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リング

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6部分:ファフナーの炎その五


ファフナーの炎その五

「地表も。これではもう」
「そんな、そんな筈が」
「駄目です、ニュルンベルグはもう」
「エヴァ」
 ヴァルターは最後に呟いた。そして叫んだ。
「エヴァーーーーーーーーーッ!」
 それが最後の言葉であった。今モニターには破壊され、四散していくニュルンベルグが映っていた。一個の惑星が今破壊され尽くしたのであった。
「ニュルンベルグが完全に破壊されました。同時にファフナーが撤退を始めました」
「ああ」
 ヴァルターは部下の報告に力なく頷いた。
「ファフナーはどうしますか」
「どうしようもない。放っておけ」
「わかりました」
「そして先程のニュルンベルグ破壊ですが」
 沈痛な色が含まれてはいるが淡々とした報告が続く。
「これによりマイン全体に被害が出ております。最早統治拠点としての使用は不可能かと」
「嫌でも移らざるを得ないわけだな」
「残念ながら。如何為されますか」
「悩んでいる時間もないだろう」
 彼はもう我に返っていた。そしてこう答えた。
「フランケンに向かう。全艦を以ってな」
「はい」
「そしてそこで戦力を集中させ今後のことを考える。よいな」
「わかりました。しかし我々の手許にこのザックス級戦艦があって助かりました」
「うむ」
「独自でヴァルハラ=ドライブを作ることができるのですから。これがなくては今頃路頭に迷うところでした」
「不幸中の幸いと言うべきかな」
 ヴァルターはそう応えた。
「銀河に七隻しかない最新鋭戦艦」
「はい」
「それがこのザックス級だ。これは一番艦のザックスだったな」
「その通りです」
「これのおかげで何とか生き残ることができた。まずは生存者がいるかどうか確認したい」
「ニュルンベルグは残念ながら」
「違う。マイン全体では」
 彼は言った。
「かなりの被害を受けていても。まだ生存者はいるかも知れない。彼等を救助してフランケンに向かうぞ」
「わかりました。それでは」
「うむ。すぐに取り掛かってくれ」
 こうしてヴァルターの艦隊は残った僅かの生存者を救助してフランケンに向かった。ヴァルターは最後にそれまでニュルンベルグがあった場所を振り返った。そして心の中で呟いた。
「エヴァ、仇はきっと取る」
 ヴァルターとその艦隊はフランケンに辿り着いた。そしてそこで早速これからのことについて話をはじめたのであった。
 
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