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転生×魔弾の王×萌えもん=カオス

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十一本目

エレンの指揮下で、マサラタウンへ向かうのは人化個体50人と通常個体100匹。

トキワシティを通らず、森を抜けてマサラタウンへ向かう為、この数だ。

エレンが選抜したのは5Vすら含む精鋭だ。

彼らは文字通り一騎当千が可能だ。

「驚きました。まさか兵を貸せとは」

「どちらの予想も外れたな」

後ろから衣擦れと声が聞こえる。

「何の話だ?」

エレンの私室に呼ばれ、作戦会議でもするのかと思えばいきなり着替え出す始末。

ログハウスから出ようとしたら止められたので後ろを向いて、見ないようにしている。

エレンは俺で遊ぶのが好きらしい。

「あぁ、私とリムで賭けをしていたんだ。
リムはお前が私に勝負を挑むと予想。
私はお前が部下にしろと言うと予想していた」

人で勝手に賭け事をするな。

「しかしまぁ、お前の出した答えは私に近かったからこの賭けは私の勝ちだ。
そうだろうリム?」

「いえ、あれだけ言葉巧みに誘導しておいきながら、自らの望む答え得られなかったことを考えればエレオノーラ様の負けでしょう」

「私は素朴な疑問を並べただけだが?」

「普段の貴女なら、出ていきたくば私を倒して行け、ぐらいの事は仰います」

「私はそこまで好戦的ではない」

「街道で何をなさったかお忘れで?」

「お前らどっちも敗けだ。
そんなに賭け事したけりゃバニーガールでディーラーでもやってろ」

「「?」」

バニーガールってつうじないんだね。

そうこうしてる内にエレンの武装が終わった。

「もう終わったから見ていいぞ」

振り向くと街道で出会った時の格好をしていた。

「じっくり堪能するがいい。戦場では眺めている暇など無いからな」

フンスッ! と胸を張るエレンは子供っぽくて、可愛かった。

姫らしい事でも言うかと思ったが、こっちの方が彼女らしい気がする。

「お前の用意は済んだのか?」

「見ての通りだ」

俺も街道であった時と同じ装備だ。

手には弓を、腰には矢筒を。

「襟が曲がっているな」

「そうですね、髪ももう少し丁寧に撫で付けた方が宜しいかと」

「リム、私の櫛をつかってもいいぞ」

エレンとリムに左右からもみくちゃにされた。

嬉しいけど、恥ずかしい。

一通り、俺の髪を弄ると、今度は俺の服にめが向けられた。

「その服もなぁ…戦は見た目でする物ではないとはいえ、一軍の将としてはな…」

「は?将?俺が?」

何の冗談だ?

「当たり前だろう?兵を『貸せ』と言ったのだからな」

ジーザス…

「いや、でも俺の言うこと聞かないでしょ?」

「それはお前次第だ。
頼むぞ、トレーナー」

えぇぇぇ……?

「では行くぞ」

エレンとリムがログハウスから出て、俺もソレを追う。

「敵の数が不明なのに、勝てますか?」

「勝てる。そうだろうティグル?」

「ああ、地の理は俺達にある。
その上ロケット団の数は最低限の筈だ。
田舎町のマサラタウンを攻めるのに大部隊を率いてくるとは思えない」

「わかりました。ですが敵が少数精鋭だった場合どうしますか?」

「少数ならば勝てるだろう?
それともエレンのライトメリッツが負けると?」

「ほう?言うではないか」

「さらに言えば、仮に大部隊だったとしても、マサラタウンにはそれを展開できる場所はない。
相手は戦力を逐次投入もしくは分散配置するしかなくなる。
そうなれば各個撃破だ」

「他にはありますか?」

「加えて、他の街でも行動を起こそうというのなら、ド田舎のマサラタウンで戦力を浪費する事は嫌うだろう。
つけ入る隙はいくらでもある」

エレンに視線を向ける。

鎧を身につけた凛々しい姿。

だが、まだだ。

この姿は完成形ではないのだ。

その赤く紅い瞳に戦意が満ちた時こそ、戦士としての…戦姫としての彼女が完成する時だ。

「見惚れるのは良いが、言葉の一つくらいかけてくれてもいいだろう?
『きれいだ』とかな」

「街道で会った時から思ってるよ」

「そ、そうか…」

エレンは、マントを翻し、歩みを進めた。

兵達が、待つ場所へと。
 
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