レインボーロケット団襲来!〜愛の女神ルリと平和の女神リーリエ〜
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メイVSフラダリ
2階東側の探索を続けるメイ、キョウヘイ、Nは侵入を阻むしたっぱ達を退け先へ先へと進んでいた。そしてついにボスの一人が待ち構えている部屋にたどり着く。
「奥の部屋の男に大きいスイッチを運ばされたがいったい何に使うんだろうか?」
「ニャースに見つかったら入り口に戻るのどうしてなの?」
レインボーロケット団のボスの1人の部屋を守っているしたっぱ達がこう言い残す。メイ、キョウヘイ、Nはこの部屋に入っていった。
「侵入者とは君達の事か」
獅子のような燃えるオレンジ色の髪の男がメイ、キョウヘイ、Nに気付く。メイは獅子のような燃えるオレンジ色の髪の男に問い返す。
「あなたは誰?」
「私はフラダリ。フレア団以外の愚かな人々を滅ぼすため最終兵器を起動させたまさにその時……!まばゆい光に包まれ、こちらの世界に迷いこんだ。だが私のなすべき事はどこにいても変わらない、争わず奪い合わずに美しく生きていくためには……!」
「人々を滅ぼした……、ですって?」
フラダリが異世界で成し遂げたテロリスト同然の行動にメイは身震いを隠せない。メイのその様子を見てフラダリはメイに問う。
「私の後ろに赤と青、二つのスイッチがある。一つは君達が先へと進むためのスイッチ……、もう一つは世界を終わらせる最終兵器の起動スイッチ。さあ、スイッチを押すのだ。私にとって選ばれし者とは未来を変える可能性を持つ者!最終兵器を起動させてしまうのか……、それとも封じこめておくのか、君の可能性を試すよ」
フラダリはメイに先へと進むためのスイッチか世界を終わらせる最終兵器の起動スイッチのどちらかを押すように迫る。
(どちらか片方のスイッチはルリちゃんとリーリエちゃんが捕らえられている部屋の仕掛けを解除するスイッチだけど、もう一つのスイッチはこの世界を終わらせるスイッチという事なの……?)
メイはキョウヘイとNに相談し、赤のスイッチを押す事に決めた。すると……。
「残念ながら君は選ばれし者ではない!君達は君達自身の手で守るべき人、守るべき世界を破壊する……、だが最終兵器が動くまでまだ時間がある。それまでにもう一つの青のスイッチを押せば解除できる……、もちろん私はそれを拒む。少し足止めさせてもらうよ」
なんとメイが押した赤のスイッチは世界を終わらせる最終兵器のスイッチだった。
「あたしもキョウヘイ君もNさんも元から選ばれし者なんかじゃない!勝手に決めないで!」
メイはフラダリに啖呵を切り、フラダリに詰め寄る。
「君達の未来と私の未来……、どちらが正しいのかお互いのポケモンに聞くとしよう」
フレア団のフラダリが勝負をしかけてきた!
「ゆけ、コジョンド」
「いってきて!ヒヒダルマ!」
フラダリはコジョンドを、メイはヒヒダルマを繰り出す。
「コジョンド、ねこだましだ」
「コジョ!」
コジョンドのねこだましによりヒヒダルマは怯んで動けなくなってしまう。
「ならヒヒダルマ!はらだいこよ!」
はらだいこは自分のHPを最大HPの半分の値ぶん減らす代わりに、こうげきを最大まで上げる技だ。
「そこからフレアドライブ!」
はらだいこで攻撃を最大まで上げてからの炎タイプの大技、フレアドライブがコジョンドに炸裂する。ヒヒダルマ自身のタイプとフレアドライブの技タイプが一致している事もあり、コジョンドは耐えられずに倒れてしまうもヒヒダルマもはらだいこで減らしたHPとフレアドライブの反動ダメージに耐えられず倒れてしまう。
「ヒヒダルマ、よくやったわ。次はズルズキンよ!」
「ズルズル〜!」
「私の次はこいつだ。ゆけ、カエンジシ」
「エンジシ〜!」
メイはズルズキンを、フラダリはカエンジシを繰り出す。
「ズルズキン、もろはのずつき!」
「カエンジシ、おにびだ」
ズルズキンのもろはのずつきがカエンジシにヒットするもカエンジシのおにびがズルズキンに命中し、ズルズキンはやけど状態になってしまう。やけど状態になるとこうげきが下がり物理攻撃を得意とするズルズキンにはそれだけで致命傷となる。だが……。
「ズルズキン、特性の「だっぴ」でやけどを治して!」
ズルズキンの特性「だっぴ」の効果でズルズキンのやけどは綺麗さっぱりなくなった。
「もう一度もろはのずつきよ!」
岩タイプの技、もろはのずつきは炎タイプのカエンジシにこうかはばつぐんだ。カエンジシは耐えられず倒れてしまう。
「戻れカエンジシ。次はお前だ、ドンカラス、ねっぷう」
「ドンカラァー!」
ドンカラスのねっぷうがズルズキンにヒットし先ほどのもろはのずつき2回分の反動ダメージが蓄積していた事もあり、ズルズキンは倒れる。
「頑張ったね、ズルズキン。次はジャローダよ!」
「ジャロッ!」
メイの三番手、ジャローダは草タイプ。悪・飛行タイプのドンカラスには不利なはずだが……。
「ドンカラス、ねっぷう!」
「ジャローダ、ドラゴンテールよ!」
ジャローダはドンカラスのねっぷうをくらってしまうもドラゴンテールでドンカラスを強制的に戻し、カロス地方の生命を司る伝説のポケモンゼルネアスが戦闘に引きずりだされる。
「イクシャア!!」
「こ、これがカロス地方の伝説のポケモン、ゼルネアスなのね……」
メイはゼルネアスのあまりの神々しさに思わず見とれてしまう。
「ゼルネアス、ジオコントロールだ」
フラダリはゼルネアスにジオコントロールを指示する。この技は1ターン目に力をためて2ターン目で自身のとくこう、とくぼう、すばやさを2段階上げる技だ。
「ジャローダ、どくどく!」
ジャローダはゼルネアスが力をためている間にもうどくで弱らせる作戦に出る。
「ゼルネアス、ムーンフォースだ!」
ゼルネアスの特性「フェアリーオーラ」とジオコントロールのとくこう2段階上昇からのゼルネアスのムーンフォースがジャローダを貫き、ジャローダは倒れる。
「お疲れ様ジャローダ、ゆっくり休んでね」
メイはジャローダをボールに戻し、プレシャスボールを手に取る。
「お願い、ゲノセクト!」
「ゲノセクトだって!?」
メイが繰り出したポケモン、ゲノセクトにNは驚きを隠せない。それもそのはずだ、何故ならばゲノセクトはプラズマ団がカセキから復活させ、科学の力によってパワーアップさせた改造ポケモンでかつてプラズマ団の王であったNが嫌ったポケモンだったからだ。
「ゲノセクト、アイアンヘッドよ!」
ゲノセクトのアイアンヘッドがゼルネアスにきゅうしょにあたりさらに技のタイプが鋼タイプという事もあり、フェアリータイプのゼルネアスにはこうかはばつぐんだ。ジャローダが放ったどくどくによるもうどくのダメージも蓄積していたゼルネアスは戦闘不能となる。
「生命を司る伝説のポケモン、ゼルネアスが倒されるとは……くっ、もう一度行け!ドンカラス!」
フラダリはカロス地方の生命を司る伝説のポケモンゼルネアスが倒された事に動揺し、先ほどジャローダのドラゴンテールでボールに戻されたドンカラスをもう一度繰り出す。
「ドンカラス、ねっぷうだ!」
「ゲノセクト、10まんボルト!」
ドンカラスのねっぷうが虫・鋼タイプのゲノセクトに致命的なダメージを与えるも、ゲノセクトの10まんボルトでドンカラスは戦闘不能となる。
「戻れドンカラス!次はこいつだ、ギャラドス!」
フラダリの最後のポケモンはギャラドスだ。フラダリはギャラドスに向かって宝石のような小さな石をはめた腕輪を掲げる。
「進化を超える進化……、メガシンカ!!」
フラダリがそう叫んだ瞬間、ギャラドスは別の姿へとその身を変える。
「メガシンカですって!?」
メイはギャラドスがメガシンカした事に驚きを隠せない。
「メガギャラドス!たきのぼりだ」
メガギャラドスのたきのぼりによって、先ほどのドンカラスのねっぷうのダメージが蓄積していたゲノセクトは倒れてしまう。
「ゲノセクト、よく頑張ったね」
メイはゲノセクトをボールに戻し、フラダリを見据える。
「いってきて!ヤミラミ!」
メイの次のポケモンはヤミラミ。このヤミラミはポケドルのテンマことテツとのポケモン交換で貰ったヤミラミだ。
「メガシンカならあたしも使えるのよね!ヤミラミ、いくわよ!」
「ヤミィ〜!」
メイは先ほどフラダリがギャラドスにしたのと同じように、宝石のような小さな石をはめた腕輪をヤミラミに掲げる。
「進化を超える進化……、メガシンカ!!」
メイがそう叫ぶとヤミラミの胸の宝石が大きくなりヤミラミの盾となる。
「君もメガシンカを扱えるとは……!……くっ、メガギャラドス!かみくだくだ!」
「メガヤミラミ、あやしいひかりよ!」
メガギャラドスのかみくだくをメガヤミラミは持っている大きな宝石で防ぎ、メガギャラドスにあやしいひかりを放ちメガギャラドスはこんらんする。
「メガギャラドス!しっかりしろ!」
メガギャラドスはフラダリの呼び掛けが聞こえず、わけもわからず自分を攻撃してしまう。
「今よメガヤミラミ!マジカルシャイン!」
メガヤミラミのマジカルシャインが水・悪タイプのメガギャラドスにこうかばつぐんのダメージを与え、メガギャラドスが戦闘不能となりこのバトル、メイの勝利だ。
「君の心の奥底で燃える、信念の炎……!」
「ふぅ……、手強かったぁ……」
「メイちゃん、凄い戦いだったよ!」
キョウヘイがメイに駆け寄りメイを労いメイのポケモン達を治療する中、Nがメイに何かを言いたそうにしているもメイはフラダリを見据え、こう言う。
「あたしの勝ちよ!青のスイッチを押させてもらうわ!」
「守る強さか……、か……、分かった。青のスイッチを押すがいい」
メイが青のスイッチを押した事で最終兵器が止まり、ルリとリーリエが捕らえられている部屋の仕掛けが解除された。
「……最終兵器は止まり、君達の世界は守られた。そして君達は……、また一歩、先へ進んだのだ。メイ、君のようなトレーナーがいれば私は別の道を進めたのだろうか……」
「フレア団のフラダリ、キミの身柄を確保させてもらうよ」
Nがフラダリの身柄を確保し、メイに問う。
「メイ……、キミが持っているポケモン、ゲノセクトはプラズマ団がカセキから復活させ、科学力で改造した改造ポケモン。すなわちポケモンという存在を科学で傷つけたポケモンなんだ。そんなポケモンをなぜキミのようなトレーナーが……」
Nはメイがかつてプラズマ団が科学力で改造したポケモンであるゲノセクトを所持している事に疑問を隠せない。
「確かにNさんの言う通りゲノセクトは科学の力で作られた改造ポケモンだわ。Nさんがポケモンという存在を科学で傷つけたポケモンと思っても仕方ないかもしれない……。だけどゲノセクトはポケモンである事に変わりはないし、あたしは作られた命だからといって人やポケモンと仲良くしちゃいけないという事はないと思う。だからあたしはゲノセクトに外の広い世界を見せてあげたくてP2ラボから連れ出したの」
メイの言葉にNははっとする。Nはゲノセクトが科学の力で作られた改造ポケモンでポケモンという存在を科学で傷つけたポケモンだからトウヤとの出会いでポケモンは人といると不幸になるだけだという考えを改めてからも人間やポケモンと仲良くしてはいけないと思っていた。だが作られた命でもポケモンである事に変わりはないし科学によって作られたポケモンが人間やポケモンと仲良くしていけないはずはないのだ。
「メイちゃんがゲノセクトを連れ出したばかりの頃はゲノセクトがメイちゃんのいうことを聞いてくれなくてメイちゃんもゲノセクトに怪我させられてばかりだったけど、今ではすっかりゲノセクトはメイちゃんが大好きだからね!」
メイとゲノセクトの事情をよく知るキョウヘイがそう言う。キョウヘイのその言葉でNはゲノセクトに対する認識を改め、優しい眼差しでメイに言う。
「メイ、ゲノセクトを幸せにしてやってくれ、そしてゲノセクトに広い世界を見せてくれ」
「はい!」
Nが正式にプラズマ団の科学力で作られた命であるゲノセクトをメイに託し、三人はフラダリの部屋を後にした───
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