異世界にやってきた俺は、チート能力を駆使して全力でスローライフを楽しむ!
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依頼を受けてみる
それから、依頼のある掲示板に向かう。
ちょうど新しい依頼をギルドの職員の人が張り付けているようだった。
幾つにも分かれた灰色の掲示板、そこには大きな空白がいくつもある。
その空白にはピンがさしてあったり、ピンが床に転がったりしているのを見ると、そこには依頼があったのだろうと思わさせられる。
もっと早い時間に依頼を皆が皆受けに来るのかもしれない。
混雑している時間にわざわざ良い依頼を受けに向かうか、それとも今のように空いているがほとんど良い物が取られた後で行くか。
「後者だ。俺はこの世界ではのんびりスローライフをするんだ。大変なことはしたくないんだ! ……でも採取系は行ってみるといいか? 元の世界に戻るためには、この女神さまのつけた変な効果を解かないといけないし。……暗号化されて複雑になっているから、調べるのも時間がかかるだろうしな。後は魔法でごり押しか」
そこまで呟いてみて俺は、ここに飛ばされた時に女神さまが額にキスをしたのを思い出した。
突然召喚した女神であったとはいえ、む、胸の大きい美人な女の子にそうされるのは……その……。
「す、少しくらいなら付き合ってもいいか。どのみち“英雄”様がいらしているらしいから、俺の出番はそんなにないだろうしな。さて、依頼は採取系にするか、水を生み出す系にするか」
どうしようか呟きながら俺は探していく。
そこでそこまで値段は高くないが、初心者大歓迎と書かれているものを見つける。
可愛い女の子のイラストが描かれていて、ここならば俺もやってみてもいいかなと思ったのだ。
それに水が不足しているとの事で、それに貢献できるのはいいことかもしれないなと俺は思ったのだ。
そして俺はその依頼の紙を持って受付に。
「これをお願いします」
「はい、日雇いの水を作るお仕事ですね。では……」
そういって受付の女性が、地図を紙に書いてくれて、それを参考に“ウォタ屋”という名のお店を目指す。
ギルドにほど近いそのお店には長い行列ができていて、若い女の子たちが瓶に水を入れて渡している。
瓶は持参であるらしい。
だがここで仕事ってどうすればいいんだと思って紙と、そのお店を見比べているとそこで店員の女の子が、
「もしかして日雇いのお仕事に来られた方ですか? そちらの右側に勝手口がありますのでそちらから入っていただければと思います」
「ありがとうございます」
俺はお礼を言ってそちらに向かう。
親切そうな可愛い子だった、と俺が思いながら言われたとおりに勝手口に向かいその扉を開けた。
だが、中の光景を見た瞬間俺は即座に俺は扉を閉めた。
今、俺は、言葉では言い表せない、名状しがたい“何か”を目撃した気がした。
気のせい、だろうか?
否、俺は確かにそれを目撃したのだ。だが、
「たまたま変な光景を見てしまったのかもしれない」
俺はそう呟きながら、扉をそっと開いた。
中にはたくさんの筋肉質な男たちがいて、
「さあ、もっとだ、もっと水を出すのだ!」
「む、無理です、これ以上は俺には無理です!」
「仕方がない、休憩だ。そちらはどうだ!」
「お、俺ももう少し休憩を……隊長、新人が来ています」
そこで棒立ちになっていた俺に気づいたらしい中のムキムキマッチョの男ががそう言ったのだった。
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