異世界にやってきた俺は、チート能力を駆使して全力でスローライフを楽しむ!
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言い過ぎたかもしれない
つい怒りに任せて倒してしまった。
気絶させる程度に力を抑えたとはいえ、そもそもこんな事に巻き込まれたのは、この“闇ギルド”という人物たちがこの世界でやらかしたからだ。
しかも背後には前の世界の“魔王”関連の人物たち、その残党がいる。
そのせいで俺はこの世界に呼ばれ。彼らと戦う羽目になったのだ。
八つ当たりをしてもいいと俺は思う。
そこで、気絶させた“闇ギルド”の人物たちをロープで縛り上げているとそこでエイダ達がやってきた。
縛り上げた後は魔法封じと、周辺で観察している人物を確認しつつ、結界も貼っておく。
ちなみにこれは閉じ込めておく意味もある。
そこでハデスが、
「……ごめんなさい」
「え?」
「やはり、無理やり呼んでしまったのは……申し訳ありません」
「い、いえ、ハデスがやったわけではないので……」
俺は慌ててそうフォローした。
この“闇ギルド”達のやらかしに関して俺が苛立ちを覚えただけで、ハデス達には……確かに関係はあるが、気にしすぎていて困る。
そしてエイダも、
「私もソウタを巻き込んでしまったし……ごめんなさい」
「い、いや、あの……ああ……」
そう言われて俺はどうしようかと思った。
八つ当たりしたのは、この“敵”相手だからであって、ハデスとエイダに関してはそこまできつく言うつもりではなかったのだ。
どうしようかと俺っは思いながら、素直に心情を述べることにした。
「……突然襲ってきたのと、危険な敵を作っておいて、周りの人たちの事も考えずに好き勝手して、しかも俺を勝手にレッテル張りして殺そうとしてきたのが気に入らなくてああいっただけです。そこまで気にしなくても……」
と俺はいってみたが雰囲気はあまりよろしくない。
どう誤魔化そうかと俺は思いつつ、
「そ、そういえばエイダの能力は何なんだ? この“闇ギルド”の連中が言っていたが……」
「予知能力のようなもの、らしいわ。それで私は……逃げてこられたようなものだから」
「そ、そうですか。でも予知能力……予知能力……そういえば前の世界にもそういったのがいたな」
「そうなの?」
「ああ。能力全開にして攻撃してくるものすべて避けて防御を行うものだから、防御できないような攻撃で倒した」
「……敵だったの?」
そう不安そうにエイダが聞いてきたので俺は首を振り、
「この私に勝たなければ手伝ってやらないと言われた。それどころではなかったのに……そういえばあの世界は本当に脳筋が多かった……」
思い出して俺はぐったりしながらそう告げるとエイダが笑う。
「そう、“敵”ではなかったんだ」
「そうなんだ、なのに攻撃してきて本当に大変だった」
「でもそういった使い方もできるのね。覚えておくわ」
「よろしく」
「もっとも貴方の力を使うと、私の力は必要なさそうだけれどね」
そう肩をすくめるエイダを見ながら俺は、そこまで万能じゃないぞと言い返そうとしたところで、
「んン……は!」
捕らえておいた“闇ギルド”の人物たちが目を覚ます。
さて、これからどうするかと思っていると彼らのうちの一人が、
「……やはりあちらの世界の“英雄”と呼ばれるだけあるな」
そう俺に向かって言いだしたのだった。
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