麗しのヴァンパイア
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第三十三話
第三十三話 生徒には言わず
今田先生も今日子先生もカーミラとのことについては二人で話をしていたがそれでも華奈子達自分の生徒達にはだった。
一切言わなかった、だがそれを二人の使い魔達に尋ねられた。
「あの、生徒の方々には内緒ですか」
「あくまでお話されないですか」
「カーミラ嬢のことは」
「そうされますか」
「ええ、最初から決めているの」
今田先生が答えた。
「絶対に言わないでおこうって」
「そうですか」
「だからですか」
「このことは一切お話せず」
「そうしてですか」
「ご主人様達だけで向かわれますか」
「あの人の強さは尋常じゃないでしょ」
今田先生は使い魔達にこのことも話した。
「何百年も生きている吸血鬼だから」
「魔力は相当なものですね」
「最早魔王と言ってもいいです」
使い魔達もこのことはよくわかっていた、カーミラがどれだけ強大な力を持っている存在であることかを。
「その様な魔王に関わってはいけない」
「生徒の方々は」
「そう、だからね」
「私達はあの娘達には言わないのよ」
今日子先生も使い魔達に話した。
「絶対に」
「だからね」
また言う今田先生だった。
「カーミラ嬢は私達が相手をするわ」
「あの娘達は天本博士とのこともあるし」
「これ以上の負担はよくないし」
「だからね」
「言わないでおくから」
こう話してだ、そうしてだった。
今田先生と今日子先生は自分の使い魔達にお茶を持ってきてもらった、それはティーセットだった。そのティーセットを飲みつつだった。
今田先生は今日子先生にこんなことを言った。
「昨日は何もなかったけれど」
「ちょっとしたことで起こるわね」
今日子先生も紅茶を飲みつつ応えた。
「それだけで」
「そう、一触即発だから」
「何か起こったら」
「その時は」
「二人でね」
「カーミラ嬢と戦いましょう」
二人で約束した、昨日は何もなかったがそれでもだった。二人にとってカーミラとの戦いは避けられないことに思えていた。
第三十三話 完
2018・3・22
ページ上へ戻る