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おぢばにおかえり

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第四十四話 二人でお外に出てその十三

「全く、いつもそうだし」
「いやいや、先輩もですね」
「私も?」
「僕とのお引き寄せってことで」
「変なお引き寄せよ」
 つくづく思うことです、阿波野君の一八〇近い背を見上げて思いました。ついでに自分の小柄さもです。
「夏休みも会って」
「おぢばがえりの時と二回目ですね」
「そうね、それはそうとね」
 おぢばがえりと聞いて私は阿波野君にあらためて言いました。
「おぢばがえりどうだったの?」
「どうだったっていいますと」
「毎年参加してるのよね」
「毎年じゃないですけれどね」
「子供の頃からなのね」
「はい」
 その通りという返事でした。
「そうです」
「じゃあ結構以上に知ってるわね」
「詰所にもお泊りしていますし」
「あそこにも親しんでて」
「今もなんです」
 高校生になっている今現在もというのです。
「お風呂も入らせてもらって」
「わざわざボディーソープとか用意してよね」
「汗かいたらさっと」
 シャワー感覚でというのです。
「お風呂入らせてもらってるんですよ」
「それは図々しいでしょ」
 私はこのkとは注意しました、この子のこうしたところはどうしても注意せずにはいられません。
「何でそうすぐ調子に乗って図々しいのよ」
「図々しいですか」
「前から思ってるけれど」
 本当にです。
「そこは何とかしなさい」
「なおせっていうんですね」
「そうよ」
「僕図々しいのは嫌いですし」
 どの口が言うの、と思いました。聞いていて。 
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