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空に星が輝く様に

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220部分:第十六話 深まっていく疑惑その六


第十六話 深まっていく疑惑その六

「絶対に」
「絶対にか」
「人選は決まったし士気を鼓舞する応援も決まったから」
 そのどちらもだという。見事に決まったというのだ。
 そうしてだ。椎名はここで自分が食べているうどんをすすった。二人は今学校の食堂で話している。そこでのやり取りであるのだ。
「それと」
「まだあるのかよ」
「運動会の時は食べ物も用意するから」
「それもかよ」
「そう。おうどん」
 言うのはそれだった。
「おうどんも用意するから」
「うどんか!?」
「おうどんは力がつく」
 まずはそれが理由だった。
「腹もちもいいし身体もあっためるから」
「だからいいっていうのか」
「冬に食べるのが一番だけれど秋に食べてもいい」
「それでうどんか」
「しかも力うどん」
 見ればだ。椎名は今その力うどんを食べていた。うどんの上に大きな焼いた餅が二個ある。それもまた実に美味そうであった。
「美味しい」
「美味しいのは確かだな」
「それに力がつく」
 このことも言う。
「だから食べる」
「それで丼はそれか」
「そう、かきあげ天」
 かきあげにつゆがかかっている。それが丼の上にあった。
「これもいい」
「和風だよな」
「和食大好き」
「その他のものも食べるよな、椎名って」
「好物が多いから」
 椎名の嗜好は中々面白いものであるのだ。少なくとも陽太郎から見ても飽きるものでもつまらないものでもない。色々食べるのである。
「それは活かせる」
「何にだよ」
「文化祭にも」
 こう話すのであった。
「色々考えてる」
「じゃあ文化祭はうどん屋でもするのか」
「それだと少し野暮ったい」
 だからしないというのだった。
「どうかしら」
「じゃあうどん屋はなしか」
「別のを考えているから」
「別のなあ。じゃあ蕎麦とかか?」
 陽太郎は今ざる蕎麦を食べている。それと玉子丼だ。彼もまた和食である。その蕎麦を食べているからこそ今その蕎麦を話に出したのである。
「それにするか?」
「それもどうかしら」
「蕎麦も駄目か」
「甘いものがいいと思う」
 それだというのである。
「そっちの方が」
「じゃあスイーツか」
「丁度いい具合に狭山がいてくれている」
「あいつお菓子屋の娘だからな」
「丁度いい。それでどう」
「いいんじゃないのか?」
 陽太郎はここでは特に考えることなく述べた。
「それも」
「いいでしょ」
「ああ、いいな」
 陽太郎は椎名のその言葉に頷いた。
「それじゃあ文化祭のことも考えてな」
「それで今は」
「運動会か」
「それは任せて」
 椎名はそちらに話を戻してまた述べた。
 
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