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おぢばにおかえり

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第四十四話 二人でお外に出てその三十九

「何時でもいいわよ」
「じゃあお言葉に甘えまして」
「そう、ただね」
「ただ?」
「私充分に案内出来ていたかしら」
 このことが少し不安になりました。
「そう出来ていたらいいけれど」
「最高でしたよ」
「そうだったの?」
「はい、今日は最高の一日でした」
「だったらいいけれど」
「また宜しくお願いしますね」
「何をお願いするのっていうのは」
 私も言ってすぐに気付きました。
「こうした案内をよね」
「おぢばでも」
「おぢばはもう知ってるでしょ」
「知らないところなんかを」
 是非にという口調での言葉でした。
「また」
「仕方ないわね、じゃあおぢばでもね」
「宜しくお願いしますね」
「夏休みが終わったら私忙しいけれど」
 受験で、です。いよいよ天理大学の推薦入試です、その受験の時が近付いているのです。
「何とか合格してね」
「そうしたら時間も出来ますね」
「その時にまたね」
「はい、色々と案内とかお願いします」
「こちらこそ」
 私はにこりと笑って阿波野君に応えました、そのうえで今は別れました。そして夏休みは受験に備えて猛勉強でした。


第四十四話   完


                2017・6・24 
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