リング
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153部分:ラグナロクの光輝その七
ラグナロクの光輝その七
ジークムントの乗艦であるジークリンデとジークフリートの乗艦であるノートゥングは並んで進んでいた。途中ジークムントがノートゥングにやって来た。
「何かあったのか?」
「あんたにちょっと聞きたいことがあってな」
「私にか」
「ああ」
そう応えて不敵に笑った。
「ちょっとここじゃ何だな」
「では私の部屋に来るか」
「そうだな、そこでゆっくりと話をするか」
「うむ」
こうして二人はジークフリートの部屋に入った。テーブルに座り向かい合って話をはじめた。
「酒は何がいい?」
「ワインがいいな」
ジークムントはそれに応えた。
「ワインか」
「それも白だな。あるかい?」
「丁度いいのがある」
ジークフリートはそれに応える形で棚からボトルを二本取り出してきた。同時に水晶のグラスと少々のチーズもだ。酒の友まで揃えていた。
「これでいいか?」
「ああ、充分だ」
ジークムントはボトルとチーズを見て満面に笑みを浮かべた。
「それじゃあそれを一杯やりながら話をするか」
「わかった」
こうして二人は話をはじめた。ジークムントは注がれる白ワインを眺めて言った。
「発泡性のワインなんだな」
「そうだが」
「いいな、この泡が」
ジークムントはその泡を見て満足気に笑っていた。
「飲む気にさせてくれるぜ」
「発泡性のワインも好きなのか」
「そうさ、シャンパンもな」
ノルン銀河では発泡性のワインのことを総称してシャンパンと呼ぶ。実際にシャンパーニュ星系で採れるワインが発泡性だからである。もっとも発泡性のワインは他にもあるのであるが。
「飲み易くてな。好きだぜ」
「そうか、それはよかった」
ジークフリートもそれを聞いて顔を綻ばせる。
「このワインは私も好きでな」
「そうか」
「楽しく飲むとしよう。そして話をしよう」
「よし」
酒を飲みながらの話がはじまった。まずはジークフリートが尋ねてきた。
「そして話とは」
「ああ」
ジークムントがそれに応えて言った。
「あんたもクンドリーとは因縁があったよな」
「ないわけではない」
ジークフリートはその言葉に頷いた。
「実際に直接剣を交えたこともあったしな」
「そうか、そういやそうだったな」
「それか、聞きたいのは」
「ああ。他にもクンドリーに暗殺されそうになったって話も聞いたしな」
「あれはデマだ」
ジークフリートはそれは否定した。
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