オズのトロット
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第十二幕その八
「カルロスもよかったら観戦してね」
「そうさせてもらいます」
「あとね」
さらにお話するオズマでした。
「もうすぐしたらドウ一世達も来るわよ」
「この街にですね」
「あの人達も列車で来るわよ」
オズの国のそれでというのです。
「だから楽しみにしておいてね」
「それじゃあ」
「ノーム王も来てくれるっていうし」
「あの人もですか」
「そうよ、皆が来てくれるからね」
だからだというのです。
「楽しみにしておいてね」
「わかりました」
笑顔で応えたカルロスでした、そして皆で住吉大社の中を歩いていますとそこにドウ一世とチック、ブルーインが来てです。
メリーランドの女王とキャンディマンが来てバド王とフラフ王女、イクシー女王も来てくれてでした。最後にノームのカリフ王も来ました。教授は勢揃いした彼等と再会出来て他の皆と一緒に喜びました。
「いや、嬉しい再会だよ」
「ははは、そう言ってくれるんだ」
「また会えると思っていたけれどね」
こうノーム王に答えるのでした。
「それでもね」
「こんなに早い再会はだね」
「思わなかったしこんなに楽しい場所での再会だからね」
それでというのです。
「本当に嬉しいよ」
「そうなんだね」
「では今からね」
「皆を大阪を楽しもうか」
「そうしよう」
こうお話してです、皆で今度は野球場に行きました。そこでは丁度タイガースがマリーンズと試合をしていましたが。
一塁側で観戦しつつです、ドロシーはマウンドにいる阪神のピッチャーの人を見てこんなことを言いました。
「あの村山って人の投げ方凄いわね」
「もう全力で投げているわね」
メリーランドの女王がドロシーに応えました。
「身体全体を使って」
「一球一球に全力を込めていて」
「凄い投げ方ね」
「本当にね」
「彼は外の世界でもああして投げていたらしいね」
教授が二人にお話しました。
「ザトペック投法といって一切手を抜かないね」
「一球一球全力でなのね」
「投げるピッチングなのね」
「そうなんだ、外の世界でもその野球への情熱が凄くてね」
「ああしてなのね」
「投げ続けていたのね」
「そしてオズの国でもだよ」
この世界に来てもというのです。
「全力で投げているんだ」
「そんな凄い人までオズの国に来てくれてるなんて」
「素敵よね」
「全くだね、あとね」
今度はモジャボロが言いました。
「応援が凄いね、どっちも」
「阪神もマリーンズもですね」
「うん、どちらもね」
阪神も凄いですが三塁側のマリーンズも凄い、モジャボロはカルロスに言いました。
「かなり熱いね」
「阪神は外の世界でもこうした応援でして」
「マリーンズもだね」
「そうなんです、あと外の世界ではこの二チーム因縁がありまして」
「因縁?」
「三十三対四っていいますか」
「何かありそうだね」
モジャボロもそのことは感じ取りました。
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