異世界にやってきた俺は、チート能力を駆使して全力でスローライフを楽しむ!
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エピローグ
こうして今回の事件の最終的な敵はたおした。
今後はこの国の人達が頑張る事だろう。
そして俺は全てをやり終えた。
「さあ、逃げてスローライフ……」
そこで俺は何人もの人間から手を掴まれた。
俺は必死にその場から逃げ出そうとしたが、
「とりあえず話を聞きたいことがあるの」
「妾も、もう少しお主についていきたいのでな」
「呪いを解くお手伝いをするといった」
「また一緒に冒険しましょう!」
エイダ、レオノーラ、ハデス、ミシェルの順に俺にそんな風に言ってくる。
何かこの光景はおかしい気がする。
どうして俺は、そういえばこんなに女の子達に囲まれているんだ?
まるでどこかのラノベ主人公のようではないか!
これは非常にまずい。
だってそうなると俺のスローライフは、スローライフにならないかもしれない。
とりあえず彼女たちに“追放”してもらえばいいのだろうか?
何をすればいい?
といったように新たな事実に俺が混乱しているとミシェルが、
「そういえば今回はあの剣に何を付加させたの? そういえばチート能力も聞いてないわ」
「……まだ伸びているが、ガルツがそこにいるから、後でにしてくれ」
そう俺は答えながら城の内部で後始末を始めたのだった。
その後、エイダの両親兄弟に事の顛末についてエイダ達から話してもらったり、隊長たちにがここに舞い戻ってきて俺を騎士団に放り込もうとしたり(実力行使)といった恐ろしい思いをしながら、俺は城から逃げ出した。
それにまたしてもエイダ達がついてきていて、俺はどう“追放”してもらうかについて真剣に考えているとエイダが、
「それで、あのとてもよく切れる剣みたいな魔法について教えてもらっていい?」
「教えてもいいが、再現できるか分からないぞ? チート能力だから、“概念”によって構成されているから」
「それでも聞きたいわ」
との事で俺は、
「とりあえず、俺のチート能力は、前の世界で手に入れたものが“空間支配(ルール・ゼロ)”。空間の情報の読み込み、空間内の再構築し、空間と空間のつながりを変化させることも可能な魔法だ。最後に自爆攻撃を仕掛けられた時に転送した魔法が、その力を使ったものだ」
「そ、そうなんだ。チート能力はすごいわね」
「本当だよ。そしてこの世界で手に入れたのは“空間創作(クリエイティブ・ワールド)”。魔法を作る能力だ。それで俺が作った剣は、実の所特定範囲内に効果がある、といったものに光で色付けした程度の意味しかない。重要なのは、“効果”のほうだ」
「“効果”?」
「そう。魔法が魔法足りうる構成、“魔法”は“魔法粒子”の結合によって存在しているが、その結合を“切る”事で二つに分けているんだ」
「??“結合”?」
「そういうものなんだ。そして今回は更に魔法での再生が起こらないよう、“魔法の動きを停止させる”魔法を使って、再結合などがされないような状態にした」
「そ、そうなの……」
とりあえず説明した俺だが、エイダ達は分からなかったらしい。
ミシェルがやっぱりわからないでしょうと笑っていたり、ハデスが真剣な顔で考え始めてしまったのを見て俺は、それ以上考えないことにした。
それに今はようやく大変な事態は終わったので後はゆっくり……と俺が思いつつ街を歩いていると、
「あれ? ソウタにミシェルさんじゃないか。二人ともこっちに来ていたのか~」
そこで俺は何者か……元の世界の友人に声をかけられた。
しかも彼は女の子に囲まれて品物をとある店に運び込んでいる。
なんでも生産系のチート能力なのでスローライフ中であるらしい。
そう、スローライフ。
「お、俺が一番やりたかったことをおおおお」
「え? え?」
友人は首をかしげて俺を見た。
そして俺は事の顛末を話すと、
「たいへんだったな。もし必要なものがあったら言ってくれ。用意するからさ」
と言ってくれた。
この時はいい友人だと思った。
だがのちにこの友人のせいで……。
そして連絡用の装置等を手に入れて俺は、住むのによさそうな家を探すことになったのだが……。
「私達もついていくことにしたわ」
そうエイダ達に言われてしまう。
俺はどうしようかと思ったが、もうどうにでもなれと思ったので放っていくことに。
その答えにエイダが笑って、
「適当な答え」
「いちいち考えてばかりいたら大変だからな」
「そうね。……でも初めて会った時は突然現れて助けて何も言わずに去っていくヒーローみたいと思ったの」
「残念だが俺は絶対にどこかの物語のような主人公になるつもりはない!」
「どうだろうね~」
「……」
「面白そうだからもう少しついていくわ」
そうエイダは楽しそうに言う。
俺は、大変なことにこれからは巻き込まれませんようにと思った。
そんな俺がさらに厄介ごとに巻き込まれ、紆余曲折の末、元の世界とこの世界を行き来する事になるのは、それからこの世界で一月後の事だった。
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