野菜など余った材料を指さした。
「え?・・あれだけ?」
「コクコク・・・皆が旨味を出し切っただけのスープなのだ・・・美味しかったのは旨味を出し切った副賞でしかないのだ」
何時もぼーっとした顔で何考えているか分からない畢からためになるのかどうかすら危うい言葉を聞く翼と香澄。
そんなこんなでプラモ狂四郎に泊まり込むことにしたガンダムボーイ。
バトルフィールドの部屋の前で張り込みをしながら・・・
「大丈夫翼?相手ゴーストだよ?もしもの時があったらどうするの?・・・私妖怪は好きだけどゴーストはちょっと苦手」
いざ実行に移すとなると少し不安になる香澄。
すると翼が
「・・・ちょっと・・・言い出しっぺなのにそれはナシよ・・・いざとなったら結界コントローラーで変身すればいいって・・・それに万が一何かあったら仮面ライダーとウルトラマンが居るしキャピトラに出入りしてた宇宙人の皆さんだって居るから解決策くらいあるっしょ」
「なるほど」
バックアップは十分といった感じにゴーストを見るべくバトルフィールドに居座るのだった。
「んじゃ皆電気消すからな~」
「「「はぁ~い」」」
消灯する狂四郎。
すると真っ暗になるプラモ狂四郎。
「・・・夜のお店って・・・不気味だな」
「んまぁ・・・幽霊はともかく不審者が出る可能性もあるからな・・・ま・・・この店の場合大丈夫だろうけど」
新之助が指をさすと何やら凄ーい装置があり、持っていた端末で装置の実用映像を見せると不審者のダミー人形を近づけてみると・・・
『##########!!!』
何やら警報が鳴り響き変形し不審者を容赦なく撃退するのであった。
「前に来た楓さんが作ってくれた警備ロボットだって・・・んでユアさんが改良を加えまくってえげつな~~い撃退法をするんだって」
「「・・・・・・・・」」
そっちの方が恐ろしくなる翼と香澄。
その時
『ば・・・・・る』
「ん?香澄・・・何か言った?」
「え?私じゃないよ」
『・ば・・と・・・・る・・・』
「ん?新之助?」
「俺じゃない」
『ばとる』
はっきり聞こえ始めてきた時、バトルフィールドを見ると勝手に起動していたのだ。
三人は恐る恐る周囲を見るとバトルフィールドの光と共に映し出される少年の姿が・・・
「こいつが・・・ゴースト?」
「まじ?」
先程キャピトラでインパクトの強い宇宙人たちを見たせいかあまり驚かない翼と香澄。
するとゴーストは
『バトル・・・したい・・・バトルしたい・・・あの時できなかった最高のバトル!!』
その言葉で理解をするガンダムボーイ。
幽霊とは思い残したことがある者、彼の場合は最高のバトルをしたかったが志半ばで亡くなってしまった。
「詳しいことは分かんないけどそんな所か?」
「やりたかった事がやりきれなかった事って悔しいよな・・・けどバトルには勝ってるのにな・・・相手ゴーストだし」
すると翼の脳裏にある言葉が・・・
(・・・悪さしなければ別にどうでも良いし)
(・・・旨味を出し切った副賞でしかないのだ)
キャピトラでの畢の言葉。
己と異なる者達が和気あいあいとお互いを理解していたあの空間。捨てちゃう部分の材料の旨味を出し切ったあのスープ。
そしてゴーストの言葉
翼は決意する!!
「だったら・・・受けて立ってやる!」
『だな!行くぜ!』
翼と烈斗がバトルフィールドに立ちGPベースをセットした。
「ちょっと待って!相手ゴーストだよ!?」
「知ったこっちゃねえ!・・・こいつは・・・マジのガンプラバトルがやりたくてしょうがねえんだ・・・勝ち負けじゃない・・・所詮勝ち負けは精一杯戦い抜いたことの副賞でしかないんだ・・・本当にやらなきゃいけないのは最後の最後までやり抜くことだ!!」
『へっ!その心意気・・・応えてやらなきゃな!!』
やる気満々の翼と烈斗に香澄と新之助はやれやれといった具合に見守ることにした。
「天地翼!武者烈斗頑駄無!天地大河スペシャル!!」
『おっしゃああ!!試合だ試合!!』
己の顔面引っ叩いて気合を入れる烈斗とコンソールを強く握る翼。
「ガンダムボーイ!今日は一人だけど!出陣!!」
『おっしゃあああああああああああ!!!』
カタパルトから発射されてバトルフィールドに降り立つ烈斗。フィールドは薄暗い洋館のような場所・・・さながらゴーストハウスのようなフィールドだった。
「流石ゴースト・・・ちょっと不気味なフィールドだ」
『ああ・・・ちょっと寒気がするな』
実際のフィールドに立つ烈斗は不気味さを感じ取りながら辺りを見回すと妖しい炎が浮かび上がった。
妖しい炎・・・人魂が烈斗の周囲を駆け巡ると人魂は収束していき人型に形成されていく。
『なんだありゃ・・・?』
「・・・G(ガンダム)ゴースト」
人魂から形成されたガンプラ・・・クロスボーンガンダムを主体とした有機物と無機物を合わせたようなハイブリッドな容姿。
「ゴーストなのに生きてるみたいだな」
『あのガンプラ・・・やっぱりなあいつも戦いたいのか・・・良いぜ!俺が相手になってやる!!』
菊一文字を抜刀しGゴーストに斬りかかる烈斗。だがGゴーストもビームザンバーを抜き烈斗を受け流すと追撃の一閃を浴びせるが烈斗はSD形態の小回りの良さを利用し回避する。
「なんだあいつ?」
『翼・・・こいつ相当強いぜ・・・しっかり根性入れて行かねえとやべえぞ』
烈斗の言葉に翼は構え直すがGゴーストはクロスボーンの特性を活かした接近戦で烈斗を徐々に追い詰めていく。
烈斗がGゴーストに斬りかかるが粒子化のような回避を披露し烈斗の背後に回るが烈斗か刀を持ち直しそのままの体制で背後のGゴーストを突いた。
Gゴーストはビームザンバーで受け流しがカウンター攻撃だった為か正確には受けきれずに吹き飛ばされてしまいフィールドの壁に激突した。
だがGゴーストは体勢を立て直し烈斗に向かってビームザンバーを構え直した
(こいつ・・・強い・・・これだけ強いのに・・・だからやり残したんだ・・・)
Gゴーストの気持ちが伝わってくる翼。
そして!
「だったらその思い!!全力で受け止めてやらぁ!!いくぞ烈斗!」
『おう!』
『「天来変幻!!」』
翼と烈斗の瞳が燃え上がると烈斗の力が解放される。
『「武者烈斗頑駄無!金剛形態!!」』
烈斗が真の力を解放したのを見たGゴーストは自身もセーフティを解除し真の力を解き放つ。
「おい!ゴースト!」
『?』
「お前・・・名前は?」
『???』
「ファイターなら・・・名乗れ!」
『加賀美・・・幽樹・・・』
「俺は!天地翼!」
『俺は武者烈斗頑駄無!!』
名乗りを上げた翼は菊一文字を構え鳳凰のようにオーラを放ちゴースト・・・いや幽樹も無数のドクロのオーラを放つ。
『「烈火!鳳凰ぉぉぉ斬!!!」』
法王と化した烈斗の必殺技が放たれ・・・
『シャーマニック!スカル!!』
無数のドクロのオーラと共にビームザンバーを構えた幽樹の必殺技が放たれた。
お互いの全力・・・必殺技がぶつかり合い凄まじい衝撃が巻き起こり洋館を飲み込んだ!!
崩れ落ちた洋館の跡地に佇む烈斗とGゴーストの姿が・・・
『いい・・・勝負だった・・・悔いはないよ・・・ありがとう』
幽樹のその言葉と共にGゴーストは粒子となって消えた。
そして
〈BATTLE END〉
バトルの終了が宣言されバトルフィールドが機能を停止した。
それを見た全員は察した。
「あいつ・・・成仏したのかな?」
『さぁ・・・少なくとも全力でやりあったよな?』
烈斗の言葉に香澄と新之助もウンウンと頷いた。
これにて一件落着
という訳にはいかなかった。
ある夜ユアによってプラモ狂四郎に呼び出された翼達。
「あれ?ユアさんどうしたの?」
「みんな・・・どうしてくれるのこれ?」
ユアがバトルフィールドを指さすとそこには、すごーーーーーい数のゴーストファイターの姿が・・・
ユアの話によるとある夜プラモを制作しようと材料を持って来ようとすると不自然に起動しているバトルフィールドが・・・するとゴーストファイターの姿が理由を聞いてみると・・・
「みんながね・・・幽樹君から聞いて最高の勝負をしたいからって幽霊に対して免疫が着いた皆の所に来たんだって・・・私も勝負してみたけど流石に一人じゃ大変だよ・・・」
笑顔のユア・・・だがその顔は笑っていない。
成仏したはずの幽樹も申し訳なさそうに翼達を見ている。
そして
「みんな・・・しばらくゴーストファイターと勝負してもらうからね下手なCOMより良い特訓になると思うし~♪」
「「「ええええええ!!?」」」
流石に絶叫するガンダムボーイたち。
それを見かねた狂四郎がポスターを貼った。
「ゴーストファイターと勝負!彼らと最高のバトルをしよう!!」
と書かれていたのであった。
後書き
翼
「いや~今回は色々なことがあったなぁ・・・ん?光也?久しぶりじゃないか・・・ん?誰?その金髪少女・・・え?おふらんすの人でチームメイト・・・監督はミツキさん!?・・・ちょっとおふらんす少女!レイピア抜くな!香澄助けて
次回!忍者対騎士
えぇ・・・何でそんなに強いの?」
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