転生とらぶる
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機動戦士ガンダム
2131話
激しく、熱い夜をすごした翌日。
いつものように少し遅い朝食を終えると、それぞれが仕事に戻っていく。
……うん、昨夜一段と激しく責められたシェリルは魔法球で休んでから仕事に行くって言ってたが、時間的に大丈夫なんだろうか。
そんな風に思いつつ、俺はレモンとマリューの2人と共に魔法球の中にある寝室に向かったシェリルを見送ると、そのままニーズヘッグが置かれている場所に向かう。
途中で指紋や網膜、音声、それ以外にも幾つかのパスワードを入力するという、極めて重度なセキュリティを潜り抜けていく。
ニーズヘッグは、シャドウミラーのフラッグシップにして象徴たる存在だ。
そうである以上、改修している場所のセキュリティが厳しくなるのは当然だろう。
そうして入った部屋の大きさは、特機くらいであれば余裕で入るくらいの大きさだ。
いやまぁ、実際に特機とかを改修する時に使う事も考えて作っているのだろう。
以前はもっと警備が緩かったりもしたのだが……いや、これは単純にニーズヘッグだからこそ、の話か。
そもそも、魔法球の事を知っている者がそこまで多くはない。
ネギま世界の人間なら、魔法球というマジックアイテムの存在は知っているのかもしれないが……それがホワイトスターに設置されているというのは、知られていない筈だった。
まぁ、知られてはいないが、予想くらいはしていてもおかしくないけど。
ともあれ、その部屋の中ではバッタやメギロート、量産型W、技術班の面々……といったように、色々な者達が動き回って作業をしている。
そうして作業をしている場所の中心には、バリオン創出ヘイロウやエナジーウィング、ヒュドラといった外部パーツが外され、装甲の部分も外されているニーズヘッグの姿があった。
こうした光景を見ると、やっぱりニーズヘッグも人型機動兵器なんだという思いが湧いてくる。
いや、当然その辺りは分かっているのだが、どうしてもそんな風に感じてしまうのだ。
「あ、レモン様。マリューさんに……アクセル隊長!? あれ? アクセル隊長って、今UC世界に行ってるって聞いたんだけど……何でここに?」
技術班の1人が、唖然とした表情を浮かべながら俺にそう尋ねてくる。
魔法球の中に籠もりっぱなしなら、俺がホワイトスターに戻ってきたのを知らなくてもおかしくはないか。
「ちょっと用事があってな。……それで、ニーズヘッグの様子はどうだ?」
質問を軽く流してから尋ねるが、それに返ってきたのは首を横に振るという行為のみ。
どうやら、本当に色々と駄目だったらしい。
「となると、やっぱり俺がやってみるしかないか」
「そうね。……ただ、ちょっと待ってて。私達がいなかった間の報告を聞くから」
「ああ、分かった。俺はちょっとニーズヘッグを見ている」
レモンとマリューが技術班の面々と話をしているのを見ながら、俺はニーズヘッグに近づいていく。
こうして近くで見ると、やはりニーズヘッグはニーズヘッグという存在なのだと認識出来る。
人型機動兵器にして、宝具にして……俺の相棒。
バリオン創出ヘイロウやエナジーウィング、ヒュドラなんかの外部パーツを外しているので、いつものように一見して分かるようなラスボス感はない。
だがそれでも、やはりこうして近くに来てみれば、何とも言えない迫力を感じるのは……きっと、俺の気のせいではないだろう。
すると、ニーズヘッグが俺と同意見だと言いたげに微かに身体の部分が鈍く光ったように感じられる。
それが俺の気のせいだったのか、これまでの経験からニーズヘッグに意思のようなものがあり、それが表れたのか……それは、俺にも分からない。
とはいえ、それも一瞬。
次の瞬間には、俺の前にあるニーズヘッグはいつも通りのニーズヘッグだった。
そうして少しの間ニーズヘッグを見ていると、やがて引き継ぎが終わったのだろう。レモンとマリューの2人がこっちに近づいてくる。
「どうしたの? ニーズヘッグをじっと見て」
「いや、こうして装甲とかがない、素の状態のニーズヘッグを見るのは、そう言えば初めてだったなと思って」
「あら、そう?」
レモンが俺の言葉に少し首を傾げるが、それでもすぐにニーズヘッグに視線を向ける。
「取りあえず、今の状況は分かったわ。……早速尻尾を付けてみるから、コックピットに乗ってくれる?」
「いきなりだな。何か説明したりとか、そういうのはないのか?」
「残念ながらね。そもそもの話、アクセルの魔力でどうにかなるかもしれないというのは、あくまでも私の予想にすぎないわ。何をどう準備すればいいのか分からない以上、こちらとしては取りあえずやってみてから、次にどうするべきかというのを考えるしかないのよ」
そう言われれば、俺もその言葉は否定出来ない。
そもそもの話、宝具と化したニーズヘッグが色々な意味で異常な訳で……それを試行錯誤するのは、必須なのだろう。
今回の尻尾はともかく、これから同じような事をしようとした場合、また今回と同じ問題が起きる可能性も高い。
その辺は、出来ればどうにかしておきたいところだが……いや、とにかく今は、尻尾を付ける方が先か。
「じゃあ、まず乗ってみて」
「……いきなりだな」
元々そのつもりだったのだから、レモンの行動に文句はないのだが、それでもいきなり機体に乗れと言われるとは思わなかった。
ともあれ、尻尾の接続については俺も何も不服はないので、そのまま空を飛んでコックピットに乗り込む。
今はメンテナンス状態だからか、いつものように俺という個人を認識する行為……網膜や念動力を使った各種チェックの類はせず、そのまま機体を起動させる。
そんな状況ではあっても、ニーズヘッグは俺という存在をしっかりと認識したのが分かった……ような気がした。
いやまぁ、あくまでもそういう気がしたというだけで、明確にニーズヘッグに何らかの意識があった訳ではないのだが。
ともあれ、そんな風にしながら機体を起動させたところで、レモンが声を掛けてくる。
「じゃあ、いい? 早速尻尾を接続してみるわよ。アクセルは魔力でそれを受け入れるようにしてみてちょうだい。ただし、何か違和感があったらすぐに教えてね」
レモンの声が聞こえてくるのは、いつものようにコックピット越しという訳ではなく、コックピットにある隙間からの声だ。
まぁ、装甲とかも外してフレームとかケーブルが剥き出しになっている状況なんだから、そういう風に聞こえるのは当然なのだろう。
「分かった」
俺が答えると、早速レモンは周辺の機器やメギロートを使って、尻尾をニーズヘッグに尻と腰の中間くらいの場所に接続しようとする。
だが……次の瞬間、ピーというエラー音が響く。
接続はしたが、ニーズヘッグ自身が尻尾を全く認識していない、そんな状況。
「……アクセルがいても、駄目なのね」
「ちょっと待った」
残念そうに呟いたレモンの言葉に、そう返す。
ふと、今の状況で自分が出来る事があると、そう理解した為だ。
それは、先程考えた事……これから外部パーツを追加する時に対して、どうやってニーズヘッグに認識させるかの、答えにもなるだろう行動。
ニーズヘッグのコックピットにいた俺は、不思議とそれを理解したのだ。
セイラと接した時に感じたどこか別の空間にいた時と、若干似た感覚。
恐らくセイラのニュータイプとしての覚醒に俺が引っ張られたあの妙な空間での経験がなければ、分からなかっただろう行動。
俺は、自然とニーズヘッグに魔力を流していた。
それこそ、ゲイ・ボルグを使う時に魔力を込める時のような……それでいて微妙に違う、似て非なる感覚。
すると、俺の魔力が自然とニーズヘッグに流れていき、それこそまるで人間に血が流れているかのように、魔力がニーズヘッグの体内を循環する。
体内……いや、機体内と表現した方がいいのか? だが、魔力を流している俺にしてみれば、今のニーズヘッグは自分の体内に等しい。
そしてニーズヘッグの体内を魔力が循環しているという事は、ニーズヘッグの尾についてもそれは同様だ。
最初は魔力に対する抵抗があったが、時間が経つに連れて魔力は尾にもきちんと流れていき……そして、気が付けばニーズヘッグのコックピットではしっかりと尾の存在を認識していた。
それこそ、つい先程までニーズヘッグが尾を認識しなかったのは、不思議な程にすんなりと。
「……アクセル、何をしたの?」
レモンの、信じられないといった疑問。
まぁ、レモンにとっては自分達の今までの苦労は何だったのかと言いたくなるような光景だったのだから、そうなってもおかしくはないか。
「ニーズヘッグが魔力を宿しているのは分かるだろ? それに関連してか、俺の魔力を吸収して、それによって尾を認識したみたいだ」
そう言いながらステータスを確認すると、現在のSPが最大値の半分近くまで減っている。
勿論SPブーストの中にあるSP回復の効果で回復しており、そう遠くないうちに最大値まで回復はするだろうが。
にしても……セイラとの体験がなかったら、多分尻尾を認識する事は出来なかったな。
それを考えただけでも、UC世界に行った甲斐はあったというものだ。
「そんな事って……じゃあ、私達が今までやって来たのは意味がなかったの?」
気怠げな様子でレモンが呟く。
まぁ、機械的な意味では問題なく、結局のところニーズヘッグが宝具と化した時に持っていなかった尻尾を認識出来ていなかった……と、それが一番大きいんだろうから、レモン達のこれまでの行動はあまり意味がなかったのは間違いない。
とはいえ、全ての行動が全く意味がなかったとは、俺にも思えない。
今回は意味がなかったが、これからニーズヘッグを整備したり改修したりする上で、今回の経験が重要なものになるのは間違いないのだから。
そう告げると、レモンは若干気を取り直した様子で、俺に視線を向けてくる。
「アクセルが言いたい事は分かってるわよ。けど、これまでの労力を思うとね。……いいわ。取りあえず尾をニーズヘッグが認識してくれたのなら、こちらとしては問題ないもの。後は、色々とシステムとかをチェックする必要があるから、一旦コックピットから降りてくれる?」
「ああ。……って、ちょっと待った」
レモンの言葉に従ってコックピットから降りようとしたのだが、その瞬間にニーズヘッグを循環している魔力が……そう、歪んだ。
それを察知し、俺はすぐにコックピットに戻る。
「駄目だ。今はニーズヘッグが俺の魔力を使って循環させているっぽい」
「……循環?」
一瞬俺の言葉の意味が分からないといった様子のレモンだったが、それでも長年シャドウミラーという、色々な意味で規格外の組織に所属してきただけに、臨機応変に対応が可能だった。
「分かったわ。いえ、正確には分からないけど、アクセルはまだコックピットから降りない方がいいのね? なら、そのままでもいいわ。……そうなると、尻尾の方もまだ調べない方がいいの?」
「そうだな、出来ればそうしてくれると助かる。多分大丈夫だと思うけど、念の為に」
その言葉にレモンが頷き……
「はい、そこ。何をしてるのかしら。アクセルが駄目って言ったでしょう?」
「ああっ! ちょっ、マリューさん! そんな!」
……うん。触らない方がいいと俺がレモンに言ったのに、それを聞いていながらもデータ取りをしたかった技術班の1人が、マリューによって鎮圧されていた。
何気に、マリューってシャドウミラーの中でも生身での戦いは上位に位置する実力者なんだよな。
いやまぁ、魔力とか気を知る前から、高い身体能力を持っていたから、当然かもしれないけど。
ともあれ、抜け駆けしようとした男はマリューに取り押さえられ、それを見ていた他の者達もそれぞれ動きを止めて、レモンからの指示を待つ。
「取りあえず、アクセルがいいって言うまでは外から見ておきなさい。……外からの観察でも、色々と分かる事はあるでしょ」
そんなレモンの指示を聞きつつ、俺は次第に機体に尻尾が馴染んでいくのを感じる。
そうして30分……いや、もう少しか? くらいの時間が経つと、そこでようやく俺はニーズヘッグが尻尾をしっかりと認識したと判断した。
「もう大丈夫だぞ。それで、これからどうする?」
「悪いんだけど、まずは私達の方で色々とデータを取らせて貰うわ。それから装甲や他のパーツを付けたりして……少なくても今日尻尾を動かして確認してみるってのは、ちょっと難しいでしょうね」
レモンの言葉に、少しだけ残念な思いはしたが……ニーズヘッグの現在の状況を考えれば、俺はそれに頷くしかなかった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:235
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1987
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.11
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1435
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