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リング

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131部分:ヴァルハラの玉座その十二


ヴァルハラの玉座その十二

「このまま来るものかと」
「わかった。では横から攻めるぞ」
「はい」
 シェンクだけでなく他の参謀達それに頷いた。
「敵に気付かれないようにな。密かにだ」
「わかりました」
 ジークフリートの艦隊は動きはじめた。そしてその艦隊を待つ。
 第七惑星に身を隠す。そこに今敵艦隊がやって来た。
「今来ました」
「敵はこちらに気付いているか?」
「いえ、まだ」
 部下達からの報告が入る。
「こちらのことには何一つ気付いておりません」
「よし、では仕掛けるぞ」
「了解」
 すぐに攻撃態勢に入る。だがそれは密かにだ。やはり帝国軍に気付かせはしなかった。
 攻撃態勢を整えると丁度目の前に帝国軍がやって来た。こちらに気付いている素振りはない。
「やりますか?」
「いや、まだ待て」
 血気にはやる部下達を制止する。
「よく引き付けろ、いいな」
「はい」
「半ばを過ぎてからだ」
 彼はその時を待った。
「もうすぐだ、もうすぐ」
 その時を待つ。今艦隊が通り過ぎる。
「半ばを過ぎました」
 そしてまた報告が入った。
「今です」
「よし、全軍攻撃!」
 突如として叫ぶ。
「まずはありったけのミサイルをビームを叩き込め!」
「ハッ!」
「その後で突撃を仕掛ける!それで一気に敵を粉砕する!いいな!」
「了解!」
「では行くぞ!撃て!」
 その右腕が振り下ろされる。それと同時に全艦のミサイルとビームが放たれる。
 光とミサイルが交互に複雑な動きを示し敵に襲い掛かる。光は敵を貫き、ミサイルは敵に喰らい付いた。それによりかなりの数の敵艦隊が炎と化し戦場に消えた。
「最初の攻撃はまずは成功ですな」
「ああ」
 ジークフリートは部下の言葉に頷く。
「敵の損害率五割!」
「敵は混乱しております!」
「よし、今だ!」
 ジークフリートは叫んだ。
「全艦突撃!」
 その右手がまた振り下ろされた。
「一気に勝負を決める!いいな!」
「はっ!」
 ジークフリートの艦隊は切り込んだ。混乱する帝国軍の艦隊をそのまま一蹴した。敵軍が取るに足らぬ戦力になると彼はすぐに次の行動に移った。
「残敵掃討の戦力だけ残す」
「はい」
「そして次の艦隊の殲滅に移る。よいな」
「わかりました」
「今残る一個艦隊はクプファー提督の軍に正面から当たろうとしております」
「ああ」
 ジークフリートは部下の報告に頷いた。
「では第五惑星の方へ急行する。よいな」
「わかりました」
「ここで一気に勝敗を決する。いいな」
「了解」
 ジークフリートの艦隊は彼の指揮の下第五惑星に向かった。そこに辿り着くともう帝国軍の残る一個艦隊がクプファーの艦隊に向かおうとしているところであった。
「丁度いい時に来たというべきか」
「また側面から攻撃を仕掛けますか?」
「いや」
 部下の言葉にはまず首を横に振った。
 
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