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空に星が輝く様に

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324部分:第二十四話 過ちその八


第二十四話 過ちその八

「わかったわね、それで」
「その言葉忘れるなよ」
 堀内は星華の言葉を受けて言い返した。
「いいな、絶対にだぞ」
「わかってるわよ」
 また言ってしまった。
「それじゃあ一時間後ね」
「ああ」
「その時倉庫でね」
「行くからな、その時にな」
 こう言い捨ててだった。堀内は何処かに行ってしまった。そして後に残ったのは四人だけだった。橋口がここで星華に言ったのだ。
「あの、今のって」
「今のって?」
「倉庫って言ったわよね」
 眉を暗くさせながら星華に言うのだった。
「確かに」
「そうよ、言ったわ」
「いいの?それって」
「そうよね」
 州脇と野上もここで言った。
「あの、そこにいるのって」
「あの二人だけれど」
「いいじゃない、どうなってしまえばいいのよ」
 完全に我を失ってしまっていた。それが今の星華だった。
「あんな連中」
「まあ西堀とあのチビだしね」
「あんな連中どうなってもいいか」
「それにね。あいつ等強いし」
「そうよね」
 彼女達もだ。知らず知らずのうちに自己弁護を行っていた。
 そうしてだ。星華のその言葉に頷いたのだった。
「じゃあ」
「いいか」
「そうね。あんな奴だし」
「それだったらね」
「どうなっても」 
 逃げていた。自分自身から。だが自分では気付かないことだった。
 そうしてだった。彼女達はそそくさと逃げるようにして言い合った。
「ねえ星華ちゃん」
「行こう」
「そうしよう」
 その星華に対して話す。
「それでね。今からね」
「私達の作業にかかろうよ」
「そうしよう」
「そ、そうね」
 星華もだ。隠した顔で三人の言葉に頷いた。
 そうしてだ。彼女も三人に話した。
「じゃあ教室片付けてね」
「うん、それしないとね」
「早くしようよ」
「今からしないと間に合わないわよ」
「そうよね。それじゃあ」
 四人共そそくさと立ち去ったのだった。
 その倉庫では今は月美だけだった。暫く一人で倉庫の整理を行っていた。
 几帳面な彼女らしくゆっくりとだが的確に整理を進めていた。そのせいか倉庫は確実にまとまってきていた。
 倉庫の中は暗くそのうえ密室になっている。三方が色々なもので埋まっている。そしてあちこち埃だらけだ。その中で作業をしているのだ。
 その倉庫にだ。誰かが来た。
「愛ちゃん?」
 月美は椎名だと思いそうして扉の方を見た。しかしそこには。
「あれっ、あの連中いねえな」
「えっ・・・・・・」
 椎名ではなかった。堀内だった。彼が目つきの悪い顔で入って来たのだ。月美はそれまで扉に背を向けてしゃがみ込んでいた。しかし彼を見てすぐに立ち上がりだ。身体全体を彼に向けたのだった。
 そしてそのうえでだ。彼は言うのだった。
「その代わりに何だよこいつは」
「あの、貴方誰ですか?」
「ふうん、胸はでけえし」
 まずは月美のその大きな胸を見てだった。
「しかも脚は奇麗だし顔もいいし」
「だから誰なんですか?」
「いいじゃねえか。二人きりだしな」
「二人きりって」
「手前に相手してもらうか」
「相手・・・・・・」
 その言葉と言葉を発する表情に本能的に身構えた。
 
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