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ドリトル先生と和歌山の海と山

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第七幕その九

「僕も努力したらね」
「空海さんみたいになれるか」
「そう思うのね」
「うん、王子と同じくね」
 まさにというのでした。
「思うよ、そして僕が一番無理なのは」
「運動だね」
「先生そっちの才能はないからね」
「そもそも九十九パーセントの努力も考えてないし」
「そちらにはね」
「そうなんだよね、運動はね」
 先生はこちらについては困った笑顔でした。
「もうどのジャンルもね」
「観ることは好きだけれどね」
「それでもだよね」
「いざ自分でするとなると」
「どうしてもね」
「しないよね」
「そうだよね」
「うん、苦手だしね」
 それに加えてです。
「することもね」
「つまり好きならだね」
「そちらの天才になれるんだね」
「好きこそものの上手っていうけれど」
「その通りだね」
「そう、空海さんは学問も書道も好きだったんだ」 
 ここで言う学問は宗教も入ります、そして信仰も。
「それでね」
「どちらも凄かったんだね」
「その努力自体が」
「凄い人だったんだ」
「そうだったんだね」
「そうだよ、そしてね」
 さらにお話した先生でした。
「才能もあったからだよ」
「天才は何か」
「その分野が好きなことが第一なんだね」
「そもそもね」
「そういうことだね」
「そうだよ、そしてね」
 さらにお話する先生でした。
「いつもやっているとね」
「空海さんみたいになれる」
「そうなんだね」
「いや、そう思うとね」
「好きになることが大事で」
「そして努力を続ける」
「閃きは神様が与えてくれる」
「そういうことだね」
「そうなるよ、しかし思うことは」
 それはといいますと。
「僕は空海さんみたいな登山家にはなれないね」
「うん、そもそもなる気がないから」
「だったら仕方ないね」
「先生は運動は苦手だしね」
「自分がすることに興味はないから」
「だからだよ、じゃあ今からね」
 ここでお話を変えた先生でした。
「高野山を見て回ろうね」
「うん、そうしようね」
「ここは色々見て回る場所あるよね」
「それじゃあどんどん見て回ってね」
「勉強していこうね」
「そう、学問をしようね」
 笑顔で言う先生でした。
「そして勿論座禅とかもさせてもらおうね」
「あっ、座禅もなんだ」
「それもなんだ」
「先生させてもらうんだ」
「王子もトミーも」
「そう、座禅は何度かさせてもらっているけれど」
 日本に来てからです。 
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